神田連雀亭は二ツ目芸人の修業の場。
二ツ目が増えすぎて、新メンバーがなかなか入ってこれない状態にあった。
そんなことはいちいち公表されてないが、状況を見ていればわかります。
二ツ目ですでに活躍中の人がようやくメンバー入りしたりして。
たまに途中で退会する人もいる(この場合、一切公表はない)が、基本的には真打昇進を待たないと、空きが出ない。
飽和状態についての当事者意識はあったようで、このたびついに自主退会者を募集するに至ったとのこと。
神田連雀亭のお知らせには、この決定も民主的に行われたと書かれている。他に昼席延長案もあって、自主退会が勝利したのだと。
このお知らせに名前の出ている自主退会芸人は、香盤順、所属団体順になっていないので、私が修正してみる。
★は、真打昇進が決まっている人。
今回辞めなければ、卒業公演のひとつもやってもらえる。
でも、今回の自主退会の趣旨に最もふさわしくはある。
【落語協会】
★柳家吉緑
★林家なな子
林家あんこ
春風亭一花
柳家あお馬
柳亭市寿
【落語芸術協会】
★瀧川鯉津
★立川幸之進
桂伸べえ
【五代目圓楽一門会】
三遊亭好二郎
【立川流】
立川志のぽん
立川談吉
★立川吉笑
立川らく人
【その他】
桂紋四郎
国本はる乃
浪曲師がひとりで、あと全員噺家。
講談師は高座の確保が至上命題であり、以前の私の調査でも参加率が高い。名前が出てこないのはわかる。
桂紋四郎さんは東京在住の上方落語家。
これ以外、関西在住の上方落語家も何人か木札があるのだが、どういう扱いなのだか。
これだけ東京の芸人が溢れていると、名前だけ残っていてももはや気軽に出られるはずがない。
正直、今回辞めない人の中に、後進に譲ってほしいと思う人も結構いる。
修練の場なんだからそういうこと言っちゃいけないけど。
でも、修業につきあわされるだけの人のときは最初から行かないようにしている。
卒業する立川志のぽんさんはここで聴いて好きになった人。
退会するので残念だが、仕方ない気もする。なにせキャリア19年だ。
上方落語家だったら15年で退会なのに、東京で真打になってないならいられるというのも、やや不合理ではある。
逆もあるが。かつてZabu-1グランプリに、キャリア15年を超えていた桂三四郎師が出ていたのは違和感丸出しだったけど。
立川談吉さんもキャリア16年である。仕方ない。
ただ、キャリア17年で辞めない人もひとりいる。
「15年ルール」も設けるべきなのかもしれない。
吉笑さんもずいぶん聴かせていただいた。ぷるぷるも。
この人は今後シブラクで聴く。
真打が決まっていて辞める人がいるいっぽう、決まっているが辞めない人もいる。
柳家花飛さんは来春の昇進だが、辞めない。来秋の馬雀、遊京、馬久も。みな番頭なのかな。
辞めないのは自由。
いっぽうで、この人は退会したほうがいいのではないかという人がひとりいる。
「辞めてほしい」でも「辞めるべき」でもなくて、私も別に嫌いな人ではない。
たが15年を超える人がおおむね一掃された今、極めて不安定な立場である。
そしてフリーだし(色物団体には所属しているようだ)。
まあ、私の気分のために辞めてもらう必要はない。
真打が全然近づいていないのに抜けるひともいる。
春風亭一花さんは超のつく売れっ子だから、違和感ゼロ。
気になるのはあお馬、伸べえ、好二郎といったキャリア浅めの人たち。
この人たちは今回たまたまこうやってスポットが当たった。
だがしばしばいる、単に抜ける人と同じなのだと思う。
「後進に席を譲る」なんてことではないのだし。
ただ想像100%なのだが、「俺が抜ければ弟弟子が出られる」なのかもしれないな。
指名はさすがにできないにせよ、伸べえ、好二郎には二ツ目の弟弟子がいるのだ。
実際に入ってくるかはわからないが、春風亭かけ橋、柳家小ふね、三遊亭ごはんつぶなんて人に期待しています。
それから、女流も数人入ってきそう。