ドラマ「昭和元禄落語心中」第6話

ドラマとしてはかなりの盛り上がりを見せるものの、劇中落語については書くことの少ない回でした。
毎回出てくる、落語協会の噺家ゲストもいなかった。
明烏や芝浜についてなにかしら知りたい方は、2年半前に書いたアニメ版の記事をご参照ください。

前回は死神で終わったのだが、これは今回の悲劇を暗示しているわけだ。
スターウォーズにおけるインペリアルマーチ。
菊比古の回想シーン、子供時代の初太郎は野ざらしを掛けている。
素人の先代助六から教わった落語だが、その後師匠にちゃんと稽古はつけてもらったようだ。

菊比古は田舎の客に、あくび指南を掛けている。この頃は、廓噺からこれにチェンジしているのか。
助六は飯を食いながら、サイサイ節をうなる。

小夏の髪を切ってやって、菊比古は苦手の野ざらしを。
思い出しながらのネタで、テンポが悪い。
そこに助六が出てきてサイサイ節。そこから二人落語。
八っつぁんの妄想シーンを二人で描く。女がさすがに上手い菊比古。

旅館での二人会、菊比古は得意の明烏。
先代文楽でおなじみの甘納豆も入っている。
助六に八雲を継げというメッセージを、師匠の羽織に託す菊比古。丁寧ないいシーンですね。
助六は芝浜。季節外れだけども、落語をきちんとやりたい気持ちを芝浜の魚勝に託す。

天才落語家助六を求める人が世に数多くいる一方で、みよ吉は助六の落語を封印することで、歪んだ欲望を満たしている。
助六にとって、落語を捨ててまで執着するような女じゃないだろうと思う。
助六の最後の仕事は、菊比古にとっての芸の妨げになる女を、あの世に連れていくことだ。

助六とみよ吉の死後東京に戻り、八雲襲名を会長に強く言われる菊比古。
襲名披露は客寄せのための大事なイベントである。
今さら助六を偲ぶ会長だが、これは決して身勝手なのではないと思う。
実社会の先代小さんのように長きにわたって会長を務める人である。助六の人気と、それが必要なことはちゃんと評価していたのだろう。
それに別に、会長が破門させたわけじゃないのだ。

助六の声を高座から聴く菊比古。
芝浜
夢金
野ざらし
夢金
野ざらし
たらちね
居残り佐平次

ときて、また夢んなるといけねえと芝浜に戻る。

そして、野ざらしを泣きながら喋る小夏に対し、その落語を封印する菊比古。
菊比古が望んでいた家庭ができたのに、呪われた家族としてスタートするわけだ。
心中に乗り損ねた菊比古は八代目八雲となり、落語と心中するため、襲名披露で死神を掛ける。
なんだか、最後の独白はダース・ヴェーダ―に生まれ変わったアナキン・スカイウォーカーを思わせる。

続きます。

作成者: でっち定吉

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