本当にハコ不足なのか? 亀戸梅屋敷とお江戸両国亭の実態

こちらの続編です。

2024年から演芸界はハコ不足 アオリを食らう立川流

国立演芸場とお江戸日本橋亭が休館になり、都内は落語会の会場に不足をきたしている。
そういうことになっている。
でも本当なんでしょうか? いささか疑問。

講談協会も、席がないのでクラファンを実施(成功)したりなんかして。
結局、新宿Fu-(日本講談協会の定席がある)に入れてもらえ、さらに深川江戸資料館や、荒木町舞台「津の森」といったあたりで定席を実施しているようだ。

それはそれとして、お江戸両国亭のスケジュールを見ると、スカスカなのだった。
円楽党の両国寄席は、月に15日、夜にしっかり入っていて変更なし。それ以外の昼夜は誰が借りたっていいはずだが、全然埋まってない。
日本橋の閉館の受け入れ先になると思っていたけど?
日本橋でやってた「七人の侍」(芸協と円楽党の若手真打の会)がかろうじて両国に移転してるぐらい。
両国は場所が悪いのでしょうか。そんなことないと思うけど。
もともと駅の反対側、江戸東京博物館でもかなり落語会があった。現在は改装中で、2025年再オープン予定である。
日本橋でやっていた会や、芸協さんの定席(実質、落語会)は単に消滅したのか。

いっぽう、亀戸梅屋敷はここに来て賑やか。
両国より2駅先だけどね?
イベントスケジュールができた。これは助かる。
梅屋敷でも、円楽党の寄席がある。すっかり定着している。
毎日ではないが、火・木・金を中心に月14日程度の昼席。
これ以外、たぶん夜は使えないのだろうが、ずいぶん埋まっている。
土日は落語会が増えたようだ。円楽党の入らない水曜も、国本はる乃師匠が浪曲の会をやっている。
昨年あたりからずいぶん増えた印象ではあったが、東京かわら版を見ないとわからなかった。
今後は梅屋敷でもって、なにがあるかなと調べることができる。
落語会は3月あたりまでほぼ埋まっている。

この状態でハコ不足とはどういうことだろうか。
別に文句言ってるわけじゃなくて、ひたすら疑問に思う次第。
マスコミも雰囲気でハコ不足を、必要以上に煽ったのではないか。そう思わざるを得ない。
立川流は、上野広小路を追われたのはやむを得ないとして、両国をあてがってもらえなかったのか? 体のいいリストラ?

現在は、国立演芸場で独演会をやった人たちが遠慮している状態かもしれない。地方に回っているかも。
こういうのは、格的に両国や亀戸では吸収できない。都心を離れると大きなホールが無数にあるので、そちらでやってるかな。

国立演芸場の代替会場(紀尾井ホールと、内幸町ホール。今後また別の会場も出現するだろう)も、現在は月10日。
本当は20日にしたいかもしれない。
先の日本橋亭の芸協定席もそうだが、現在はいろいろ各団体が我慢をしている状態ではある。
その点ではしばらくハコ不足なのかもしれないが。
でも、会をやりたければ場所があるのもまた事実。神田連雀亭の夜も結構空いてるし。

あと、亀戸のひとつ先のひらい圓蔵亭にもイベント情報のページができていた。前からあったかもしれないが。

とにかく、ハコ不足ってのは返す返すもよくわかりません。

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カテゴリー: 寄席

作成者: でっち定吉

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