今日ニュースの配信があって、やや驚いた。
三遊亭好楽が語った襲名問題 大名跡・円生は「私の中では決まっている」 円喬は…(スポニチ)
円楽一門会の会長の座はすでに降りているが、しかし依然スポークスマンは好楽師。
その好楽師が、圓楽(先代は円楽と名乗っていた)、圓生の名前の行き先について語る。これは見逃せない。
おまけに、橘家圓喬という伝説の名前まで。
ちなみに、記事では字がすべて「円」だが、これは表記の制限があるためでしょう。本来は「圓」。
好楽師、時として根回し不足があるのでちょっと心配。それが如実に表れたのが林家九蔵襲名事件である。
円楽党内部ならきっと問題ないんだと思うけども。
でも、弟子の好一郎師の昇進の際、しばらくニュースが(異常なほど)流れてこなかったのには、落語をしてない一太郎の問題をキーに、円楽党内部でいろいろあったのだと想像しているのだけど。
圓生の名前も、慎重に進めないと落語協会の一部からクレームが来そう。
根回し済んでなくて、スポーツ新聞の記事で知ったら、残った一門は怒らない?
円丈一門は両国寄席にも出てるから、身内みたいなものだと思うのだけど。
圓窓、円丈の二師が鬼籍に入られたので、大丈夫とは思うのだが。
円楽の名跡は、好楽師あっさり答える。楽生でいいんじゃないと。
これは当人に伝え済み。
ええー、楽生師が円楽?
惣領弟子が名前を継ぐのは、なにも間違っていないのだが、これはやめたほうがいいんじゃない?
「円楽の大きな名前を継ぐ器ではない」と言いたいのではない。好楽師の語るとおり、名前なんてなんでもいいものでもある(本当はなんでもよくないから揉めるのだけど)。
冷静に考えれば、圓楽の名前のでかさはタレントとしての側面が大きいし。
ただ、継ぐご本人が大変じゃないのかなと。
次の円楽については名前は出た。
私の↓予想は外れそうだが、それは別にいい。
ただ、圓生予想のほうは当たりそう。
円楽党一番の人気者、三遊亭兼好師である。
記事でも「師弟愛である」とヒントがばっちり書かれているので、間違いない。
名前を与えるべき弟子としては、九蔵事件のゴタゴタがあった好の助師もいるのだけど。でもまあ、ニュアンスは明らかに兼好師。
ご本人には伝えていないのだそうだが、嫌とは言わせないのだと。
まあ、この襲名はいいでしょう。
前回も書いたのだが、六代目圓生との芸風の違いなんてものは、気にしてはいけない。
皆が「圓生」だと思っている芸風は、あくまでも昭和の名人、六代目のもの。
先代小さんが六代目より上手かったと語る、六代目の義父五代目の芸風、実力など今では確かめられない。
ちなみに好楽師がしゃしゃり出ることではないのだが、志ん生、志ん朝も継ぐべきだと。
書いてないけど、志ん生は菊之丞、志ん朝は文菊でしょうね。
菊之丞師の志ん生襲名は、噂で終わったような空気もある。だが、継がれるべき名前のほうから考えれば、当然に浮上する。
志ん朝は直弟子が残っている点、やや問題あり。
文菊師と同時に抜擢で真打になった、直弟子の志ん陽師を無視するわけにもいかない。
圓喬といえば、大名人。
記事には書いてないが志ん生が心酔していたという。
志ん生はプロフィールにおいて圓喬の弟子だと名乗り続けたのだが、実際は違うという。
橘家は、今は圓太郎、文蔵の亭号になってしまっているが、もとは三遊亭のサブブランドである。
二代に渡って貸し出した橘家圓蔵についてはすぐ返してもらうわけにはいかないが、圓喬なら別にいい。
さて、誰に継がせる?
記事によると「具体的な名前が挙がった。存在感は抜群、本寸法の芸で魅せる彼」だそうだ。
本寸法の芸とあるので、存在感は抜群だが萬橘師ではない。
これは、鳳志師でしょうね。
円楽党の香盤を見ていって、この人がピョコンと浮き上がってきます。まあ、人気は現状ないけど。
本寸法、という言葉を背負わしていい人というのは、そんなに多くはない。
ところで、息子の王楽師は?
記事にあるように、歌舞伎と違って落語は血で継がせるわけではない。
だから身内は厳しく扱うという考え方もありうる。
たぶん違うけど。
私は、王楽師が次の圓楽だと思っていた。理屈を総動員して、他にないだろうと。
楽生師という結論にも、理屈であっさり到達するから仕方ないが。
どうやら、王楽師は二代目好楽のようですね。
好楽師だって、もう喜寿。あと10年できたらすごい。
好楽を生前贈与するのではないでしょうか。
ただ、王楽師はいい名前をもらってるのだから、自分で大きくしろというのももしかするとあるかも。
師匠であった五代目圓楽に対する遠慮もありそう。
その場合、気の毒な好の助師が好楽になるかもしれないな。
菊之丞師の志ん生襲名は既定路線なんでしょうね。
6/10の志ん輔師ブログにかなり過激なことが書いてありました…
情報ありがとうございます。
志ん輔ブログなんて読まないので。
しかし志ん輔師、ご自分よりも菊サマのほうが人気も力もあることがわかってないんですな。