笑点に林家きよ彦? 女流落語など小ネタ集

林家きよ彦in笑点

外で仕事をしていたら、わりとスラスラできたので、帰ってきて笑点を観た。
予告で、「チコちゃんに叱られる」と局を超えたコラボをするのは知っていた。
そして、予告の画像によると、司会席になぜか二ツ目の林家きよ彦さんが座っている。
まあ、彼女も特大号の女流大喜利に出ていたし、なにか縁があるのかなと思っていた。

だが、蓋を開けたら昇太師匠のチコちゃんかぶりものじゃないか!
これはびっくり。激似。

ご本人も思わずツイート。
まあ、それだけなんだけど。

古今亭寿輔のしくじり高座

前の日曜のTVK浅草お茶の間寄席に、待っていた古今亭寿輔師の高座が登場。
私が昨年末に聴いた高座である。
「英会話」を始めたのに、途中で先に進めなくなってしまい「生徒の作文」に切り替えた一席。
どういう編集するのかなという、ただの興味本位である。

寿輔師、いつもの客いじり。私なんかに拍手するのは間違ってると。
アマガエルの衣装(テトロン制)に触れた後、「4列目の旦那なんか、ペットボトルをおいしそうに飲んでます。今がチャンスだろうと」と寿輔師。
これも毎度のネタだが、言われた旦那は私、でっち定吉です。
それがどうした。

寿輔師、下手前方を指さし、「あそこにある上野広小路亭」に出た話をするのだが、上野広小路亭は下手後方ですよ。
もっとどうでもいいけど。

さて、英会話をどうカットしたかというと。
「これ、千葉テレビで流れますから。私の信用ガタ落ちにしても結構です」のあと、急なカットがあり「よう。あ、ここから始まりましたから」。
オンエアだけ見てると、なにもわからないではないか。
せっかくのドキュメンタリーなのに。

しかし、私も生の高座と記憶が違うなと思った部分が。
「大川で身投げを助けたら顔が泉ピン子だったので突き飛ばした」というブラックなネタは、マクラではなくて「生徒の作文」の一部だった。
かように、いつも書いてる内容はアテになりません。

「殺人ほう助罪じゃないか」とツッコんでいるのだが、ほう助の元である殺人がどこにも存在しないな。
殺人罪か、過失致死罪でしょうな。

しかし、寿輔師今に始まったことじゃないけども、いちいちトゲが多い。自虐に見せかけてるけど。
桃太郎師の「あの女轢いてくれ」と空気が違うのだ。

蝶花楼桃花の語る男性社会との闘い

蝶花楼桃花が語る女性落語家としての苦悩「女の落語は聴きたくない」と厳しい声を浴びせられた過去(Newsポストセブン)

最近、女流落語家に迫るコラムが多いなと思う。
林家つる子さんのものもよく見る。たとえばこれ。

心の内が語られない女性が主人公だったら?古典落語に風穴 林家つる子さんの挑戦(東京新聞)

つる子さんは記事を読む限り、このところかなりフェミニズムづいているようである。
つる子さんの場合、TVのドキュメンタリーでもずっと闘う姿を見せているので、おかしなところはなにもない。
ただ、「可愛いつる子」を追っかけているシルバーファンは、戸惑っているかもしれないな。100%想像なんですけど。
「つる子は可愛げがなくなってきたから、一花に乗り換えよう。人妻だけど」という人もいそう。
神田連雀亭では、つる子さんの席がそういう浮ついたおじさんばかりで、春風亭一花さんの席は女性ファンも多く、空気が違ったのだ。数年前は。
今おじさんばかりになったのは、そういうことではなかろうか。これも100%想像なんですけど。

おかげで最近、一花さんの席に行くハードルが上がってしまった。
一花さん、落語のほうは実に自然で、桂二葉さんと並んで女流落語のひとつの到達点だと思っている。
もっとも一花さんも、マクラでは殿方に媚びている部分がややありますけどね。なくてもいい。
つる子さんの場合は、「変顔おもしろ落語」の認識に基づいて来てる人もいるだろう。私も正直、その印象なので、女の落語への強いこだわりがいささかピンと来ないところもある。

で、冒頭の桃花師である。
ちょっと違和感満載。
桃花師といえば、ブリッ子の印象である。実際の高座でもそういうところがあり、間違った印象じゃないと思う。
悪く言うと、おじさんに媚びた高座。それで成功していることは全然いい。
だが、その人が「女性落語家としての苦悩」について語るとなると、少々ずっこける。
桃花師も将来的には笑点メンバーになる可能性がまだある。でも、ブリッ子キャラは婆さんには嫌がられるんじゃないか。
そして現在、ブリッ子に対して「トシを考えろ」という反撃もしづらい時代。
そういうアンビバレンツなところまで全部ひっくるめたうえで、「女流は大変だ」ということは理解しています。

唐突ですが、林家きよ彦の時代ですよ。

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. 「女の落語は聴きたくない」と言われ「女性落語家としての苦悩」しているのはご自身だけのこと。女性の地位を上げたい、だからこんなに頑張っているんです、と。
    それを言っちゃうことでより卑屈感が増していると思います。
    こみち、一花、和泉、きよ彦さんたちは愚痴らずに自分の世界を語って共感を得ています。
    (注:このコメント投稿者は女です)

    1. いらっしゃいませ。
      おっしゃる通りですね。
      桂二葉さんは卑屈なところないですもんね。ベテランをジジイ呼ばわりですもん。

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