神田連雀亭は二ツ目の寄席だが、落語界の縮図でもある。
メンバーが多すぎて新陳代謝が図れず、やむなく自主卒業者を募集した。
先日、その発表があったところ。
一般の寄席と違い、実力フィルターが掛からないので、出演枠を維持するためには別の要素が必要になってくるのだ。
今度は、自主卒業者のおかげで新たに入ってくるメンバーが公表されている。
今回も、所属とその中での香盤は、私が整理する。
【落語協会】
- 三遊亭歌彦
- 春風亭いっ休
【落語芸術協会】
- 三遊亭あら馬
- 桂しん華
- 立川幸朝
- 桂南楽
- 桂南馬
- 桂蝶の治
- 三遊亭美よし
- 桂松福
- 桂銀治
【五代目圓楽一門会】
- 三遊亭楽花山
【立川流】
- 立川らく萬
- 立川志の大
- 立川志らぴ―
- 立川半四楼
【その他】
- 東家志乃ぶ
- 東家千春
落語協会、少ないな。二人か。
前回、6月に一定数入っているので、今回少ないからと言ってたちまちバランスを欠くわけではないけれど。
三遊亭歌彦さんは先日新横浜で、二ツ目になってからは初めて聴き、実に気に入った人。この人が加わるのは嬉しい。
それから「百才万歳」という新作がやたら面白かった、今のところその一発だけではあるけど春風亭いっ休さん。
そのふたりはいいのだけど、この香盤の間に、期待する人や話題の人がズラッといたのだ。
つまり、古今亭雛菊、柳家小ふね、三遊亭ごはんつぶ、金原亭杏寿。
まあ、杏寿さんなんて出るとストーカーがわらわらやってきそうで心配ですがね。出なくていいでしょう。
それはそうと小ふね、ごはんつぶの二人が入ってこなくて結構ショック。
この人たちは、よそで会を見つけたらしっかり押さえておかなければ。
私が事前にピックアップした人以外にも、桃月庵黒酒さんとか春風亭だいえいさんとかは期待されてるほうと思うが、彼らの名もない。
芸協は、ちゃんと数えてないけども連雀亭最大会派の座を保持しているはず。
世間の主流派は落語協会だが、二ツ目においては芸術協会がその座にあるのだった。
南楽さんは芸協変態路線を歩む人。そんな路線あったかな。
銀治さんは実力派。実に楽しみ。
すゑひろがりずの三島に似ている松福さんも、5分の「味噌豆」聴いたことしかないのだが、やはり楽しみにしている。
高座返しの立ちふるまいだけでもなんとなく楽しい人。
芸術協会に脈々と流れる、フラの持ち主という気がする。
それにしても東京の落語界では基本影の薄い亭号、「桂」が溢れているのはなかなか楽しい。
三遊亭あら馬さんは、最近NHKの視点・論点でPTAについて語っていた。
本業も面白いが。
落語協会とは異なりおおむね期待通りではあるが、いて欲しいのにいない人がひとり。
春風亭かけ橋さんである。
うーん。彼にはもう、このハコはスケールが小さすぎるのかも。
かけ橋さん、あちこちでさまざまな会をやってるけども、私の行く会がひとつもない。この人も見つけたら聴いていきたい。
かけ橋さんは落語協会から芸協に移ったわけだが、そのルートの先輩、桂しん華さんは連雀亭に登場。
落語協会時代(三遊亭日るね)には出ていたので、満を持しての復活ということになる。おめでとうございます。
芸協は今回、香盤が回ってきていればほぼ全員出演希望。
出ないのは、かけ橋さん以外には立川成幸さんだけ。
というか芸術協会、このあたりの層が、他世代と比べてもなお分厚いかもしれないぞ。成金に比するかまではわからないが。
「三遊亭圓楽」の名が復活して話題の円楽党からは、三遊亭楽花山さん。
もともと「幻の七代目」楽生師の弟子だったが、途中から先代円楽の直弟子になっている。師匠没後は小円楽門下。
この人は二ツ目になってから上方落語に転向した。
最近聴いてなくて、東京落語は続けているかどうか知らない。
円楽党では、先代円楽最後の弟子だった萬次郎という人に期待していた。前座(楽太)の末期に「化けた」と思ったのだ。
だが、きっとまだ順番が来ていないのだと思う。
あとは立川流と浪曲。
ここはよく知りません。
講談は、だいたいの人は席数確保のため食いついて顔付けされるのが一般傾向。
三遊亭美よしさんと同時昇進の神田鯉花さんは、希望しなかったのだろうか。
ともかく新人に期待です。
(2024/10/24追記)
神田鯉花さんはアナウンスはないものの、明日25日ワンコインなどに顔付けされています。
おじゃましまーす!
連雀亭、若手が安く聴けていいところなんですが。
かけ橋さんは、小痴楽師匠とも仲良しなので連雀亭に良いイメージもってないのかな?
まぁ師匠連からの声掛けも多くて地方の会にも引っ張りだこですから、あえて出なくてもいいんでしょうね
いらっしゃいませ。
小痴楽師の関係は知りませんが(弟弟子の信楽さんは出てますね)、まあスケール感に見合わないのかなと思っています。
連雀亭でなくても、よそで聴ければいいんですがなかなか捕まえづらい人です。