鈴本演芸場7月中席夜は、柳家喬太郎師の主任。
行きたいのだが夜はなかなか。
ちなみに18日は昼にらくごカフェで「きょんカフェ」があったのだが、気がついたら満席になっていた。
いずれリベンジ。
当席はネタ出しである。
「仏壇叩き」と「ウルトラ仲蔵」の検索訪問が毎日多い。いらっしゃいませ。
いっぽう「井戸の茶碗」と「居残り佐平次」も検索で引っかかるのに、なぜか訪問はほぼない。メジャーな演目だからか。
どさくさに紛れてネタ出しされてない「普段の袴」「擬宝珠」の訪問もある。私が言及したからか。
で、東スポの記事にもなったのが、「指笛」。
人気落語家・柳家喬太郎が不快感「俺は犬じゃない!」 寄席の客席から執拗な指笛
17日、客席から何度も指笛が鳴ったのだという。
彦いち、扇辰各師の席でも鳴り、扇辰師はやめてくれと言ったという。
そして喬太郎師に「待ってました」のごとく指笛が鳴り、登場していきなり「俺は犬じゃない」の発言になったのだとか。
指笛か。そんなものには遭遇したことはないな。
寄席にはおよそそぐわない。
だが難しいのは、「指笛はダメ」なんてルールは存在しないこと。声掛けと何が違うと、指笛吹いた当人から反論されたら、なんて返す?
とはいえ扇辰師が指摘した時点で、「指笛は演者に不快」という、その事実は確立されたはずだ。
それなのに喬太郎師に冒頭でやり、ギャグとして非難されたのに終演後もう一回やるなんて。
ちなみに扇辰師、ご機嫌で不規則発言をする池袋の酔っぱらいを叩き出したという武勇伝の持ち主。
今回だってそうなった可能性はある。
なお18日のきょんカフェ、そして鈴本でもって、喬太郎師は指笛騒動ネタを消化したのだそうで。
別に、あれを不快に思ったわけでもないと語り。
それはそれ。喬太郎偉い、という話。
だからといって指笛問題が根本的に解決したわけでもなく。
当人はこれだけ騒ぎになって、なにを思うだろう。
「これだけ騒ぎになったんだからまたやろう」でなけりゃいいが。
今回に関しては、こういう振り返りでいいのでは。
- 寄席でも落語会でも、客の作為と自己顕示欲はよろしくない
- 演者が不快に思ったのなら、それ以上はダメ
- 客はとにかく場になじむこと
指笛はダメなんてルールがない以上、一度までは大目に見てもいいのでは。
だが、なんだって執拗というのはいけません。執拗なパフォーマンスには、強い暴力性を感じてならない。
そもそもだ。
OKとされている声掛けだって、無限にいいわけじゃないと思いますよ。
たまに、面白いこと言ってるつもりの声掛けもある。演者じゃなく、客がパフォーマンスをするようになったらもうグズグズ。
「待ってました人間国宝」みたいな。国宝じゃない演者に。
客の分際で客席のウケを取ろうなんて、痛さ爆発。
まだ罪の軽いほうだが、寄席で二ツ目や、最初の真打あたりに「たっぷり」なんて声を掛けるのもいただけない。
たっぷりできないもん。
過剰な意図を持った掛け声は、指笛と同様、不自然であって暴力の極み。
とにかく客は、空気のように自然な存在でありたい。
逆に、不自然なものを挙げてみようか。
- タイミングのおかしい笑い声
- 他の客をやたら見渡してキョロキョロ
- 許可もないのに写真撮影
- メモ書きまくり。特にマクラの段階で演目を早書きする「ネタ帳ドレミファドン」
- 高座の最中、席立ってウロウロ
- ポリ袋を揉んで音を立てる
- 隣と会話
- ひとりで来てるのに反応を声に出す
- 定番マクラに全力で手を叩く
- まだ演者がサゲを言い終わってないのに手を叩く(フライング拍手)
- スマホonにして画面見てる
雨花師の披露目に行ったばかりだが、昇進直前のスタジオフォーで、ひとりで喋り続ける男にはまったく閉口した。
それから両国の、「100回後ろを振り返る男」。
そこまで行かなくても、いろんな客がいるものだ。浅草演芸ホールに行くと実に客はバラエティに富んでいて、だからあんまりあそこは気が進まない。
とにかく、すべて不自然な行為。
指笛は、不自然の最たるものではあった。
メモ書きなんてのは、やってる人からするとなにが悪いってなもんだ。
だがこれも、演者の気に障るということはハッキリしている。私も高座で、悪意を持ったネタとして演者が消化しているのを数回観ている。
ならば、まともな神経ではできない。特にネタの早書きなんて。
もっともマナー講師が勝手に新マナーを作り出す例を見てもわかるが、寄席のマナーもうっかりすると自己増殖しかねない。
演者自身が「SNSに演目アップするのは営業妨害」なんて言ってたりして。まあ、これはまったく顧みられてないけど。
演目書けなかったらもうSNSに書けることなんかない。来るなと言ってるのに等しい。
私のブログだって、詳細すぎるなんて非難する人間も実際いるからね。新マナーの登場。
幸い、プロに非難されたことはない。
こんにちは、いつも楽しく拝見させていただいてます。当日鈴本に行っていました。彦いち師の時に指笛が鳴り、「扇辰師の時は鳴らさないでね」と軽く窘めていたので扇辰師の時は指笛は鳴っていません。いつもは喬太郎師が高座に上がり可笑しなことがあったりすると、軽くぼやきつつ「生意気言ってすみません」からの笑いに持っていくパターンが多いんですが、今回は全く触れなかったのであまり良い気持ちではなかったと思います。まぁ、喬太郎師の寄席興行は、いつもの寄席とは違う雰囲気なので、今回の件も驚きはなかったですね。
いらっしゃいませ。
ニュース記事も含め、人の記憶はあてにならないですね。
そんな中で、リアリティのある竹三川さんの情報、信用いたします。
扇辰師は怖いよ、というのを同期の彦いち師が語ったが、「喬太郎さんのときもね」と付け加えなかったのでやらかしてしまった、そういうことでしょうか?
本当に、悪気なくやらかしてしまう人、いますもんね。
どうしてもなにかやりたい気持ちが抑えられなかったら、遊雀師の席で鼻にこより入れてクシャミしたら、拾ってもらえて場も和むんじゃないかと。
更新ご苦労様です
指笛はだいぶ悪質ですよね。例えばメモを取るのは落語が始まったら落語家さんを見るので気になったと言うより気づいていなかっただけかも知れませんが指笛は音なので嫌でも落語家さんだけでなく客の耳にも入ってしまうから困りますよね
真相は分からずじまいですが指笛を吹いた人はアイドルのライブと同じ感じで吹いたんでしょうかね?
極端な話、寄席とアイドルのライブの違いも分からないなら次指笛をやったら出禁でもいいのではないかとさえ思います
いらっしゃいませ。
出禁に値するレベルとは思います。
ただ本当にやって、指笛の本人から「出禁無効訴訟」が起こされたらなかなか対抗しづらい気もします。
寄席というところ、すべてが暗黙の了解で成り立ってますよね。
その暗黙が結構振り切れてるのが浅草だったりしまして。