昨日の記事、慌てて書いたために誤字が5か所もありました。
アップ後、4か所まではすぐ直したけども。
なんと両国寄席は3年振りである。
昼の亀戸はちょくちょく行ってるので、開いたのはコロナとはあまり関係なく。
本来、こちらのほうが好きなのだ。
しかし、嫌な思いをした。
演者のせいではない。
斜め前に座ってる初老の客。
なんだか知らないが、終始私のいる斜め後ろを振り返る。
ひと高座のうちに10回ぐらいも。
つまり、この席で計100回ぐらいいちいち振り返っているのである。
最初は、遅れてくるお連れさんを待って、入口方面をチェックしているのかと思っていた。気にはなったが、その程度なら仕方ないと。
なので、席を移動するチャンスを逃してしまった。
だが、後半に入ってもずっと振り返り続ける初老の男。
特にトリの一席がひどい。高座を観ろ高座を。なんで後ろを向く?
目的は、寄席全体を監視することにあるらしい。
他人の反応を逐一確認したいのではないか。
直接、私個人の顔を目視したいわけでもないようだ。それでもこんなに視線が交錯するのは異常だ。
私を見て「こいつがでっち定吉らしいぞ」と思った客がいたとしよう。
目立つことは一切しないから、そんな客は実際にはいないのだが仮にそうだとしても、100回振り返るなんてのは異常の極みである。
こういう人の心理を考える。
恐らく、他人は自分の従属物という認識なのだと思う。すべての客を気持ちの上で支配下に置いているのだと想像する。
じろじろ見たら人は嫌がるという思考回路がないのだ。
不自然な客は私は嫌いだ。
まさに不自然の固まりなのだ。
生茶のペットボトルを振り回していた(これ自体は著しく気になったわけではない)手遊びと同じ、無意識の悪癖なのだと思う。
そうだとして、私が高座に没入できなかった原因が、ただひとりの客である事実に違いはない。
この両国の前に聴いた国立演芸場がイマイチだったのは、さして気にはしていない。
だがこの両国の客、本当に腹立つな。
高座の印象だけ残り、この客の印象がやがて薄れていくことに期待するのだが、まだ生々しい。
トリの兼好師のいい高座も台無しだ。
出来心 | けろよん |
長屋の花見 | 好青年 |
笑い茸 | ぽん太 |
替り目 | らっ好 |
初音の鼓 | 楽之介 |
鹿政談 | 楽松 |
(仲入り) | |
たらちね | 栄楽 |
ダーク広春 | |
錦の袈裟 | 兼好 |
前座はけろよんさん。昨年6月以来。
両国は亀戸と違い、前座は顔付けされていないので、この人に当たるかどうかはわからない。聴けて嬉しい。
やっぱりスーパー前座だ。再認識。
前座なのに(さらに言うなら2021年暮れのデビュー当時からの)うたい調子。
その結果、古典落語の普通のクスグリで客はよく笑う。
三ぼうのマクラを振って、出来心。三ぼうもよくウケる。
出来心を前座がやるのは聴いたことがない。だから仕事に出掛ける前は鈴ヶ森だと思っていた。
鈴ヶ森も、落語協会の前座はやらないが、芸協はやる。団体によりいろいろだ。
「真心に立ち返って悪事にはげめ」と言ってるのは親分のほう。
子分も親分も、ツッコミなしでボケ合うのが現代風だ。
出来心という噺、規格外の泥棒が主人公だから、噺の展開が不自然にならざるを得ない気がするのだ。
マンガチックなため不自然さの気にならない鈴ヶ森よりもずっと。
だが、けろよんさんは実に自然。規格外の泥棒の了見ができているのだろう。
それどころか、けろよんさんを通してこの噺の魅力を新たに見出した。
出来心は、オムニバス落語なのである。
オムニバス落語というと、浮世床とか、蜘蛛駕籠とか。場面が次々変わるもの。
出来心にそんな要素を感じたことがなかった。これはけろよんさんが、ひとつひとつの場面(泥棒の空き巣狙い)を、しっかり画として描けているからだろう。
いやあ、すごいや。
すごいので、今日のタイトルを「100回後ろを振り返る客」でなくて、けろよんにしました。こっちのほうがよかろう。
ちなみに、この日の顔付け、トリが兼好師なのは認識しているけど、それ以外一度は目を通している番組表、完全にリセットして行った。
すると、出てくる人がすべて想定外のため、実に面白かった。
現に、この後の番組トップバッターは、スウェーデン人の好青年さんである。
5人しか出ない亀戸ではこういう楽しみはしたくてもできない。
こんばんは。
おかしな言動の背後には精神障害の可能性もあります。おかたい仕事、公務員など同僚はもちろん下請け、客、市民など他人との関係性を築かなくても評価される職業だったりすると未診断のまま、さみしい大人や高齢者になってしまいます。(手帳を交付されている当事者としてのコメントです。差別意識は一切ありません。)
香川照之が銀座のクラブでご乱行と報道された後にネット記事にありました。元銀座のママか水商売経験豊富な女性の談話で。男の本性を見たいなら小さな権限を与えてごらんなさい。
寄席に限らず最前列などに座ると良席を得られる権力や優越感を誇示したくなる人たちは健常者でもいます。
うわ、確かに私にとっては災難でしたし、ひどい思い出でした。
ですが、そこまですごい話だったとは…
本人が「生茶」をキーワードに、反省してくれればと思っただけなんですよ。