毎年ネタにさせてもらっているNHK新人落語大賞、本選出場者決定のニュースが出ていた。
落語界では、最大の権威を持った大会だ。
喬太郎、一之輔、文菊といった師匠、それから来年真打昇進の桂宮治さんも、これを獲ったおかげもあり抜擢が決まっているのである。
真打制度のない上方落語家にとっても、その栄誉は極めて高い。
一方で、優勝しながら歴史の渦に消えていく人もいるわけだが、まあ、それも世の常。
決勝進出者は以下の6人。
- 入船亭小辰
- 桂二葉
- 春風亭ぴっかり☆
- 笑福亭羽光
- 露の紫
- 柳亭市弥
あれ、東4人の西2人だ。今年からルールがまた変わったみたい。同一条件で選んだ結果こうなったのだろうか?
それとも、大会を大阪でやるときは3・3で、東京のときは4・2でというルール? 数のバランス的にはそれもアリだろうけど。
まさか上方落語の羽光さんが西にカウントされてるってことはないよな。
(※ 本当にそうでした。西の予選を突破したため)
ちなみに、紫さん以外全員がツイッターで本選出場を報告。
西の2人は、どちらも女流だ。頼もしいですな。
そして、非吉本かつ非松竹。これは結構、すごいことかもしれない。
二葉さんの米朝事務所は第三の極で結構大きいとはいえ。ちなみに二葉の読み方は「によう」。ラジオで一度も聴いたことがなくて、どんな落語をする人なのかはわからない。
デビュー9年なので、ペーペーではないのだな。
東のぴっかりさんを含めて女性が半分。これもなかなかすごい。別に女流枠があるわけじゃないはずで。
この大会、まだ女流が獲っていないのだ。今年はぜひ応援したいですね。
露の紫さんは、昨年の新作落語がとてもよかった。個人的には、あれが昨年の1位である。
別に優勝した桂華紋さんにケチを付けるわけではない。華紋さんももちろんすばらしかった。
華紋さんのお兄さんが、東京で活躍する漫才師、「おせつときょうた」のおせつ。
露の紫さんは、2013年にも準優勝している。その際は同点決勝で鈴々舎馬るこ師に敗れたのだった。
実力者なのでチャンスでしょう。
私は「なみはや亭」「ラジ関寄席」を毎週聴いているので、紫さんの落語にも昨年大会の後、触れることができた。
「看板のピン」は2回聴いた。おやっさんを江戸っ子にしている設定で面白かった。
アラフォーの落語アイドル、ぴっかりさんは寄席で実にいい仕事をする人だが、天下の獲れるイメージじゃないな。
いえ、獲って構わないですけど。
女流には頑張って欲しいが、個人的にこのメンバーでいちばん地力に勝るのではないかと思うのは、入船亭小辰さん。
先日の池袋でも、その重い空気をガラっと変えて見せた腕に感服したものだ。
ただ、昨年本選に出ていた古今亭志ん吉さんもそうなのだけど、比較的よく知っている人が出場者に混ざっていると、どうも落ち着いて見づらい。
贔屓する意図はまったくない。だがよく知っている人は非常にスムーズに聴けてしまう。
客観的な採点以上によく見えてしまうことはある。
柳亭市弥さんは、昨年採点者の権太楼師が厚く推していたのが気になる。1点差の2位はちょっと高すぎたと、個人的には感じた。
権太楼師の論評に影響された採点者もいたんじゃないのかと。
3年連続で出るのはすばらしいことだけど。
しかし、いかにもこの賞を獲りそうなイメージの人がひとり残っている。
東の上方落語、笑福亭羽光さん。
来年、宮治さんに抜かされたあとの5月に真打昇進が決まっている人だ。つまりラストチャンス。そして大会初出場。
しかしなあ、芸協から4年ぶりの本選出場で、しかも「成金」メンバーか。
新ユニットの「芸協カデンツァ」メンバーはなにをしているのか。毎年やきもきしている。
ちなみに私丁稚定吉、この大会の観覧希望をNHKに出しています。
2020年11月2日イイノホール。
当たるといいのだがなあ。受信料は払っております。
ちなみに当たったら当然、当ブログでレビューはするが、放送終了までネタバレになることは書きません。
(※ 落ちました)