蝶花楼桃花誕生(春風亭ぴっかり☆改め)

春風亭ぴっかり☆ 来春真打ち昇進で「蝶花楼桃花」に改名「40歳からでも(AKBに)入れれば…」

亭号マニア待望の新たな芸名が誕生します。
春風亭ぴっかりさんは、来春の新真打のひとり。正確には「ぴっかり☆」だというが、寄席のメクリに☆は出ないので、これは別にいいや。
春風亭小朝門下の三番弟子。
本当はもっといたのだが。現・文雀とか、現・究斗とか。
勢朝、半七といった師匠も門下だが、預かり弟子のためあまり数に入れない。
一番弟子が橘家圓太郎、二番弟子が五明楼玉の輔だから、春風亭のまま真打になることはないだろうとは思っていた。
なんと蝶花楼だそうで。桃花は、「とうか」ではなくて、「ももか」と読む。

蝶花楼馬楽という途絶えた名跡がある。
六代目、七代目は四代目小さん系統なので、この名跡はいずれ柳家で復活するものだと思い込んでいた。そもそも四代目蝶花楼馬楽は、のちの四代目小さん。
七代目蝶花楼馬楽は、襲名前に花蝶だった。だから、二ツ目昇進の際に誰か柳家の人が花蝶を名乗るだろうと想像していた。
だが、五代目蝶花楼馬楽は、のちの林家彦六なのであった。ぴっかりさんの大々師匠。
彦六は頻繁に師匠が変わった人だが、四代目小さんは兄弟子であり、その内輪になっていたので馬楽をもらったらしい。馬楽の前に、三遊亭圓楽だったことのほうが有名だろうが。
とにかく、彦六の曾孫弟子が蝶花楼を名乗っても不思議ではないことになる。春風亭も、柳派ではあるし。

個人的には、既存の名前の花蝶でもよかった気はする。花よ蝶よと。
桃花には師匠の「小」も「朝」もない。ただ、師匠の本名「花岡」の花が入っているそうで。でも花蝶でも花は入っているよな。
ちなみに前座時代の「ぽっぽ」も「ぴっかり」も、昇進日がそれぞれ世界平和記念日と灯台記念日だったからだという。
桃の花が入るのも、春の真打だからなのだろうか。
真打昇進日は3月21日だが、この日は春分、中央アジアの正月、国際人種差別撤廃デー、世界ダウン症の日、ランドセルの日、弘法大師の縁日があるくらいだ。
なので漠然と桃。秋の昇進だったら鹿でも入れたのかな。

「蝶花楼のねえさん」と呼ばれたいというぴっかりさん。ひとりだけが使う亭号の場合、紛れがないのでこうした例はよくある。
「桃月庵」といえば、弟子もいるが白酒師のことだ。
まあ、ねえさんと呼んでいいのは香盤の近い人だけだけど。真打になったら師匠だからな。
しかし面白い記事だ。年齢を伏せているのに、記事中で本人が自白しているという。

しかし新真打は計4人いるのに、ひとりだけホテルで取材を受けてなあ。いや、別にいいとは思うけど、小朝師らしい。
金屏風の前でやってたようだけど、まさか?と思ったら会場、本当に帝国ホテルでした。離婚会見以来でしょうか、義理堅い人ですな。
他の3人の新真打は、まだ改名を発表していない。
三遊亭美るくさんも、姉弟子が弁財亭だから、新亭号つきの新たな名前になるのは確実と思われる。

ぴっかりさんの思い出、なにかなかったかな。
ひとつだけ思い出した。
鈴本演芸場の、最前列最上手という席に座ったことがある。ここは、楽屋の奥が覗ける。
トリの師匠が一席終えて、打ち出し太鼓を叩くぴっかり、というか前座のぽっぽさんが、私服だったのでオヤと思った。
前座ってすべて終わる前に着替えるものなの?
今から思うと、すぐに師匠のお供があって、どこかに急いで出かけなければならなかったのだろう。まあ、その後その席に座ったことは一度もなく、楽屋覗きもしていないけど。
トリの師匠が誰だったかもすでに覚えていないが、ぽっぽさんが開口一番出したのが「元犬」だったことはなぜか覚えている。

今日はこのへんで。ボリューム不足ですみません。

作成者: でっち定吉

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