暑さとか好青年とか昇太秘密基地とか

長い梅雨が明けると、暑い夏。
「早く雨が終わって欲しいね」と語り合いつつ、終わったら終わったで「今年も暑いね」と言うのが世の常人の常。
本当にそうですか?
こうした陳腐な常識は、常に疑ってかかることにしている。
私の中の事実は違う。
7月、梅雨が長引いたために気温が上がらず、家で仕事をする私は、冷房をあまり使わなかった。ある種快適。
雨が好きなわけじゃないが、この後の暑さを想像するなら、梅雨なんて明けなくていいと。ちなみに落語に行くときは、雨はまったく気にしない。
そして8月。東京はいきなりもう秋の気候。
日中、暑いことは暑いが、これは空気中に水蒸気が足りないために、直射日光が肌に刺さるから。つまり、例年の9月上旬の気候。
昼の気温を保持する水分がないもので、夜は気温の低下がスムーズ。
日中も夜も、冷房をあまり使わなくて済んでいる。
この後、もういっぺん本格的な夏の暑さが来るのかもしれない。昨日今日は夜も暑かったし。
だが、すでに私は例年より過ごしやすい夏だと結論付けていますよ。

7日には、両国でじゅうべえ改め三遊亭好青年、二ツ目昇進の披露目というものがあった。
スウェーデン人落語家としてちょっと知られるじゅうべえさん、前座修業が終わったのだ。
行きたかったのが、ここ2週間で3回出かけているので自粛。
なので、この小ネタ集をブログに出しているわけです。
それにしても、好青年とはぴったりの名前を付けたものだ。「好青年さん」って呼ぶのは気恥ずかしいけど。
日本語も落語も上手くなって、立派な人。
好青年さんは小麦アレルギーがあるので、日本のほうが暮らしやすいらしい。十割そばだったら食べられるのかな。
ところで心配なのは、好青年さん、そしてその前にも好志朗さんが昇進したので、円楽党は現在前座が3人しかいないようなのだけど?
すなわち、楽べえ、しゅりけん、楽太。
他に誰か、見習いでもいるのかな?
円楽党は小規模とはいえ、両国と亀戸を合わせると、延べ30日ぐらい寄席があるのである。少ない人数で回すのは結構大変。
二ツ目になっても手伝ったりする羽目になりそうだが。

落語協会の来春の真打のうち、改名が未定だった二人も予想通り名を替える。
柳亭市江さんが「柳亭燕三」。
三遊亭めぐろさんが「三遊亭れん生」。
「燕三」ってカッコいい名前だが、いったいどこからツバメが飛んできたのか?

BSで流れている「昇太秘密基地」は実に楽しい。還暦なのに稚気に溢れる昇太師匠。
ようやく外ロケができるようになったので、富津の山の中で、五右衛門風呂やらツリーハウス、動物除けの電柵等、次々作っている昇太師。
この番組に、昇太師の弟子たちが出ていた。昇々、昇也、昇羊の3人。
しかし、映ったのは番組冒頭だけであった。せっかく富津まで行って、ほぼカットされる悲しい弟子たち。
もっと爪痕を残せるよう、頑張ってください。

その昇太師はラジオ、水曜ビバリー昼ズのパーソナリティ。
ゲストで出てきた根本要さん(スターダストレビュー)の声は、林家ぺー先生とそっくりだということに改めて気づく。
声質だけじゃなくて口調もそっくりだ。調べたら、同じ感想を持っている人が世に結構いる。
その要さんは、桂雀々師匠と仲良しだそうで。ホストの昇太師とも、打ち上げを通して面識があるのだとか。
落語界も、音楽業界もライブができず苦労が多いらしい。
要さんの、ミュージシャンへのメッセージとして「配信は変に儲かるから気を付けろ」だって。
なんだかすごく腑に落ちました。もちろん人に幸せを与えている人だから、才能でメシを食うのは当たり前。だが、必要以上に儲けることはないんだと。
ひと昔前の、先代正蔵あたりに漂う美学を感じてしまった。まあ、豪邸建ててる昇太師への嫌味ではないだろう。

作成者: でっち定吉

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