火曜日の午前11時からの会に参加する。早いですね。
毎週火曜の梶原いろは亭は、若手の会SPとのこと。
いろは亭は水・日だけかと思っていたのだが、いつの間にか増えている。
1時間で会は終わり、このあたりでは貴重な飲食店である、バーミヤンで書いております。
梶原いろは亭は、復活した昨年5月に来て以来。
2月21日は、林家きよ彦さんの会である。
新作落語のホープであり、女流。
もう2年近く前、二ツ目昇進後に国立演芸場で聴いて以来だ。
予約で1,000円。客は9人。
「仲良し小道」の出囃子できよ彦さん登場。
「顔は田嶋陽子、中身は可愛い女の子、声はイモトアヤコです」
確かにあまりいい声ではないけれど、聴きやすいのはいいと思う。
立川こはるさんにも似た声質。
メクリは「き与彦」と書かれているが、崩してあるのでひらがなにも読める。
ご本人、マクラで乗ってしまったようで、「あ、もう25分経っちゃった」なんて言ってた。
演者を乗せる、少数精鋭のいい客だったみたいですよ。自画自賛になりそうだが。
マクラは多岐に渡り、内容盛りだくさん。
- 前座時代、電車の中のモニタで、熊が出没した札幌の実家を見た
- カルト教団に呼ばれて落語を披露
- 少年刑務所の慰問、しかも舞台でなくラジオ方式
- 札幌での仕事(なぜか8代目橘家圓蔵の後ろ幕付き)
- 台湾での仕事(字幕が出る)で、一言一句噺を覚えていったが、師匠は
- 二ツ目になって、師匠に習い事の相談をしたら「バイクに乗れ」と言われた
きよ彦さんのマクラは実に面白い。漫談として価値がある。
欲を言うと、ちょっと自己ツッコミ(解説として)が多い気がする。
ツッコミが自然と減り、客への圧も減り、ストレートナチュラルに伝わるようになる日を勝手に期待。いずれそうなると思う。
少年刑務所では、行ってみたら話が違ってラジオ方式。「うちの村」を掛けたそうで。
バイクの話は、東京かわら版に出ていた。
ただ、北九州在住の先輩、橘家文太さんのエピソードが登場。
いつもどこまで書いていいものか悩みながら結構マクラ書いてる私だが、今日は箇条書きにしたら満足してしまいました。
これだけ書いておきゃ、少なくとも私は忘れない。
内容が知りたい人はきよ彦さんの会に参加してください。
ちなみに、続けての二席目のマクラも先に箇条書きにしておこうか。
- 会のあとラーメン食べていたら、どこかの「紫のバラの人」が代金を支払ってくれていた
- 大師匠・木久扇がこっそり呼ぶ。「笑点のメンバー決まったんだよ。(きよ彦さんの好きな)鯉斗くんだよ」というウソ。
- その話を先日一緒だった一之輔師にしたら「なにも耳に入ってなかったんじゃないの」
本編は次の通り。
- 反抗期
- いい感じの小料理屋
「反抗期」は、最後に国立で聴いて、衝撃を受けたネタである。
内容ほぼ覚えていたのだが、ネタバレしていても、面白さがまったく落ちていない。
ヤンキー娘が、実は母親の策略どおりに育てられていたという噺。
なぜそんな策略をするか。元ヤンだと世渡りにおいて箔が付くから。
価値観の逆転というのがテーマだ。
ほぼ新作落語しかしないらしいきよ彦さんだが、「一眼国」とか「錦の袈裟」にもつながる普遍的なテーマだと思うのである。
二席目は、初めて聴く「いい感じの小料理屋」。
これも、次回もう1回聴いても面白さは落ちないと思うのだが、でも作法としてネタバレはできないな。
ギリギリのところまで書いておきます。
府中にあるなじみの小料理屋「やまもと」に行くと、そこの娘を久々に見た。
娘は興奮している。
うちとまったく同じ内装の小料理屋を大宮で見たの。一体どういうこと?
創業者であるおばあさんの写真と、橋本龍太郎のサインまで全く一緒じゃない!
店主夫妻は言う。お前にはもう隠さなくてもいいだろう。実は。
こんなところまで書いても仕方ないな。
演題を調べていたら、あらすじまるごと書いてあったサイトを見つけたが。
ともかく創作力のみなぎる、爆笑の一席。
正確には爆笑というより、「なんだかずっと面白い」のである。落語としては、これは爆笑より格の高い要素と思います。
落語協会新作派の未来も明るい。
師匠には「君の古典には需要はない」と言われたそうだがきよ彦さん、念のため古典もやっておいたほうがいいと思うのだが、余計なお世話であろうか。
でも、新作の創作力が古典に活きる場合もあるからな。
いつも、楽しく拝見させていただいております。
私は、札幌出身ということもあり、きよ彦さんの会は、日暮里サニーの独演会、三茶のBobなど、ほぼ行っています。あの日のいろは亭も行きました。
反抗期もいい感じの小料理屋も何回も聴きましたし、あの日のまくらも何回か聴いています。
でも、何回聴いても面白く感じます。まるで古典落語のように。
ランチはバーミヤンはお約束ですね。年寄りには、味が濃すぎるのですが、他にありませんので。
いらっしゃいませ。
珍しいところですれ違いましたようですね。
きよ彦さんは本当に才能溢れる人だと思うので、私もまた聴かせていただきます。
マクラが楽しいのは、彼女自身が楽しんで語っているからじゃないでしょうか。