「はい、それでは3問目。山田さん、フリップ配ってください」
「はーい、かしこまりました」
「《うちの師匠はしっぽがない》、ご存知でしょうか。今放送されている落語を題材にしたアニメです。
大正時代の大阪にたぬきが出てきて人間でない女師匠に弟子入りするという内容ですね。他局なので本当にお題になることはないんですけども。
このタイトルの『○○は、○○がない』を活かして文章を作ってください。『うちの師匠は』で始めてもらっても構いません。
できた人?」
「はい」
「はい宮治さん早かった」
「うちの和尚は、転失気がない」
「うまいね。古典落語の転失気ね。1枚あげて」
「はい」
「はい、好楽さん」
「俺のスケジュールは、休みがない」
「嘘言っちゃダメでしょ。本当は」
「真っ白。トホホ」
「好楽さんの1枚取って。どんどん行きましょう、はい、小遊三さん」
「秩父は、エッフェル塔がない」
「あたりまえ! エッフェル塔はフランス!」
「大月はあるよ」
「大月は日本ですから、もう。はい、木久扇さん」
「散歩から戻ってきたら、家がわからない」
「もう、問題わかってます? 『○○は、○○がない』ですよ」
「そうだった?」
「おじいちゃんの1枚取って。次、はい、たい平さん」
「世田谷の豪邸の3階は、人の気配がない」
「あるよ!気配」
「なにかあったのか」
「ないよなにも。たい平さんの1枚取って! はい。好楽さん」
「昇太さんの豪邸は、寄席がない」
「いらないよ。自宅に仕事場があったら落ち着かないでしょ。そういえば、好楽さんのお宅には寄席がありますけど最近どうですか」
「お客が来ないので、看板を『お江戸上野広小路亭』に書き換えました」
「だめでしょ。せめて鈴本演芸場にしてください。山田さん、好楽さんの1枚取って」
「なんだよー」
「はい次、小遊三さん」
「おれの股ぐらは、ふんどしがない」
「締めてください。だめでしょ出しちゃ、蛙茶番じゃないんですから。次は、はい、宮治さん」
「昇太師匠は、回る舌がない」
「滑舌悪いって言いたいのか。まあ、本当だから仕方ない。1枚あげて。はい、木久扇さん」
「うちの師匠は、彦六だ。ばきゃあろう、早く食わねえからだ」
「モノマネやりたかっただけでしょ。はい、たい平さん」
「昨年の秩父は、祭りがない」
「ああ、今年から復活だって、よかったね」
「そして花火も復活。ヒュー、バン、バン」
「やりたかっただけだろ。1枚持ってって。続いては」
「昇太は司会の腕がない」
「誰今変なこと言ったの。おかしいな。まあいいや、次、昇也さん」
「あれ師匠、今まで地上波大喜利やってませんでした? ぼく特大号の若手大喜利レギュラーですけど」
「いいんだよ、なんでも。女流大喜利だっていいし」
「はい、では。うちの師匠は卒業証書がない」
「いいんだよ。卒業はしてないけど、今東海大の先生やってるんだから。はい次の人は、一花さん」
「うちの師匠は、小言がない」
「ああ、イッチョウケンメイの師匠ね。小言ないんですってね。よかったから1枚。はい次は馬るこさん」
「うちの師匠は、怖い」
「怖いね馬風師匠は確かに。それだけかよ。1枚取って。はい、ぴっかり改め桃花さん」
「うちの師匠は、嫁がない」
「そこは触れちゃダメ。なんならあなたが候補にどう」
「それはイヤ」
「次ははい、わさびさん」
「あたしの寿命は、わずかしかない・・・消えるよ・・・消える・・・消えた」
「いいね、死神。本当に死にそうだもんね。はい次、えーと真打昇進おめでとう、市弥改め小燕枝さん」
「うちの師匠は、トラブル解決能力がない」
「はい。ここカットです。はい、次の方。あれ、あなたレギュラーでしたっけ」
「うちの師匠は、人気がある」
「えーと、まあそうですね。お題は『○○がない』なんですけど」
「うちの師匠は、弟子がある」
「あなたとかね。弟弟子もいましたっけ。それで?」
「うちの師匠は、暴力がある」
「えーと、なんなんでしょう、これ」
「うちの師匠は、権力がある」
「ちょっと待ってくれる。なにこれ」
「うちの師匠は、パワハラ野郎」
「もういいや、好きなだけやって」
「うちの師匠は、犯罪者」
「うんうん」
「うちの師匠は、誠意がない。そして落語協会は、やる気がない」
「わかったわかりました、三遊亭天歌さん、うちの協会に来なさい。小遊三さんや鶴光さん、宮治さんの師匠の伸治さんに、副会長の柳橋さん、お宅の協会からの再生実績がある師匠がたくさんいるからね」
「ううう・・・ありがとうございます。芸協さんは、パワハラがない」
「天歌さんがパワハラから救われたところで笑点はこれまで。また来週」
という、夢を見た。
画像と音声まで思い浮かぶ素晴らしい夢ですね(笑)(笑)(笑)
ちなみに相撲取りと噺家は移籍できないから師匠選びは大事ですと某元関取から聞きました。お相撲さんも師匠が悪いと大変なんですって。
どちらも国が認める法人なのにね。
いらっしゃいませ。
落語も、相撲界で不祥事が起こると嬉しそうにネタにしますよね。
自分たちのほうが数段ヤバかったりしまして。
そんなスケッチをお届けしました。
歌武蔵師は、相撲逃げ出してきて、兄弟子がアレですもんね。
自分の弟子も空気読めないし。