堀之内寄席4(上・春雨や晴太「道灌」)

ブログ1日休ませていただいた。
おかげさまで今日のアクセス数も順調に多いのだが、ほとんどのお客さんが、最新記事がないのを確認してただちにお帰りである。
そんなに毎日楽しみにしていてくださるとは感激です。
さて今日は、行ってきたばかりの落語会の模様を。
落語会の模様を出すと、今度は個別のアクセスが減り気味だったりするのですが。二ツ目の会だし。
まあ、お付き合い願います。
毎月23日は、堀之内妙法寺で堀之内寄席。芸協の二ツ目が顔付けされる会。
ここは粗忽噺の「堀の内」の舞台です。
1年振りにお邪魔します。家からは結構遠い。そして駅からも遠い。
午前中に仕事を片付けて、雨の中、そして寒い中出掛ける。

私は道に迷うのが趣味である。東高円寺の駅から知らない道を適当に歩いていったら、行き過ぎて環七の佼成病院まで行ってしまった。
妙法寺に続く門前の商店街を進んでいたのに、わざわざ脇にそれてしまった。
堀の内の八っつぁんだって、ここまで来れば迷わず着いただろうに。
趣味でもって遊んでいたので、時間がギリギリ。

妙法寺の広い境内、どこで落語をやってるのか案内が出ていない。
三密を避けるため、開場が変わり、休憩所という名称のだだっぴろい空間。
受付でもって、予約がないと伝えると、「予約するようにしてください」と言われた。
なら公式に書いておいてちょうだいなと内心で思ったのだが、後で見たら書いてありました。どうもすみません。
24名限定ということで、入れてよかった。多少の空席はあったが。
和室にぎゅうぎゅうに集まっていた昨年が懐かしい。

道灌 晴太
堪忍袋 鷹治
(仲入り)
天災 昇々

 

今日の目当ては真打の決まった春風亭昇々さん。この会も最後なんじゃないか。
昨年5月に、中野の鯉八師(当時二ツ目)との会に出向いて以来だ。

世話役の古今亭今いちさんが出てきて挨拶。
コロナ太り?

開口一番は春雨や晴太さん。昨年秋に二ツ目に昇進し、1年弱。
私は2年前、前座のときに「ヒルトピア寄席」という会で聴いて以来。そのときは寝てて覚えていない。
この会、演者はフェイスシールドを付けている。そんなに気になりはしない。
晴太さん、こういう格好で喋るのは初めてですが、自分の声がよく聴こえてやりやすいですねだって。
名前ははれたですが、雨男なんですと。

ご隠居と八っつぁんのくだりをたっぷり10分。張り交ぜの小屏風が出てきてようやく道灌と判明。
道灌の、考えられ得るクスグリを全て残らず入れる。
「(江戸城を)安く買ったろうね。イエヤスってぐらいだから」なんてのまで入っている。
ここまで忠実に入れなくていいのに。私はこういうのを「スタンプカード芸」と呼んでいる。
教わった通り忠実にスタンプを脳内で押していく落語を、私はこう呼ぶことにした。
クスグリって、「全部入れちゃいけない」のではないかと思った。
全部入れるとクスグリ過剰。つまり、どれかを義務的に捨てなきゃいけないのではないかと。
もっとも晴太さん、クスグリでいちいちウケを狙う落語ではないし、トーンも落ち着いているのでその点はいい。聴きやすい。
そして道灌という噺、非常に強い。芯がしっかりしていて、クスグリによって傷つかないのである。
道灌の強さを改めて知る。

ちなみに端正な晴太さん、どこか1か所はウケたいのだろうか。
「野掛け」「狩倉」「銃猟」などがわからない八っつぁんに説明しようと「鷹野」と言う隠居。
八っつぁんは「たかの」と聞いて、「新宿にある?」。これはウケてた。

道灌というのは柳家の、落語協会のイメージなのだけども、芸協のものも変わらないなと。
20分の高座。

続きます。

 

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作成者: でっち定吉

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