長津田・みどり花形寄席(中・瀧川鯉丸「片棒」)

スマホで記事書くと、チョンボが多くていけません。昨日の記事、誤字あり脱字あり、そしてネタ帳の演題名と演者名が、仲入り後に入れ替わっていたりなんかして。
ちなみに昨日は訪問者数100。これ自体は最近の平均。
しかしながら閲覧数は138と激減でした。閲覧数は、このサイトがどれだけ見られたかの指標。
いかに、毎日の習慣として当ブログを訪れ、そして最新記事がないので去っていった方が多かったかということです。

仲入り休憩を挟んで、再び鯉丸さんから。
先の武助馬で、「片岡仁左衛門」を思い出せなかったことについて、自白してしまう。そんな噺であるかのように演じてしまったが、お客さんもどうなるんだろうと思ったんじゃないですかだって。
よく考えたら、師匠についてホール落語に出ることはありますが、自分の二人会というものはめったにないことに、高座に上がってから気づきましただって。本来、もっと緊張すべき舞台であったということだ。

ケチの小噺を一つだけ振る。枝に片手でぶら下がって指を放していくやつ。ちょっと珍しいかも。
師匠・鯉昇のケチの話といえば「味噌蔵」だと思う。ちなみに小噺は、屁をもらうケチの噺。
しかし、弟子の本編は片棒。
どこから来ている片棒だろうか。芸協では、桂小文治師から聴いたことがある。
鯉丸さんの片棒、これがなかなか素晴らしい一席でした。
片棒という噺は、躁病的に跳ね回る次男・銀をハイライトにして、演者も徹底的に遊ぶもの。そう認識している。
かつてそうでない片棒を聴き、やや欲求不満になったものだ。
落語全般の話をするなら、必要以上にテンション上げればいいというものではない。それは承知している。
だが片棒に関してだけは、高いテンションで進めないと噺に負けてしまうと、そう思っていた。
その私の思い込みを覆す、暴れない鯉丸さんの片棒。なるほど、この人の価値はこうした部分にあるのだなと気づく。
暴れない鯉丸さんの片棒だが、登場人物の銀については、劇中で大暴れしている。
落ち着いた語りで聴きやすいのに、登場人物の跳ねる楽しい片棒。銀はバンザイしながら親父の元を去っていく。

そして、鳴り物の口真似が上手い。ぴーひーひゃいとろとーひゅーひゃー。
中手を入れるのが落語の客の仕事だと信じている客が数名いたようだ。すごいスピードで拍手をする。
鯉丸さん、「拍手するならする、しないならしない」と指導。そのあとですばやくケチ兵衛さんのセリフで、「お前、お客さんに拍手を強要するんじゃないよ」と言わせる。
いいことですね。桃太郎師ぐらいのベテランなら別だが、あんまり客を論評すべきじゃないと思う。
ただしこの後、拍手を入れるのが客のタスクだと学習したらしい客が、「親こうこう」のクスグリで拍手をする。古典落語のおなじみのクスグリで中手を入れないで欲しい。おかげで「臭い物に蓋」が消えてしまった。
このように、落語の客はすぐ変な学習をするので、演者も変な誘導をしないよう気を付けて欲しいものである。
この点、客の中途半端な拍手を拾いあげがちな鯉丸さん、ちょっとだけ心配。
別に、鳴り物に中手を入れること自体が間違っているとは言わないけども。
それはそうと、次男を挟む長男・金、三男・鉄の場面は特に盛り上げすぎはせず、非常に落ち着いたいい構成であった。

鯉丸さんは、横須賀出身で横浜在住。
横浜の会が多いようである。

続きます。

 

作成者: でっち定吉

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