東京かわら版7月号から

定期購読している東京かわら版7月号が届いた。
今月号は特大号で普段より100円高い600円だが、定期購読の場合は料金据え置きなのでありがたい。
定期購読は、カード払いできるfujisan.co.jpをお勧めします。直接かわら版に申し込むと、振り込まなくちゃいけない。

今月は絵はがきまで入っている。
封筒からこれがポロっと出てきて、あれ、どこのお爺さんたちだろうと一瞬思った。
大変失礼しました。
落語協会同期、平成元年入門のお三方、柳家喬太郎、入船亭扇辰、林家彦いちの師匠方でした。

巻頭特集は、この師匠たちの鼎談。
修業時代を語る楽しい内容。喬太郎師もマクラで語っているが、逃げ場のない屋形船の営業は鍛えられるのだそうで。

そして、五明楼玉の輔師の「玉様のブラチン」。
今回の相手は芸協の桂竹丸師匠。
それから「ホリイの落語狂時代」。
堀井憲一郎師、このコラムで新真打を紹介するときは極めて筆が重い。
ああ、好きでもなんでもないけど形だけ褒めてるんだなというのが読み手に伝わってしまうのはどうなんでしょう。
それでも、新真打を書かないとネタがないのか、依頼されてるのか。
今回は新真打の話ではなく、志ん生の自伝に突っ込む内容で面白い。

広告も面白い。真打昇進予定、柳家わさびさんの「パーティかわりの規模大きめの落語会」の告知。
正月の黒門亭で、そんなのをやるって言ってたような。ただし、落語会ではなく披露パーティにお客を呼ぶと言っていた記憶があるが。
9月6日一ツ橋ホールなのだが、料金は1万円。
扇子、手拭い、引き出物3点セットが付くそうです。ずいぶん高いが、ご祝儀込みなのだろう。
わさびのまま真打になるとは思わなかったこの人の落語は実に楽しい。

その隣には、いつもおかみさんに厳しくしつけられている、甚兵衛さんのような三遊亭兼好師のコラム。

バトルロイヤル風間氏のマンガ「バカなことはヨセ!」の隣には、演芸最新情報TOPICS。
私が今とても気になっている、「にっぽり館」の情報が出ている。
林家たけ平、三遊亭萬橘両師匠が、ここで「ひぐらし亭」という公演をたびたび開いている。
かわら版によく出ていて、どんな会だろうと思っていた。
「寄席」と考えていいのかもしれない。
最近、梶原いろは亭とか、駒込落語会とか、城北方面にたびたび出向く私、ぜひこちらにも行きたいものである。
ただ、微妙に高いのだ。2,500円。

ページをめくると、「築コレ・オツな若ぇの生け捕ってきやした」は三遊亭とむさん。
芸人上がりの楽しい噺家だが、古典落語にも力を入れてるそうな。
立川生志師に、「紺屋高尾」の稽古を頼んだとか。

楽しい芸協らくごまつりの模様も。
客には楽しかったが、ナイツがラジオで語っていたところによるとマスコミ向けのインタビュー、マスコミからの質問がグダグダで、芸人みなダレてしまったそうな。

どんどんめくると、寄席の番組。
池袋演芸場以外では、テケツでかわら版を出せば割引が利く。
その割には、私最近使ってないな。
行ってるのが、神田連雀亭と亀戸梅屋敷ばかり。それから黒門亭。寄席五場も行かないとね。
ちなみに、寄席五場に入らない「上野広小路亭」は、Web上にある「したまち台東芸能文化」でもって安くなりますよ。

で、寄席である。
鈴本中席の喬太郎師匠も聴きたいが、前売りが出ていて、しかも結構売り切れてるのがイヤだ。
落語会ならいいけれど、寄席で前売りはどうもな。

他に気になるのは、大好きなのだがなかなか聴けていない柳家蝠丸師。
浅草中席、前半の主任だ。ネタ出しされていて、「雪の戸田川」「雨夜の傘」だって。なんだその噺?
さすが珍品噺の宝庫。

もうひとつ気になる場番組は、同じく芸協の寄席で、新宿下席。昼の主任が桂文治師。
蝠丸師も顔付けされている。
末広亭の公式ではなぜか「柳家蝙丸」って書いてある。「蝙蝠」(こうもり)という字の、違うほうになっている。
上方ゲスト枠があり、27・28日は上方落語協会会長の笑福亭仁智師だ。これは聴きたいな。
立川流枠もあって、末広亭おなじみの談之助師に、談修師。
夜席には円楽党枠もあるのだが、「三遊亭万橘」という公式の表記はどうも慣れない。
同じ字だけど萬橘と書いて欲しい。

浅草も新宿も、本当にご無沙汰しているものだ。
私の自称ホームグラウンド、その割には回数の減った池袋は、中席夜の主任が春風亭一之輔師。
昼トリの菊志ん師から聴くのもいいな。
ただ、割引券は出ていない。

最後に、裏表紙からめくっていくと日替わりで落語会が盛りだくさん。
最近は、安い会、無料の会ばかりピックアップしている。

というわけで、今日は雑誌一冊を丸ごとネタにしてしまいました。

作成者: でっち定吉

落語好きのライターです。 ご連絡の際は、ツイッターからメッセージをお願いいたします。 https://twitter.com/detchi_sada 落語関係の仕事もお受けします。