仲入り休憩を挟み、ついに口上。
幕が開くと、下手からこのメンバーが並ぶ。
- 五明楼玉の輔(司会進行/落語協会理事)
- 林家正蔵(落語協会副会長)
- 柳家花いち(新真打)
- 柳家花緑(新真打の師匠)
- 鈴々舎馬風(落語協会最高顧問)
- 柳亭市馬(落語協会会長)
すごい布陣。
後ろ幕が替わり、花いちさんの母校・岐阜聖徳学園大学のものになっていた。
ところで、事細かに高座の模様を書いている私だが、披露目の口上だと途端に思い出せなくなる。
なにしろ、喋ることに脈絡がないからな。
玉の輔師が冒頭でいきなりウケてたが、それも忘れちゃった。
ただ、テンプレートのある馬風師の口上はよく覚えている。
正蔵師は、花いちくんは前座の頃から気になっていましたと。
人を押しのけて前に出ようとする演芸界において、花いちくんは常に後ろのほうにいました。
なんだか、捨てられた猫のようでカワイイ。母性本能をくすぐられます。
馬風師は、例によって当人に触れず、関係ないことばかり喋る。
ああ、懐かしいなあ。最後にこのスタイルの口上聴いたの、いったい誰のときだったか。
弟弟子の花緑師は、盆暮れになると忘れずに付け届けをくれる。カニ缶とか、旨いのなんの。改めましてここで礼を言わせてもらいます。
花緑師もそれを受け、どうもこちらこそと。
プロ野球のペナントレースも大詰めだが、我がジャイアンツはもう優勝の望みがない。
なんとかクライマックスシリーズ(馬風師は「プレーオフ」と言っていた)で巻き返してもらいたいものだ。
皆様のご声援だけが頼りです。
散々遊んだ馬風師に、ここらで玉の輔師からツッコミが入り、花いちさんのことに少々。
花緑の弟子なんだからちゃんとしている。新作もユニークだしと。
「隅から隅までずずずいっと」と見栄を切り、ここでバタバタが入る。馬風師も楽屋も見事だ。
市馬師も、花いちさんのユニーク新作に触れる。
花いち新作は、一度聴いてわからなくても、五度六度聴いてください。それでわからなかったら、まあ仕方ないですと市馬師。
馬風、市馬の両師によると、この日の花いちさん、新作のようだ。
いいのだけど、花いちさん、私にとっては「新作派」というイメージじゃない。完全な両刀だと思っている。
でも、これから真打として寄席に出るとなると、両刀というわけにはなかなかいかない。新作要員として顔付けしてくれる、席亭の期待に応えなきゃいけない。
古典もやりたいだろうと思うのだけど、披露目は新作で通しているようだ。
人数の少ない芸協のほうが、このあたり自由な気がする。先日披露目の終わった春風亭昇々師も二刀流だが、披露目で古典落語を普通に出していたようだし。
落語協会は、天どんレベルまで行かないと両方自由にはやれないのかなと思ったり。
新作しかやらないと宣言しているのは駒治師ぐらいで、落語協会の新作派は古典大好きの人ばかりだ。
市馬師は、先代圓歌が必ず言っていた「手を取ってともに登らん花の山」で締めくくる。
最後に師匠、花緑の口上。
やはり祖父小さんに言われた一言を引いて、彼が弟子でよかったと。
入門後15年経って口上に並べるのは、師匠の特権なんです。
弟子のためなら付け届けも毎日したいぐらいですと言ってたっけか。
並んでくれる各師匠に感謝の意を示す。
市馬師は、ぼくが小学校のとき、よく忘れ物を届けてもらった。
正蔵師は、二世という同じ境遇。いつも相談に乗ってもらっている。
玉の輔師は・・・特になにもないです(オイ!と玉サマのツッコミ)。同期の仲間です。
やはり落語協会の幹部はすごいと改めて実感した口上でありました。
大所帯だけあって口上メンバーもいろいろいるのだが、今回のメンバーがやはり最強。
ロケット団もいつもの漫才。ネタ自体多いのだけど、多いネタがみんな「いつもの」になってしまう。それだけよく、浅草お茶の間寄席等で聴いているもんで。
それでもやっぱり面白い。東京23区ごとの、ワクチン接種ネタ。
この日は落語も漫才も、「いつもの」を楽しむモード。「いつもの楽しくない高座」は困るけど。
ぼくが山形で、相方がパキスタン。一時期ミャンマーだったのだけど、現在は差しさわりがあるのだろう、パキスタンに戻っている。