朝の更新サボり気味ですみませんが、それでもこのところ、毎日更新はしてます。
ネタは、ないことはないのですが。
鈴本の前座から陽性者(無症状)が3人出たそうで。鈴本は二之席を打ち切り、休業。先んじて決定されていた休業と併せ、3月の真打披露目まで休むそうで。
寄席からコロナが出たのは初めてのことと思う。
休養中の前座さんたち、数年後に使えるマクラをこの機会にぜひ生み出して欲しい。
少々不謹慎だが、極めて特異な経験をすることになるのだから。これをチャンスにできないようじゃ噺家じゃない。
芸協からは特にリリースなし。
鈴本と芸協は現在無関係なので、当然といえば当然なのだが、いつも素早い芸術協会にしては意外な気もする。
この残念なニュースだけでは1日のネタにはならない。
テレビの落語からひとつ。タモリ倶楽部の太神楽の会より先にやっていたので、本当はこちらを先に出さないといけない。
途中中止になった二之席の夜主任でもあった、喬太郎師の番組。
BSイレブンの新春特番。無観客落語。
かつて喬太郎師の冠番組を放映していたBSイレブン、つながりは保っておきたいらしく、昨年も無観客落語を流していた。
古典と新作、2日に分けての放映。
喬太郎師は、古典の日は「たいこ腹」。新作は「同棲したい」。
たいこ腹、喬太郎師のものはとても楽しいのだが、飼い猫のタマを若旦那の鍼で死なせてしまうのだけ、どうかと思っていた。
飼い猫に鍼を刺すシーンは、たいこ腹には入っている。だが、タマがバタっと倒れて若旦那が「見なかったことにしよーっと」というのは喬太郎師だけ。
ブラックなネタをすべて否定するわけではない。喬太郎師はそもそも、かなりダークな領域を堂々攻める人でもあるし。
とはいえ、落語によりけりだと思う。
2年前の正月に、NHKの東西笑いの殿堂で出したときも、やっぱりタマを死なせていて、女性客から悲鳴が上がっていた。また、新年早々に。
なまじ、ニャニャニャニャ言ってるタマがかわいいだけに引く。
プロの噺家を批判する以上、代案を考えた(再掲)。
<鍼を刺されたタマがいきなり「ニャッ!」と叫んで二本の足で立ち上がり、瞳に知性を宿して若旦那を一瞥し、立ち去っていく>
これが、一部反映されていてちょっとびっくりしたという話。
さすがに私の書いたとおりにはなっていない。だいたいSNS嫌いのキョンキョンが私のブログなんて読むはずないし。
実演ではこうなっていたのだ。
<頭に鍼を刺されてよろよろしたタマが、ピシャーンと元気になって去っていく>
やはり、喬太郎師にもタマが気になっていたらしい。
若旦那の素人鍼が利いたというのは、ギャグとしては十分機能するではないか。ただ、後から当てはめただけあって、ギャグになり切っていなかった気はする。
<あっ! 元気になっちゃったよ。俺の鍼すごいな>とでも加えておけば、劇的なシーンになったと思うけど。
あるいは単にテレビ向けに替えただけで、またタマを死なせるほうにするのだろうか。ブラックなネタは反作用が大きいからな。
新作の日では、彦いち師の「つばさ」が聴けてよかった。未聴だったので。
彦いち師ぐらいになると、無観客でもまったく動じない。
パラレルワールド落語。しかも、落語の業界ネタだ。彦いち師は百栄師と並び、業界ネタの落語を次々生み出している。
「舞番号」なんて落語もそうだった。
普通はまず、SFの設定に驚くところなのだが、私はそれより先に、噺家ものであることに惹かれるのだ。
噺家ものは、プロの噺家しか作ることを許されないもの。まあ、私は勝手に書いてるけど。
翼を持った噺家の所作が実に綺麗なので驚く。作中登場人物でもある林家彦いち師は、「新作派だが古典も好き」だと語るのだが、もちろん古典の実力も兼ね備えていてこそ。
この噺にもう少し触れたいのだが、いずれ独立した記事を書きそうな予感があるので今日は控えめに。
喬太郎師が彦いち師の高座のあと、その知性を激賞していた。知性派であり、武闘派。
前座のとき、師匠(当時・木久蔵)に「稽古行ってきます」と言って出かける。師匠は落語の出稽古だと思っていたが、実は空手の稽古だったという。
白鳥師は「座席なき戦い」を出していたが、私のブログへの流入、あったかな。多少はあったかもしれない。