落語の「教え魔」(上)

松山英樹のマスターズ優勝で世間は盛り上がっている。
ネットを松山英樹から巡回し、ゴルフの世界を通り過ぎて、ちょっと以前の未読コラムに行きついた。

善意で他人を困らせる「教え魔」の残念すぎる生態 「頼んでもいないのに…」テレビ特集に反響(Jキャストニュース)

ゴルフの「教え魔」も困った存在のようで、その関係の記事も多い。でもゴルフに限らず、教え魔はどこの世界にもいるらしい。読んだ記事ではボウリングが例に挙げられている。
教えを乞われてもいないし、そもそもその道の熟達者ですらないのに一方的に教えようとするおじさんたち。ウザいことこの上ない。
もっとも、実社会で私はこういう人に、あまり遭遇したことがない気がする。教え魔の餌食になる人は、お人好しか、スキが大きいかだと思う。
人に教えるということは、自分の優位性を相手に誇示すること。マウンティングできなさそうなタイプの人間に対しては、教え魔は最初からやってこないみたい。

概念に言葉が加わると物事の整理がしやすくなる。
「○○ハラ」と、ハラスメントの種類が次々増えていくのもよくわかる。概念が列をなして待っているのだ。
私は、昼間来てくれる客をそしる噺家の無礼を、「ヒルハラ」と名付けた。
ともかく、「教え魔」とはわかりやすい言葉。「あの人、教え魔なのよね」と言えば伝わる。

落語にも教え魔がいるみたい。これも、私は実社会で被害には遭わないので、すべてひとのケース。
以前、「教え魔」の概念なしに書いたものがある。

世の中の落語を探す(趣味編)

女性が被害に遭いやすい。下心がまさっているクソみたいなおじさんは多いようである。
当ブログをツイッターで紹介してくれた女性も、別のツイートで不満を書いていらした。

<寄席行くと他のお客さんから話しかけられることたまにあって、以前、落語協会のときに行ったらおじいさんに話しかけられて「落語協会初めてなの? 落語芸術協会びいきなの? まだまだだね〜」みたいに言われて、どこへ行ってもマウントとりたい人はいるなあと思いました>

とのこと。
芸協の悪口を言いたい人は、何だか知らないが確かに多い。行かないから知らずに言うわけで、典型的な教え魔の作法。
当ブログでも、「色物の層が厚い芸協」と一言書いただけで、コメント欄でケチを付けてきた馬鹿がいた。
そんな心理に、さらにマウンティングと下心が加わると無敵の怪物の誕生。

私も実社会以外なら、教え魔に遭ったことがある。
以前書いたのだが、Yahoo!ブログ時代、コメントを使って上から一方的に落語を教えてこようとする人の話。

実社会で出くわしてこなかったタイプの人なので、対応に困ったものだ。
コミュニケーションを求めてくる人に、塩対応すぎたかなと思ったりしたが、結局私は正しかったようだ。上から迫ってくる心理は、実にもって歪んでいる。

ちょっと脱線するが、このとき書いた記事は1年前のもの。「1日のアクセスが70~80程度」と書いている。
現在は170から180。増えたなあ。
書いたものが検索でよく掛かるようになったので、ますます読者が増えていく。
いつもお越しくださりありがとうございます。
土曜日も、「Wモアモア解散」の記事に多くのアクセスがあった。ラジオでナイツがなにか喋ったのかなと思ったのだが、後から聴いたら特に言ってなかった。なんだろう。

教え魔の被害には遭いにくい私だが、今後加害者のほうになったらどうする?
これは大丈夫だと思う。
昨年池袋演芸場で、開演前の列に並んでいた。百栄師の芝居。この話は初めて書く。
後ろに並んでいたご夫婦に、開演時間を訊かれた。14時開演ですけど、15分前には前座さんが出ます。だからもうすぐ開きますよと、非の打ちどころのない回答。
しかしなぜか私の前に並んでいた爺さんが、私の完璧な回答に割り込んでこようとする。出番など当然なかったが、この爺さんには明らかに教え魔の資質がある。
その後ご夫婦は、「この人(百栄師)春風亭だから昇太の一門よね」とか適当なことを話していたのだが、私は一切、口を挟む誘惑になど駆られなかった。
落語協会と芸協の違いから説明する必要など、どこにもない。初心者はこんな誤解、したままで構わないのであって、親切心にかこつけてマウンティングしたらいけない。

主張したいことがあればブログに書けばいい。欲求不満に陥らないので健康だ。

続きます。

 

作成者: でっち定吉

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