落語協会2022年春と秋の新真打

今日は落語協会の、国立の新真打披露目に行くつもりでいた。柳家さん花師。
兄弟子の柳家喬太郎師も出るし。
国立演芸場の定席に喬太郎師が顔付けされることは、そうそうない。
国立は寄席組合に入っていないから、寄席四場に顔付けされなかった人で番組を作る必要がある。だから喬太郎師や一之輔師といった超人気真打は、通常呼びたくても呼べないわけだ。
なら、主任で呼んだらいいのではと思うが、この辺りはもう、関係者じゃないのでよくわからない。

だが今日は仕事をしよう。その前にひとつアップする。

昨夜アップしたNHK新人落語大賞関係の記事は、今年は結果に緘口令が敷かれているとのこと。23日のオンエアが楽しみです。
さて、ネタが見つからないなと思っていたのだが、落語協会の公式に二つまとめて出ておりました。
披露目をやっている中だが、次と、その次の真打のニュース。

まず、春の新真打4人の披露目の興行日程が出ている。女性がふたり。
3月下席の鈴本から、5場連続。とうに決まっているけども。
そして漏れ聞こえてはきたが、新しい名前も。

  • 三遊亭美るく 改メ 三遊亭律歌
  • 春風亭ぴっかり 改メ 蝶花楼桃花
  • 鈴々舎八ゑ馬 改メ 柳家風柳
  • 林家はな平(改名なし)

はな平さんだけ改名なし。
林家(海老名のほう)は襲名がない限り前座から名前を変えないのが普通なので、意外ではない。しん平、たい平など。
ただ兄弟子たこ蔵にならい、「はな蔵」になる可能性はあると思っていた。蔵は師匠、正蔵の蔵である。
今から思うと、たこ蔵は惣領弟子のたけ平と紛らわしいので替えたのかもしれない。

三遊亭美るくさんは、三遊亭律歌という名前に改名。今回の改名は、みな初代。
姉弟子が弁財亭和泉になったから、当然二番弟子も新たな亭号を付けるのかと思っていた。
「歌る美」⇒「美るく」と牛関係が続いたから、安楽亭になるかと思ったのだが、三遊亭だった。
五街道一門みたいな、弟子はそれぞれ一門を構えろといった方針ではなく、単に惣領弟子だけは独立しなさいという意味だったみたい。
いろいろ考えられるところだが、和泉師は新作派だしな。
ちなみに歌る多一門、その次の弟子は廃業。末弟に「日るね」さんがいたが、二ツ目になったのに廃業した後芸協で再入門し、先日二ツ目に無事昇進した。桂しん華。

八ゑ馬さんは、柳家風柳か。このリリースで初めて知った。
柳まみれの名前だが、風流ということなんだろう。
鈴々舎の噺家が、柳家で真打になるのは、ごく普通のパターンではある。襲名でなくても。
馬るこ師は鈴々舎のままだが、この人は次の馬風を狙っているに違いない。というか、師匠から約束をもらっていそう。

ぴっかりさんはひとりだけ、帝国ホテルで改名を大々的に発表したからすでに世間に伝わっている。こっちは花まみれの名前。
先の記事のアクセスの多いこと。
今回の真打は、彼女だけがフィーチャーされるが、まあ圧倒的な人気者だし仕方なかろう。
落語のほうも、古典・新作・改作なんでもやる人である。
昇進後も、寄席には呼ばれるだろう。

ちなみに先の記事に書いたとおり、現在浅草では圓菊襲名披露をやっている。
この1場でもうおしまい。
浅草の番組をちょっと覗いてみたら、真打枠の最初、つまり番組の二番目に春風亭一之輔師が出てる。
この人気者が、こんな浅い出番に出るとはびっくり。
披露目だし、めでたい「黄金の大黒」とかやりそう。

それから、その次の真打が発表された。2022年の秋ということである。
例年どおりなら、9月下席の鈴本から5場連続ということになるだろう(今年と同じ)。
今度は3人。

  • 春風亭一蔵
  • 柳亭市弥
  • 入船亭小辰

売れっ子である。
ちなみにその香盤の下、まめ平、扇もほぼ同期だが、先送り。

名前はどうなるだろう。「一蔵」はこのままでもよさそう。
「市弥」はちょっと軽い。市馬一門の弟子では、「玉屋柳勢」「燕三」とたいそうな名前を付けてきたので、なにか立派な名になるだろう。
「市」も「弥」も取っ払うと思う。

「小辰」は愛着ありそうだが、改名必至だろう。
空位になっている、入船亭扇橋襲名なんてのはさすがにないか。
なんとなくだが、「扇」を付けた名になりそう。

芸術協会だと、二ツ目香盤の最初にいる風子、柳若、昇也もほぼ同期だが、こちらの発表はまだない。
2023年春でしょうか。

続報です。
入船亭扇橋、柳亭小燕枝復活(入船亭小辰、柳亭市弥)

 
 

作成者: でっち定吉

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