東京を水害から守る:春日部地下神殿ツアー

落語について日々発信している当ブログだが、たまに関係ないネタも出す。

そういうときは半ば無理やり「世の中の落語を探す」シリーズにしているのだが、今日はもう、最初から一切、くっつけようのないネタ。笑いなどどこにもないし。
まあでも、落語好きの方も、よかったら見ていってやってください。

春日部にある、首都圏外郭放水路。通称地下神殿。
毎年のように、首都圏を氾濫から救っている。
地形的に氾濫しがちな古利根川、元荒川、綾瀬川流域から水を、地下の巨大な川に送り込み、もっとも端の地下神殿部分から江戸川に放水するのだ。

近年、ダムなどインフラツーリズムが流行っている。
ダムもいいが、地下で人類を救ってくれる秘密施設を一度見たいものだと思っていた。
このたびツアーが再開したので、予約して家族で行ってきた。予約時はガラガラだったのだが、当日は盛況である。
料金はひとり1,000円。亀戸梅屋敷寄席や福袋演芸場等と同じ。
落語に触れるのはこれが本当に最後です。

東京からは、常磐道の流山インターが最寄なのだが、少しでもカネをケチって手前の首都高三郷インターで降りる私。ちなみにカーシェア。
吉川市の、一面の田圃を抜けていく。
高崎線など乗ると、火山灰の土地が終わる熊谷あたりから一面の田圃風景になる。だが、南部にあるが千葉に近い吉川では、田圃が多いのだな。知らなかった。

目的地はここ。地底探検ミュージアム 龍Q館。
江戸川の堤防沿いから敷地に入る。
暑い中ハンドルを握ってきたもので、入場時に検温されたら、37.3度もあって焦った。37.5度だと見学不可だ。
施設に売店、土産物屋などはいっさいないが、屋外に飲み物の自販機だけはある。
この龍Q館でしばし見学をして、基本知識を得る。
コロナのためお休みしていた展示が多いのはやや残念。
かつては埼玉県にも東京湾が流れ込んでいた。かつての海であった低地に、水が流れ込みやすいのだ。そういうことを学んだ。
海なし県埼玉も、地球温暖化が進むと海が持てるのだ。よかったね。

シン・ゴジラや仮面ライダーのロケで使われた操作室。

時間なので、地下神殿入口に集合する。龍Q館から、グラウンドを挟んで200m。グラウンドは神殿の上である。

入口はごく小さい。

ここの戸を開け、階段をひたすら降りていく。
階段は撮影禁止。上から眺める光景は圧倒的だが、こんなところで撮影を許可したら事故多発は間違いない。
床は濡れていて滑るし。

地下は19度と、大変ひんやりしているのだが、いっぽうで極めて湿気が高い。
だがおかげで、マスクを付けっぱなしでも実に快適である。

浮き輪を水に沈めるがごとく、この巨大空間を周辺の地下水による浮力から守るために、巨大な柱が林立しているのである。
わかりやすい説明だ。

もっと臭いかと思っていた。全然臭いはない。
稼働した後、土砂が溜まると、人の手で掃除をするのだそうだ。そして年1回はブルドーザーを上空から吊り下げ、中で土砂を掻き出す。

ここもロケに使われた。翔んで埼玉のラストシーンに登場する。覚えてないのだが。

地下のウユニ塩湖。ぽい写真。
本当に、薄く水が溜まっているのである。

明かりの方向は、神さまがいるわけではなく、第一立坑。遠方から地下の川を通ってくる水が、最後に組み上げられる部分である。
ここは自然の光が入ってくるのだ。
現在はお休み中だが、この第一立坑を階段で降りていくツアーも用意されている。高所の怖い人は耐えられないらしい。

どんなに圧倒的な眺めでも、しばらく見ていると慣れてしまうのだけど。
でも、ここはもう1回来ても、圧倒されそうな気はするが。

今度は階段をひたすら登る。私はマンションで、いつもエレベーターを使わず階段を登っているので大丈夫。

この巨大な地下施設の上空を、グライダーが何度も飛んでいく。
江戸川沿いに滑空場があるのである。

楽しかったです。

作成者: でっち定吉

落語好きのライターです。 ご連絡の際は、ツイッターからメッセージをお願いいたします。 https://twitter.com/detchi_sada 落語関係の仕事もお受けします。