金曜の昼過ぎに〆切を1件やっつけた。やれやれ。
まだ週明けの〆切が2件あるのだが、ちょっとのんびりしたい。
神田連雀亭の昼席なら間に合うなと思って公式サイトを見たら、トリは春風亭一花さん。
そしてその前の出番が柳家小はぜさんだ。
まったく知らなかったのだがいい番組。ひとつ出かけましょう。
いつも来ている連雀亭。なにしろ同じ週の月曜に来たばかり。
しかしだいたいがワンコイン。昼席はわずかに4度目。500円と1,000円を比較し、500円のほうばかり行くビンボー人、それが私。
別にイヤイヤ1,000円払うわけじゃないけど。
牛ほめ | 晴太 |
寿限無 | かしめ |
人形買い | 小はぜ |
千早ふる | 一花 |
受付には一花さん。満員で驚く。
この人の集客力は知っているし、満席も数回経験している。
今さら驚くのはおかしいのだけど、そんなにギリギリに来たわけじゃなかったから改めて驚いた。
初めての立川かしめさんだけ、やや不安。この人が前説。
いきなりテンション高く挨拶から。
面白いこと言って場内湧かせていたのに、忘れた。忘れたのだが楽しい人なのはインプット。
トップバッターは春雨や晴太さん。
2020年の秋に、堀之内寄席で聴いて以来。
悪い印象もないが、いいほうの印象もそれほどはない。当時の記事見たら「スタンプカード芸」のきらいがあると書いている。
スタンプカード芸とは、クスグリを教わった通りに律儀に入れていって、最終的にスタンプを一杯にし、客ではなく演者が満足する芸。マルCでっち定吉。
しかしこの日の「牛ほめ」、実に上手くなっている。若手がウデをどんどん上げている瞬間に立ち会えるとすごく嬉しい。
今日はすごいです、わたし至上、最多のお客さんですだって。ウソつけ。
今日はワンコインもすごかったんですと。
急遽顔付け見てきたので、ワンコインに誰が出たのか全然知らなかったのだが、後で調べたらトリがつる子さん。
つる子→一花おきゃんでぃーず連チャンという人もいるのだろうか?
晴太さんは、一花ねえさんは私も大好きなので、むしろそちら(客席)寄りの立場です。敵対しないでお付き合い願いますとのこと。
一花ねえさんは優しい人ですけど、以前ねえさんが前座を務めるという変な会があって、私も出してもらったんです。
前座を務めるのでネタ帳付けてくれるんですけど、名前が「晴れ太」になってまして。
今日のネタ帳も付けてくれてるんですけど、早速晴れ太になってます。早く覚えてもらえるよう頑張ります。
伸び太みたいでイヤですからね。
メガネを外し、しまってから本編に入る萬橘方式。芸協では橋蔵さんもそうで、流行ってるのかね。
萬橘師は、客の状況をしっかり確認してから外すんだそうだが。
だが晴太さん、黒紋付は脱がないまま一席務め上げる。
与太郎を振って、牛ほめ。
お向かいの金ちゃんみたいにおかみさん欲しくないのかい、から始まるバージョン。妹のお花と結婚するからいいという、最近では珍しいクスグリ入り。
いささかスタンプカードの名残がありそうに感じるが、そんなことはなくて、見事に解消している。
クスグリは多めなのだけど、自分が使いたいクスグリを、逐一強化して出してくるのである。強化といっても、勘違いした若手がタメ多めに強調するような自殺行為ではなく、サラサラと面白く味付けしてくる。
与太郎は、顔を常に上に向けているのがバカっぽくていい。
おじさん家について、「こんにちは。おはようございます。こんばんは。明けましておめでとうございます」といろんな挨拶する与太郎。
おじさんは「表でパアパア言ってる奴がいるな」としか拾わない。間違った挨拶だという点は、ツッコミをスルーなのだ。
こうやって晴太さん、ギャグの面白さと、噺の軽やかさを両立させている。
与太郎が、おじさんに向こうを向かせて字を読む場面でも、与太郎のまちがったリーディングを強調しておいて、おじさんがいちいち訂正するような野暮はない。「なんか読んでないかい」だけ。
これ、明日からすぐにでも使えそうなテクだと思うよ(誰目線なんだ)。
「畳はビンボでボロボロで」と予習すると親父は「新築なんだよ」と冷静なツッコミ。
ギャグはしっかり入るけども終始軽やか。どんどん貯金ができてくる。
聴きやすく楽しい落語。学校寄席で子供たちに聴かせてやりたいなと思った(だから、誰目線なのさ)。
持ち時間は20分あって長いのだが、最後までしっかり楽しい牛ほめでした。
晴太さんは、昔昔亭昇さん率いる新ユニットルート9のひとりだそうな。
ユニットのおかげでどんどん上手くなっているのだろうか。今後の期待大。