金曜日は珍しく、用事が先にあって外出。
現在やってる足立区や文京区の還元を利用しコーヒー豆を買いに行く。
朝東日本橋で仕事してて、そういえばと神田連雀亭の顔付け見たら、なかなかいい。ちょっと寄っていくことにする。
時そば | 兼太郎 |
浮世根問 | 鯉丸 |
首提灯 | 好志朗 |
テケツの好志朗さんは、極めて物腰低い、丁寧な人である。
私の感心する丁寧な人は、だいたい上手い。ただ、逆の関係性は別にない気がする。
つまり、上手くてぶっきらぼうな人もいる。
客6人。実力派のトリで天気もいいのだから、もうちょっと入ってもいいと思う。
好志朗さんは客に座る位置を頼み、客席の左右のバランスが取れるように調整していた。
前説は瀧川鯉丸さん。特に面白いことは言わない。
トップバッターは三遊亭兼太郎さん。
満員ですね。連雀亭ではこれを満員と言います。
前のほうが空いてますね。お客さんに訊いてみたら、お前のツバが飛ぶからだよって言われました。
我々の方ではこれをツバ被り席と呼んでおります。
若手の寄席ですけど、受付にいたその筋の人みたいなおじさんは50歳です。一応あたしが先輩ですけど。
私は35歳です。鯉丸さんは30代で、今日は平均年齢40でお届けします。
他にもいろいろ喋っていた。着物の着こなしがなってない女子大生オチケンとか。
兼太郎さん、軽薄さが増していてなんだかすごくイイ。
ちなみに軽いギャグのブッコミ方が師匠・兼好っぽい。
声も違うし、師匠に似てると思ったことはなかったが、そこはやはり師弟である。
油揚げがはいってきつねそば、犬が入ってわんこそば。
こんなネタ、どこから入ったっけか。
演者が浮ついたまま時そばへ。
1周目はギャグ入れず、おいしそうなそばの描写。
笑いはないが、マクラのケーハクさが残っていて、妙に楽しい。
そして、2周目案外ギャグ入れないんだなと。1周目を堂々乗り切ったんだから普通、これでもかと回収しそうじゃない?
実際世間で評判のいい時そばは得てしてそういうタイプ。
でも、どうやら目的が違うのだ。
兼太郎さんは、とにかく軽快に(軽薄ではなくて)駆け抜けることにしたらしい。
量はともかく、クスグリの質はいいのを選って入れる。
2件めのそば屋は、声を掛けるといったん目を合わせてからよけていく。
ちゃんとつかまえると、炭屋やら乾物屋やらいろいろ借金がたまっているそうだ。払わねえぞとそば屋宣言する。
借金まみれのくせにお得意は多いらしい。こういう矛盾は、堂々言い切っちゃえば勝ち。
フチが全部欠けた器を、「かけそばです」というのは誰のギャグだっけ?
軽やかで実に楽しい一席。
続いて瀧川鯉丸さん。2年ぶり。
過去にも何度か聴いている。悪い感想はまったく書いていないとおりマイナスは感じないのだが、好んで聴きに出掛けたいとまでは思わない、正直そんな感じだった。
今日も目当てにはしていないが、真打昇進前だから聴いておいてもいいだろうというぐらい。
でも大きく評価が上昇した。前座噺の浮世根問でそうなったとは面白いじゃないか。
私、来年の真打昇進が決まりまして(拍手)。
よくお客さんに訊かれます。大関昇進みたいに使者が来るんですかと。そんなのはありません。
理事会で決めていただいて、師匠から話が降りてくるんです。
私の場合、師匠からの連絡で知りました。
師匠は礼儀正しいケータイです。こう、折りたためるガラケーですね。
最近になってようやく、電話以外に文字が打てることを発見しまして、ショートメッセージで送られてきました。
「来春 真打決定 他言無用」
ぴったり10字です。なんでも電報と同じで10字超えると料金が高くなると思ってるんですね。
三場共通の前売りチケット売ってますので、よければぜひ。
3,500円が3,000円です。
私は2011年に楽屋入りしました。
その時とメクリ台の使い方が違っていることを、このたび浅草に入れていただいて発見しました。
芸術協会の場合、メクリ台が二つあるんですよ。
片方はその番組順にメクリが並べられています。もう一つは代演用です。
ところが最近は、その日のメクリを順に並べて作るんですね。
ただ昔と変わらないのは、千秋楽だけは、トリの師匠のメクリ1枚だけの台を出すんですね。
こうすると、トリの高座中にメクリを片付けられるので、早く上がれるわけです。
でも、これやめたらしいんです。千秋楽のトリの師匠のときにも、全員のメクリが出たままなんですね。
たぶん、上の師匠から苦情があったんでしょう。片付けたほうがいいのにと思ったんですけど、余計なこと言うとあとが怖いので黙ってました。
上の人が煙たいなんてこともありますとやや強引に本編に入っていった。
兄弟子で同時昇進の鯉津さんが春風亭鯉ずむになることを公表してるところを見ると、鯉丸さんは名前変えないようだ。
本編は明日に。
披露目行こうかなと思った。