黒門亭15 その1

《3月31日・2部》
市松  / 手紙無筆
かゑる / ハンカチ
龍玉  / もぐら泥
(仲入り)
ペー  / 三平物語
菊之丞 / 子別れ(ネタ出し)

3月下席の池袋の新作まつりその他、いろいろと行きたい席があったのだが、子供が熱出したりしてどこへも行けず。
前日の土曜日も、中野に入船亭扇辰師を聴きにいくつもりでいたのだが断念。
まあいいや。次から次へと、楽しい席はやってくる。焦って行かなきゃと思う必要などまったくない。
ひとつ、志ん生襲名も囁かれる古今亭菊之丞師を聴きに行こう。
菊之丞師が志ん生継いで不思議はないのだけど、志ん生の曾孫(金原亭小駒)が噺家になっている点、ネックなのかと思っていた。どうなんだろう。
志ん生も気になるが、「古今亭圓菊」の名跡も空いている。息子の菊生師が持っているのだろうが。

黒門亭の前に、神田連雀亭ワンコイン寄席とハシゴしようかと一瞬思ったのだが、止めた。
ちょくちょく寄せてもらっている黒門亭だが、月の31日、世間では余一会を多数やっている日に出向くのは初めて。
この日は、末広亭で円丈・小ゑん二人会、鈴本ではさん橋一門の会、池袋では喬太郎の会など目白押し。
このように、月の31日は、人気の噺家さんは仕事が引く手あまた。こんな日に、人気の一角、菊之丞師が空いていて黒門亭に顔付けされるのは、まったく不思議としかいいようがない。

余一会も気にはなるのだが、寄席の定席より値段が高く、前売りも出ているのが嫌で、結局いつも行かない。
対する黒門亭は千円。しかも半券10枚で1回無料。
菊之丞師が出るのだから、満員札止めに決まっている。2部なので、10枚の通し券を除くと発売は30枚だけ。
2時半開演だが、1時半頃出向いて無事ゲット。1時45分には札止めで、1時50分頃整理券が出る。やや綱渡り気味にも見えるが、ほぼ読み通りである。
せっかく来て、入れない気の毒な人も多数いました。

前座は、まだメクリがないので自己紹介、柳亭市松さん。9月に前座になって半年務め上げただけだ。
顔はたぶん池袋で見ているが、高座は初めて。
無筆のマクラ「いいんだよ、兄貴も読めねえから」を「兄貴も書けねえから」と間違ってしまってダレる。
手紙無筆は前座噺だが、最近は前座からはあまり聴かない噺ですね。「平の陰」で落としたのは珍しいのでは。
しっかり喋っていて将来性はありそうな人。

続きます。

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カテゴリー: 寄席

作成者: でっち定吉

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