【初心者向け】2023GWに寄席デビューしたい人へ(下・連休後半編)

今年はGW後半は5連休か。
5月の寄席は、正月、お盆と並んでビッグネームが顔付けされる。そして、毎年同じ人が主任(トリ)を取る。
寄席の興行は10日単位。だから、平日に行ける人にはそちらがおすすめ。1・2・8・9・10である。
豪華な番組を、比較的空いた客席で楽しめるわけだ。

寄席の最高峰は上野の鈴本演芸場。ここの5月上席は当然、栄誉である。
5月上席は、昼が林家正蔵、夜が柳家権太楼。
5連休はチケットが前売りになるので、鈴本公式から買っていきましょう。
本日現在、まだ空席だらけ。やはりお客は完全には戻っていないようだが。
それでも、5連休に前売りなしで行くのは無謀だと思う。
正蔵一門もズラッと並ぶが、抜擢真打が決まったつる子さんは8日、9日だけらしい。
夜の権太楼師は全日ネタ出しである。鈴本公式に出てるから確認していきましょう。
昨年は権太楼師、入院してしまい、書き入れ時の寄席がポカっと開いた。そこを救ったのが春風亭一之輔であった
その一之輔師は、権太楼師のヒザ前を1・2以外務める。
「一之輔が聴きたい」という人はここが狙い目。ヒザ前はトリを立てるポジションだが、この人は地味な噺でも楽しませてくれるから大丈夫。

新宿末広亭は、真打の披露興行(夜席)。
今春の芸術協会新真打3人はやや地味だが。でも、披露目は楽しいものです。
私はオタク落語の春風亭吉好さんに期待している。オタク落語の矛先は、なんのジャンルでも楽しめるものなのだと思っている。
ただ、来月の国立の披露目へ行くけど。
この芝居の仲入りは、芸術協会会長の春風亭昇太師。
忙しい人だが、この席には責任持って全日出るみたい。仲入り後は、口上に参加するわけです。

新宿の昼席は雷門助六主任で、最後は大喜利、「住吉踊り」。
この席は昼夜居続け不可であるので注意。

浅草演芸ホールは落語協会。
昼席は林家木久扇。夜席が柳家喬太郎。
こんな番組でも、昼夜居続け可能である。
忙しい一之輔師が、夜の早い出番に出ている。

(2023/4/29追記)

喬太郎師、コロナ罹患だそうです。
代演になるでしょうからご注意。

§

池袋演芸場もおなじみの番組。昼が桂文治、夜が三遊亭圓馬。
昼には上方ゲスト枠がある。池袋では珍しいのだ。

国立演芸場は、正月と5月のそれぞれ上席だけ、通常の寄席とは違う特別興業となる。
5月上席は、各演芸団体ごとに1日ずつ落語会を開催。
そんな関係で、国立演芸場公式Webでは前売りチケット売ってない。
どこで売ってるのかというと、国立の窓口。
2日の落語協会は、他にいったいどこで売ってるんでしょう。
まったくわからないが、たぶん落語協会で取っておいてくれるのでは。
2日の会は、当日3,000円、前売2,500円だから前売がいい。
白酒、喬太郎、馬生、小さん、正楽、市馬(出演順)という豪華な番組。
5日の芸協は、イープラスで売ってるそうだ。
こちらは柳橋、ナイツ、小痴楽、昇太、ねづっち、遊子。

笑点メンバーのうち、好楽、小遊三、たい平の各師はどこで聴けるでしょうか。
好楽師は円楽党なので後述。
小遊三、たい平の両師は寄席に出ず、地方で会をしている様子。
小遊三師は芸協での役職も「参事」で、悠々自適の身だからわかるのだが、落語協会常任理事という重職にあるたい平師、こんなに寄席の出番が少なくていいのでしょうか。
5月3日の江戸川区総合文化センターでは、「小遊三・たい平・花緑」の会があるが、売り切れ。まあそうでしょうな。

寄席は国立含めた五場だけではない。他にもある。
上野広小路交差点の角にある「お江戸上野広小路亭」は小さな寄席。
5日まで、昼は神田伯山が昼のトリ。大混乱が予想される。
6日以降は春風亭傳枝師。目立たないがウデのある人。
夜は3~6と9日が、各団体混合の「しのばず寄席」。こちらは予約ができるので、予約してから行くといいでしょう。
それに予約すると1,500円という破格の安さ(当日2,000円)。
5日にはなんと立川雲水がトリ。もの好きな人はどうぞ。

お江戸日本橋亭はもともと「定席」の機能はごく薄く、落語会がメイン。連休中はすべて貸席。
あとはお江戸両国亭。こちらこそ、円楽党の本拠地(両国寄席)。
両国寄席は、毎月15日までの夜席である。
5月は2日に好楽師、8日に兼好師が出る。
5連休は、あえてそう組んだみたいなのだが地味な顔付けだ。ただ7日のトリは現会長の圓橘師である。

好楽師は自宅の寄席、池之端しのぶ亭で3~5までお笑いライブを催すらしい。
興味はあるがごく狭い席で、そうそう入れまい。

円楽党は昼の亀戸梅屋敷寄席もあるのだが、平日のみ。2日にある。

最後に落語協会の黒門亭。6日、7日に開催。
6日1部が柳家燕弥「大山詣り」。2部が光る二ツ目の会で春風亭一猿「宿屋の仇討」。
7日1部が柳家花いち「お菊の皿」、2部が入船亭扇橋「ねずみ」。
7日2部には、好楽師が復帰する前にピンクの着物で笑点に出ていた桂才賀師が出ますよ。

調べてたら私もどこかへ行きたくなってきた。

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作成者: でっち定吉

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