柳家花緑弟子の会@らくごカフェ3 その1(柳家花ごめ「片棒」)

先月行った柳家花緑弟子の会に、続けて出向くことにする。
ちなみに同じ火曜日、先日初めて出向いた無料の荒川ふれあい寄席もある。今回は南千住で。
だけど顔付けがわからない。
区に問い合わせるのもなんだかなあ。電話して勝手にガッカリするのも嫌だし。
いっそ、誰が出るか一切知らないで行く手はあったかもしれない。
勝手にシークレットゲストを設定する落語会だ。
まあ、それは今度の楽しみに。計算できるらくごカフェのほうに。

しかし、寄席に戻るぞという決意はどこへやら、ますます寄席の定席から遠ざかるではないか。
来月は池袋に行くつもりだけど。

今回の花緑弟子の会は珍しく、真打の柳家勧之助師が登場。
この人が目当てなのだろう、狭いらくごカフェ、いっぱいになった。
私も目当て。といっても、花ごめ、緑助の両名にも期待している。
500円はありがたい。

花ごめ / 片棒
勧之助 / 寝床
(仲入り)
緑助  / 刀屋

トップバッターは女流の花ごめさん。
この会は3度目なのだが、過去2回ともこの人がトリだった。
開演前に出演者3人で何の噺を掛けるか相談していると、花ごめさんが師匠に「刀屋」を教わっていることを聞いているらしい勧之助師に、今日やったらと勧められる。
だが、トリに決まった緑助さんが、ぼくも刀屋やりたいんですと。
先月、「おせつ徳三郎」の「上」である「花見小僧」を掛けた緑助さん、2か月続けて上下リレーにしたいのだと。
結局、ジャンケンで負けたので、刀屋を譲る花ごめさん。

噺の選択といえば、以前忘れられない経験をしたと花ごめさん。
後輩の林家なな子さんと会をやったとき、前日に電話が掛かってきた。なにかやりたい噺ないですかと訊かれたので、やりたい噺を答えると、なぜかなな子が「私やっていいですか」。
自分から訊いておいてなんじゃそりゃとのけぞる花ごめさん。
なな子さんに対し怒っているわけではないのだが、あまりにも衝撃的なやり取りだったので、繰り返しマクラで話しているそうな。
その、やりたかった噺ってなんだったかな。忘れた。

で、刀屋を取られて片棒を掛ける花ごめさん。
うーん。
ちょっと微妙でした。
柳家の方法論らしく、むやみに弾まない片棒を掛けようというのだろうか。
確かに、あまり柳家の人からは聴いたことのない噺だ。
昨年の謝楽祭の二ツ目寄席で、当時さん若の小平太師から聴いたぐらい。
この噺に関しては、小平太師もそうだったように、思い切って弾みまくらないとできないのではないか。落ち着いた手法では、噺に太刀打ちできないように思う。
反対俥なんかもそうだろう。
しっかり丁寧に演じる花ごめさん、しくじったりはしないけども、どうにも盛り上がりがやってこないままでした。残念。
出くわすたびにどこかしら必ず感心させられる花ごめさんであるが、この日に関しては「丁寧」という以外に感心するポイントはなし。
芸者衆の手古舞の描写、女性らしくというか、非常に丁寧だった。

前の週に連雀亭で聴いた、立川吉笑さんの「片棒・改」みたいにすごいのでなくても、弾んでいる片棒は面白い。
基本的には、柳家の人が噺をしっかり肚に収め、弾ませないで語る手法自体は大好きなのである。弾ませないがゆえに圧倒されることもしばしばある。
だが、その手法も、噺によるのだとしかいいようがない。
「けちのお噂でございます」から始まる、先代小さんの片棒なんて想像できないもんな。

続きます。

 

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. 要らない情報でしょうが、南千住のふれあい寄席、好好さんとじゅうべえさんでした。前回が真打目前の好の助さんと二ツ目目前の好也(ぽん太)さんだったことを考えるとちょっと弱い顔付けですね。好楽師が挨拶だけで出てくるなんて噂もありましたが、中入りで出たので真偽は不明です。
    TBSのカメラが入っていて、日本で仕事をしている外国人の若者の様子を両親に届ける、みたいなクリスマス頃放映の番組にじゅうべえさんも取り上げられるようです。

    1. 石さん、情報どうもありがとうございます。
      要らないなんてことはありません。
      好好さんもじゅうべえさんも私は好きですが、誰が出るか期待していってその顔付けなら、確かに弱いかも。

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