ちょっと更新サボリ気味ですみません。
更新サボったときに顕著なのだが、朝ブログにログインすると、「Front Page」のアクセス数と比べて、個別記事のアクセスが大幅に少ないのであった。
お越しはいただいたが、読んでいない最新記事がないのでそのままお帰りになるわけだ。おもてなしもできず申しわけありません。
私の本業はライターだが、ちょっとバブル気味に仕事が来ているものでして。
いつなくなるかわからないから、単価はともかくつい受けてしまう。
寄席に行くとすぐ記事ができるのだが、行けるかどうか。
池袋下席、柳家小せん師匠の芝居に行けたらいいのだが。9月はまだ39名。
といいつつ、寄席行ったときのほうが個別記事のアクセスが少ないのは相変わらずです。
さて今日は「噺家の文才について」。
噺家にも、文才のある人とそうでない人がいる。
落語の腕とは、関係あるような、ないような。なくはないだろうという関連。
落語も文章も上手いのはなんといっても春風亭一之輔師。
この師匠はあちこちのWeb媒体でひっぱりだこ。
たとえば、AERA.dot。
この人は高座のマクラもそうだが、書くものについても、取り上げる事象に対するスタンスの取り方が絶妙だ。
いきなり事象の上に立ってしまうことが絶対にない。
いや、本当は上から俯瞰しているからこそ論評できるのだろうけど、そう見せない巧みなスタンス。
事象を最初から切り離しておらず、まずは事象に沿ってみる。それから徐々に距離を取っていくスタイル。
そして文章は羽目を外しすぎず、極めて巧みな構成で読みやすい。
噛めば噛むほど味がある。売れてる人は違うね。
落語のほうは正直あまり知らない、二ツ目の林家木りんさんが文春オンラインに掲載されている。
伊勢ヶ濱部屋で育った身長192cmの噺家。ブログ始める前に末広亭で聴いたが、それ以来ご無沙汰。
まだ1記事だけだから今後はわからないが、なかなか達者な文体の人だなと。
一之輔師の書くものの影響も受けていそうだ。
そして内容はコロナで困っている話なのに、真に怒ってない。世間に恨みつらみを露骨に言い出すとだいたいつまらなくなるもの。
自分でも認めるお坊ちゃんなので、気持ちにもともと余裕があるという点はあるだろう。楽しみな人です。
ちなみに、同門の噺家がウーバーなどバイトに励んでいる姿、書いてしまっていいのかね?
立川流の噺家はもともとものをよく書いているから、文筆家が多い。
最近の売れっ子が、立川談慶師。
すみませんが、落語のほうは全然知らない。
そしてその活動ぶり、新ニッポンの話芸ポッドキャストで鈴々舎馬るこ師から揶揄されていた人でもある。
どこかのお店で「落語協会 立川談慶」で予約入れてたのに出くわしたんだって。たぶん、談慶師のお客さんが、落語界のことをよくわかっていなくてそうしたんだろうけど。
立川流の古いファンからもポンコツだと揶揄されがちな談慶師であるが、最近の文筆家ぶりは見事だ。
まあ、ちょっと上目線のきらいはあるけど、インテリの書くものだと思っていればその点も含めて面白い。
本は一冊も読んでなくてすみませんが。読みたくなるようなタイトルでもないけど。
それでも落語を見事にビジネスにしている。この分野ではすでに談四楼師の上を行っているのでは。
プレジデントで連載持っていて意気揚々。
兄弟子の立川雲水はこの人を羨み、極左活動ツイッターの合間に、揶揄でなく露骨にひがんでいた。
世間的にはすでに、圧倒的な差が付いているといっていいが、修業時代にマウンティングしてしまった癖が抜けない。悲しい話である。
弟弟子にはできなくなったので、自民党政権に必死でマウンティングをしている。
最近はWebの記事はないけど、立川志らく。
この人、当ブログでは繰り返し取り上げている。その了見は大嫌いなのだが、文章は上手いなと。
むしろ、私が書きたくなるスタイルだ。
こういう文章は、リズムを体に叩き込んでいないと書けないはず。たぶん、村上春樹ならそう言うだろう。
文章力だけは圧倒的なのだが、自意識過剰な内容が。
このリズムは、落語の語りにも似ている。落語のほうも自意識過剰。
これだけの文体を持っているのに、実にもったいない話ではある。
結局、どこかに一線を引いてしまい、自分のことをしっかり笑うことができない人なんだろう。正体は紙入れの旦那なのに。
自分を笑う視点だけはかろうじて持っているのだが、プライドが高く笑いきれていない。その自意識のギャップがモヤモヤを生む。
文体は見事なのに、「雨ン中の、らくだ」は同時期に出た立川談春「赤めだか」にまったくかなわなかったという。まあ、文庫になってるんだから売れはしたのだろうが。
最後に、桂春蝶。
愛人をボコボコにしたのに、夕刊フジの連載は続く。
現在伊勢谷友介が、起こした犯罪そのものと無関係のDVで叩かれまくっているのを見ていると、違和感しか覚えない。
私の主観だが、内容はまるでつまらない。進歩もしていない。
思想だけで連載を持つっていうのはな。
この人の書いている内容自体は、私も同感できる部分が多い。なのに共感がまったく起きない。
そもそも、ゴリゴリの保守を自認しているくせに、事象に立ち向かうスタンスが左翼そのものなのだ。
対象がリベラルだというだけで、精神構造がアベガーとまったく同じ。
この際だからじっくり見てみたのだが、先に褒めた一之輔、木りんといった人たちと、文体がまるで違うわけではない。
イメージとしては「文章が下手な噺家」だったので、この点はやや反省する。
しかし悲しいことに、行間にユーモアがない。たとえ話も上手くない。
今後どこに行くのでしょうかね。
上方落語協会にクーデターを起こそうとして、誰も相手をしてくれない哀しい噺家。
プロの噺家たちをぶった切る貴様は何様のつもりって? ごめんなさい。