鈴本演芸場9 その2(入船亭扇橋「高砂や」)

昨日は柳家喬太郎「擬宝珠(ぎぼし)」という古い記事にもアクセスがあった。
なにかなと思ったら、ジャンプ最新号の「あかね噺」に擬宝珠が出たらしい。
「擬宝珠 落語」で検索してきたようだ。

これと関係あるかないか、恐らく無関係なのだが、昨日1日で、1か月分の広告収入が上がってしまった。
これは凄すぎて薄気味悪い。凶兆ではないかとおびえている。

アサダニ世先生はたまにお見掛けするたびに面白くなっている。嘘みたいだ。
だから落語会ばっかり行ってちゃいけない。楽しい色物さんを観に寄席に来ないと。
マジックは適当だが、結局最終的にはみんなきれいに騙されているのだ。
コロナ以降、手を消毒すると脂が抜けてしまい、マジックには不向きだと。
おまけに花粉症。後で出る漫才の女性の小さいほうはアレルギー全部持ってるなんて人で、いろいろ教わった。今飛んでるのはブタクサらしい。
あの人、私より年上ですけどねだって。
この日のお客さん、なかなか反応いい。結び目がほどけなくなってやめてしまうマジックや、最後の風船割りなど、騙されることを楽しむ人たちばかり。
まあ、後ろの列のおばさんたちの私語が多かったけどな。

五明楼玉の輔師は出て早速。「どうでした? アサダ二世のインチキマジック?」。
今日は月曜日なのにすごいお客さんですね。まともな人は働いてる時刻です。
と、私の大嫌いなヒルハラに進みそうで、決してそれはしない。客への心理的な拒絶、心理的な中傷がないからだ。

元首相の暗殺など振って、宗教の話。タイムリーですな。
玉サマの宗論というのは、多くの人が教わっているスタイルだったように勝手に思っていた。遊雀師のように。
だが今回聴いたら、誰のにも似ていない。私の勘違いなのか、それともご自身がスタイルを変えたのか。

大旦那の宗旨は真言。浄土真宗じゃないんだと思ったが、これはサゲに関係しているのである。
あと、白百合女子学園でなく川村学園。
ギャグたっぷりで盛り上がった。
最後の晩餐の際、キリストはグラスを3つ用意した。裏切り者が誰なのかというヒントになっている。
最初のグラスはワインだ。次は水だ。それから湯だ。

続いて入船亭扇橋師。
昇進直前に聴いて以来、1年以上開いた。
久々に見かけると、トレードマークの坊主頭が長髪になっている。
この人も、昼から大勢の客を見てヒルハラっぽいことをちょっと言う。
もともと、小辰時代のこの人にスタジオフォーでヒルハラを仕掛けられ、とても残念に思ったのだった。そのトラウマが湧き掛けた。
だが、「みなさん何をされてる方かわからないというね」で終える。
自分自身の疑問だったら、師匠だってよく言っているから無問題。
回答は、「いろんな人がいるんだよ」。
あなた方と同じです。

居合道の人の結婚式マクラを振る。
これがまさに、ヒルハラを体験した席のマクラで、またしてもトラウマが噴き出しそう。
マクラ自体はエピソードが増え、式の司会をする扇橋師の心境が追加され、パワーアップしていた。
ここから進む本編も、ヒルハラのときと同じ高砂や。まあその際も、本編は大変よかったのであるが。

本編もまたパワーアップしていた。
秀じいの豆腐屋のマネをしてからでないと、「高砂や」の調子が始められない八っつぁん。
そこから始めるたびに隠居に「抜きなよ」とたしなめられるが、そのたび毎回「これがねえと始められねえんで」と口答えする。
扇橋師はこういう、細かいクスグリを拡大していくやり方好きだよね。
師匠はこんなやり方はしないし、あまり他に類を見ない。
小三治が棒鱈で「三味線いらん」と繰り返しているのを(これは好きじゃない例だが)わずかに思い出した。

婚礼まで行かずに切ってしまう。

にゃん子金魚先生も久しぶり。
以前のにゃん金先生、楽しいんだけども、どうも尻の座りの悪い感がどこかにあった気がする。
だが、そういう空気が一掃されて、実に心地いい。
安定のゴリラ。
年齢を重ねたから当然? そうじゃない気がする。そもそもがババアなんだし。
金魚先生はアサダ先生より年上か。すごいな。

金原亭馬遊師は、喬太郎師の仲間ということで顔付けされているのでしょうか。
落語協会員でも、呼ばれない人はまったく呼ばれない鈴本なのに。
噺を用意してきたが、すでに出ていた。今日だけでなくて毎日出ていると。
二ツ目のやなぎさんが締め込みを出したので、泥棒もできません。これはいつものですな。
私ひとつ、これをやっておけば他とツかないというのがあります。
道具屋の話から、落語に出てくる道具屋は、「道具屋」の与太郎、店を構えている骨董商、そして旗師があります。
というわけで猫の皿。

ボソボソ喋る馬遊師に、なんだかちょっとずつ引き込まれてきた。
なにに引き込まれているのかは、正直よくわからない。

続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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