六人廻し2(中・笑福亭希光「田楽喰い」たぶん雀々トリビュート)

ちなみに高座の横に大きなメクリ台が置かれ、しかしメクリはない。
登壇する際の希光さん、首を傾げてメクリ台をよける。
こんなん今までなかったんですけどね。別にメクリ持ってきてとも言われてないですし。
今初めて知りました。
会場の人と打ち合わせしたら、トークしますかって訊かれました。したことないですけど。
円楽党の人がやってるのかもしれませんね。

柳家小ゑん師によると「メクリ台」ではなく「見出し」と言うのが本当だそうだが、でも噺家さんみんなメクリ台って言う。
上方ではメクリを名ビラって言うね。
円楽党の二ツ目さんもひらい圓蔵亭使うが、その会には来たことはない。
顔付け見ると、好きな人とそうでない人のバランスがなあ。

鯉舟さんに言われました。(滑舌悪いモノマネで)アニさん、足が痛いんですよ。
痛風が出たそうで。
先に言われちゃったんで楽屋では黙ってたんですけど、ぼくも足が痛いんです。正座はできますけど。
夜寒いんですよ。自分の体温で薄っぺらい布団を温めてからでないと、眠れないんです。
湯たんぽ思い出したんですよ。ダイソーで買った900円の、プラッチックの湯たんぽですけど。
湯たんぽ入れたおかげで、すぐ眠れました。ただ、湯たんぽを1週半くるんでいたトオルがめくれ、足にくっついてしまったみたいですね。
安眠してるんで、そのまま起きないんですよ。朝になったら真っ赤で。
やけどに針刺して、水抜いたんですね。そんなん絶対したらいけないらしいんですけど。先に言ってよ。
抜いたところにバンドエイド貼っておいたんですけど、靴履いてたら皮が剥がれまして。その跡がむき出しになりました。
歩けるんですけど、軽く引きずるような感じです。
この話と関係なさそうな話をします。あとで繋がります。

鯉舟さんと初対面のとき、最初に師匠が誰かを訊くと、「リチョウです」。鯉朝師匠?「リチョウでなくてリチョウです」。鯉橋師匠?

昨日の渋谷の会では、師匠がたはざこば師匠の話をしてました。
ざこば師匠は、米朝師匠を実のお父さん以上に慕ってました。他の人に言われたら反発するのに、師匠に言われたら全部従うんだそうで。
ざこば師匠、体にいろいろ傷があるんですって(※ 虐待などではなく、皮膚病だったはず)。
夏の暑い自分に、師匠と涼んでたんだそうです。そうしたら腕をざこば師匠のまくった肩のあたりに、ケロイドみたいな傷があるのを米朝師匠が見つけまして。
「お前、その傷なんやねん」
ざこば師匠からすると、師匠には絶対逆らいたくないみたいで。なので必ずいったん受け入れるんですね。
「入れ墨してましてん」
「なんちゅうて彫っとったんや」
「米朝命、ですねん」
「ほたらなんで消したんや」
これは米朝が一枚上でしたね。

なんだか、鼻の奥がツンとした。
とにかくケロイドがつながる。

漫談の最中ふすまがそっと開いて、鯉舟さんが手を出してくる。
マクラが長すぎて様子を見にきたらしい。
すでに30分経過している。このまま下りても全然いいと思ったが、短いのやりますということ。

この会、トリネタ研鑽というタイトルがついていた。
前日の3人の会では、事前にインタビュー収録があってその動画で南光師、ざこばアニさんの得意だった噺(なんだったかな)をやりますと語っていたのに、仕上がらなかったらしい。
希光さんは、大ネタの文七元結をやりたいと思っていた。江戸の噺なので、文菊師あたりに行かないといけないかと思っていたところ、たまたま桂九雀師匠が持っていたので教わったとのこと。
それを出す用意もあったのかもしれないが、やらない。

田楽喰いだった。東京では、ん廻し。
これが雀々型であった。きゅうりんなすびん、パンプキンとか入るもの。
本編に入る前にちらっと「枝雀一門」というワードが出ていたのだが、雀々師の追悼ということか。
ただ、でんでんむしむしの歌を歌って「ん」が2個しかないとかそういうネタには入らずに、オリジナル展開に。

吉本新喜劇でもいいですかと言う男。この例に出したもの。
チャーリーはまん
井上たつおん
未知やすえん
花紀きょうん
山田はなこん
吉田ひろん
内場かつのりん
藤井たかしん
小藪かずとよん

東京の客には馴染みがなかろうと、ひとつひとつ持ちギャグの解説が入る。花紀京以外全部わかるけど。
亡くなった井上竜夫は、頭が白髪のくせにわざわざ白髪カツラを被っていた。
未知やすえは、啖呵切っておいて「あの人怖い」。
吉田ヒロのチチクリマンボまで詳しく解説しながら。

1席について、2日も掛けてしまいました。
希光さんは退場時に、エアめくりを返して去っていった。
この台は仲入り時に片付けられてました。

続きます。

投稿日:
カテゴリー: 落語会

作成者: でっち定吉

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