土曜の連雀亭に戻ります。
思い出したので書く。
1席め冒頭で笹丸さんに代わって諸注意をした希光さん、「録音は禁止です。まあ、してもいいですけどね。我々の音源を違法アップロードしても、アクセス数はせいぜい5ぐらいで儲からないでしょう」だって。
こういうアナーキーなことを言うのはだいたい芸協の人。鯉白さんも言ってた。
笹丸さんが前説に出ないことを語る前に、今日初めて来たお客をリサーチ。
いつもとちがうので、断っておこうと。
よくたどり着きましたね。ここGoogle Mapにも載ってませんよ。
いや、載ってますか。それでもここを探す人はGoogle Mapで来れるでしょうけど、Google Mapで連雀亭を見つける人はいませんからね。
あと笹丸さんの本編ネタに、「々」という漢字は「のま」と読むし変換もできるという豆知識も入っていた。
NHK新人落語大賞の「鈴々舎美馬」を入力する際にふと思い出した。
昔は「ノマ」では変換されなかった覚えがあるが。
関係ないがパワハラ師匠は野間だ。関係なさすぎる。
そして笹丸さん、「希光アニさんが4分オーバーするもんだから、2分超えました」と本編中叫んでいた。
笹丸さんのネタも、NHK新人落語大賞向けかもしれない。
トリは喜太郎さん。
このあと昼席もありますのでよかったら。
それから夜席もあります。
なぜこんなことを申し上げるかと言いますと、今日はまともな古典落語が出ていません。
アタシも新作ですから、今日はもう江戸の風は吹きません。
古典落語を聴きにきたのに、こんなはずじゃなかったと思われるのもなんなので、ご案内しておきます。
夜席はスケジュールには入ってないが?
幻の会でもあったでしょうか。
8月9月と続けて、喜太郎さんがここで古典落語を掛けるのを聴いた。
「看板のピン」と「町内の若い衆」でそれぞれ結構なものだった。
だが、どちらの日も新作派が固まっていたから否応なしにそうなったみたい。
この日は先の二人は基本古典派で、堂々トリで新作出せるはずなのに、やっぱりこんなことになるのである。
織田裕二の話。
「踊る」のスピンオフが公開されるので、テレビでも踊るをジャンジャン流していて撮りだめてある。
新作落語家である喜太郎さん、ネタおろしの会もあるし、机に向かって書かなきゃいけない。そのためにはアメとムチが必要。
アメとして、書けたら織田裕二を観ていいということにする。
東京ラブストーリーもやっていた。同時代ではないから記憶はもともと薄いが、この織田裕二は喜太郎さんの知ってる織田裕二じゃない。
あんまりアツくない。室井さんも呼ばない。
全力で東京ラブストーリーの織田裕二のモノマネしてみせるが、女性客にはまったく響かないのだった。
あまり共感を得られていないマクラだが、スベリ気味なのもそれはそれで面白い。
ちょっと気になったが、喜太郎さん「鈴木保奈美」のホナミのアクセントが、「穂波さん」のホナミだ。
「小波」「子ヤギ」と同じアクセントだと思うんだけど。
本編、主人公はOL。
同僚とタバコ吸いながら彼氏の話をしている。マクラとも関連する、時代背景がうかがえるところである。
彼氏は学歴も東海大学で普通だし、年収も恐らく普通。突出したところがなくていまひとつ面白くない。
でも彼女としては、手放すには惜しいのでキープしている。
なによりも、彼氏の趣味が落語というのがいまひとつ。
落語なんてありえないという同僚は、なぜか東京の寄席の位置をよく把握している。浅草寺から演芸ホールのデートコースなんて!
そんな彼が、急に話したいことがあるから来てほしいという。
サプライズじゃないのと同僚。心の準備ができていないが駆け付ける彼女。
頭の中には広瀬香美のロマンスの神様が駆け巡る。
横浜だったらよかったのに、呼び出されたのは上野公園。嫌な予感。
彼氏は必死に語るのだが、話というのは入門するから別れてほしいということだった。
喜太郎さんの夫婦関係が垣間見える、楽しい新作。あんまり詳しく中身書けないけど。
自伝的落語なのかもしれない。それも、奥さんサイドから見た。
幸い、ハッピーエンド。
主人公のほうも、噺家の奥さんとして生きていく覚悟をするのである。
NHK準優勝の一花さんも、夫婦の生活が豊かな古典落語を作り上げている。喜太郎さんも同様である。
この日の3人の芸協の若手たち(年齢はさておき)、みな噺家として楽しそうだなと思う。
演者が楽しければ客は楽しい。
続いて都営新宿線に乗って、船堀に向かいます。