無料の落語会はいつ復活する

コロナ禍も収まってきて、寄席もごく普通の存在となったようである。
もっとも、受付では体温を測り、連絡先も記入させられる。マスクが必須なのは当然。
行ってきたばかりの「堀之内寄席」もそう。そして、昨年は大入り満員になっていたこの寄席も、人数制限があり、しかも埋まらない。
いまだに、外に出ない人は律義に出ないようである。今や、亡くなる人も少なくなっているのに。
東アジアで重篤者が少ないのは、ネアンデルタール人の遺伝子をほぼ持たないからだなんてニュースも見るが、どうなんでしょうか。

寄席は復活し、落語会もまた、人数制限を設けつつよみがえりつつある。
しかし戻ってこないものがある。無料の落語会である。
3年前と一昨年に出向いた、昭和大学名人会(旗の台)の時季、すでに過ぎていることに気づいた。
昨年は台風で中止になったのだが、顔付けはされていた。今年は学祭自体早々中止である。
客は実にしょうもないのだが、高座のほうはちゃんとしている立派な会。
私は無料の落語会が大好きだ。当ブログでも、「落語会」と別にこのカテゴリを用意しているぐらい。
まだまだ、呑気に無料で客を入れてる場合じゃない。それはまあそうだ。
だが、無料の落語はまさに平和の象徴だと思う。関係者にはぜひご尽力いただきたいものであります。

この昭和大学名人会以外にも、過去には、こんな無料の会に行っている。

  • 東京都水道歴史館(春・秋)
  • イオン寄席(イオン葛西店)
  • 伊勢佐木木曜寄席
  • 江戸川区中央図書館
  • 番町寄席
  • 文京区千石図書館
  • 江戸東京博物館ひまわり寄席
  • ひらい圓蔵亭
  • KITTEグランシェ落語会
  • 荒川ふれあい寄席

それから、単発の会にも。

  • 鉄道落語会(川崎市民ミュージアム)
  • 渋谷区大和田ホールの無料落語会
  • 野毛山動物園
  • 品川アーティスト展
  • なついち寄席@ヒルトピア(新宿ヒルトン)
  • 二松学舎大学落語シンポジウム

復活しているのは、ひらい圓蔵亭と、荒川ふれあい寄席だけのようだ。
番町寄席は配信。
江戸東京博物館でも小規模な無料の会をやっているが、小規模過ぎると行かない。ここは入館料は必要。
ひらい圓蔵亭の会は東京かわら版に掲載されているのだが、定員を13人に絞っている。
KITTEグランシェ落語会は、元東京中央郵便局の商業施設、東京駅前のKITTEの地下でやっている会。芸協の二ツ目さんがひとりで一時間やってくれる。
場所もいいので行きたいが、いつから再開だろう。

荒川区は、老人福祉とパンデミック阻止をアウフヘーベンしてなんとか開催しているようだ。
このふれあい寄席には公式サイトがあるのだが、情報が薄い。
これだけでどう判断したらいいのか。東京かわら版に載せてくれることもあるけど、だいたい演者未定だし。
それでも、たまに好楽師が出たりもするらしい。
もっとも予約制になったようなので、問い合わせしてから判断すればいいようなものだが。
荒川区もうちから遠いから交通費は掛かる、入場無料のインパクトはそれだけ薄れてしまう。
よその区が税金で運営してくれているものに文句を言ったらバチ当たりますがね。
もっとわからないのは「ふれあい館」を回るふれあい寄席はこうやって公式に一応出ているのだけど、「ひろば館」を回るふれあい寄席もあり、そちらは一切出ないこと。
しかしその不思議なふれあい寄席のほうは、ちゃんと演者込みで東京かわら版に出ていたので、一度出向いた
これは、金八、柳朝というなかなかの師匠が出て、いい会だった。
昨年11月に行ったのだが、今年はないみたい。

伊勢佐木木曜寄席は、木曜日の昼間にJRAのエクセル伊勢佐木でやっている会だが、復活の兆しがない。
行くたびにいつも満員だったものだ。
横浜は比較的近いのだが、都内と比べて電車賃が余計に掛かる。無料のインパクトは薄れるのだが、その割には仕事にかこつけたりして何度か出向いている。
まあ、密になりそうな気もするのだが、天井は高いし、工夫すればできそうだけど。

無料の会、東京かわら版11月号にも多少は出ている。
飲食店の、落語無料飲食代別途というものを除き簡単にご紹介。行く人は、必ずご自身で確認してください。

  • 1・8日・・・辻講釈を楽しむ会
  • 3・17・18・23日・・・えどはく寄席(江戸東京博物館常設展入館料が必要)
  • 3日・・・田辺鶴遊「後藤新平」@小松川図書館
  • 8日・・・三遊亭栄豊満@ひらい圓蔵亭
  • 14・23・27・28日・・・ねりま落語ライブ「三遊亭はらしょう」
  • 15日・・・航空寄席(柳家三之助)@成田航空科学博物館
  • 23日・・・瀧川鯉津@江戸川区立中央図書館
  • 24日・・・ふれあい寄席@南千住駅前ふれあい館 ※東京かわら版には掲載なし
  • 30日・・・三遊亭好青年@町屋文化センター

成田の航空科学博物館はかなり遠いが、演者がもし、千葉でよく無料の会をやっている古今亭菊之丞師だったら行くと思う。
飛行機好きのうちの子連れて。
ここは一度行ったがなかなか面白いところである。
航空科学博物館の敷地内には、「空と大地の歴史館」という、三里塚闘争を客観的に振り返った博物館(無料)もある。
こちらも一見の価値あり。
余談でした。

作成者: でっち定吉

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