三遊亭王楽が七代目圓楽襲名

寄席の続きものを中断しまして。
そして大ニュースのときは、日付変わった午前0時に出してしまうのだ。
すでに24日の当ブログは夕方から、アクセス増えるいっぽう。

三遊亭王楽が七代目円楽襲名 父は好楽 五代目円楽さん最後の弟子、先代三回忌の30日会見(日刊スポーツ)

王楽師が七代目。
いいですよ。全然いい。喜んでいると言っていい。
スター噺家のひとりだと思うし。
そもそも私は六代目逝去後、理屈を総動員し、王楽師が次の圓楽といったん断定しているのである。
当ブログで最もアクセスが多い記事。

七代目三遊亭圓楽は王楽に違いない!そして圓生は・・・

世間はそんなに次の圓楽を気にしているのだろうか? よくわからない。

予想が当たって嬉しいのかというと、なんだかなと。
なんだったんだ、好楽師の「楽生に継げ」というのは。
普通に考えれば、楽生師が名前の重さにおののいて辞退したのだと思う。なにしろ所属団体(五代目圓楽一門会)の名なのだから。
しかし見方を変えれば、嚙ませ犬にも見えてちょっと気の毒であったりして。
「紀州」作戦? 「余は徳薄うにしてその任にあらず」を、本人に言わせておいて、じゃあわかったと王楽に振るという。
「余は徳薄うにしてその任にあらず。といえども」

うーん。ここまで読み切っていれば、予想を誇れたのだがなあ。
根が単純だから、好楽師を信じちゃった。

まあ、絡め手から持っていったのだとして、好楽師の気持ちもわかる。
最初から「せがれを次の圓楽にします」はさすがにちょっとないところだろう。
楽生師も、先日勉強会で聴いた「阿武松」がスケールアップしていて、襲名に向けて気を吐いてるのだなと勝手に思ってたけど。

先の記事では、「私も王楽師、大好きというほど好きではない」と書いた。
でもその後年末に聴いた、「不孝者」はよかったなあ。
それ一発で、大好きのほうまで行った。
実力についてはなんの心配もしておりません。

亀戸梅屋敷寄席33(中・三遊亭王楽「不孝者」)

たぶん、芸協さんで披露目をやってもらうことになるのだろう。
王楽師は円楽党交互でたびたび末広亭に上がっているわけで、この点スムーズ。
でも、それなら30日に開かれる襲名会見には昇太会長が出るべきと思う。でも、好楽師と木久扇師が出るそうで。
ひょっとしたら、落語協会で披露目をするサイン?
絶対ないとはいえないのである。六代目は当時の馬風会長に、披露目をやらせてくれと頭下げに行ったんだから。
馬風師は二つ返事で請け負ったが、その後理事会でひっくり返されたという。
当時とは環境も著しく変わってるから、ひょっとすると。好楽師だって柳朝追悼の芝居に出たのだ。
まあただ、さん喬新会長は円楽党とはまるで接点ないと思うが。
正蔵副会長は好楽師と因縁があるから絶対ダメかと思うとそうでもなくて、王楽師は根岸に結構出入りしているので、目を掛けられている。
あとは、フィクサー小朝師がどこまで暗躍するかだ。

両協会でやればいいのにね。
鈴本だけは現状ないところだが、「末広亭の芸協」「浅草の落協」「池袋の落協」「広小路亭の芸協」みたいな感じで。
協会を統一したかった六代目の意志をなんとなく利用して、どうですか。
もちろん両国と亀戸でもやる。

ところで王楽師は、二人の息子に英才教育を施しているという。
寝る前に生落語を聴かせてやるのだ。そんな人はなかなかいない。
やがて三世落語家が登場する。そうなると「圓楽世襲問題」が出たりして。
二人とも噺家になったら、ひとりは好楽か。

圓楽が片付いたら、次は圓生。
まあ、圓生の名については円楽党内において、この人が継ぐべきという「筋」は存在しない。
だからまあ、評価のもっとも高い兼好師でいいのだと思うけども。
息子の次は弟子である。
このたびの圓楽襲名披露で実行されたことは、圓生襲名でも確実に踏襲されるだろう。
だから両協会の披露目なんて、今回実現してほしいと思っている。

(追記)

当ブログの最もアクセス多い記事のリンクが間違ってました。
間違ったほう(楽生師が襲名するという)からも行けるので、お詫びするほどでもないですが訂正します。

 

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. おじゃましまーす!
    王楽師の息子2人の名付け親は小朝師であるという関係性も踏まえ、さらにたい平師とも仲がいいし根岸との関係良好、落語界に敵がいない人徳も踏まえて、円楽一門会、落語協会、落語芸術協会合同の披露目になるんじゃないかなぁ。
    んで披露目の下では七代目圓生襲名の根回しも?

    1. いらっしゃいませ。
      なるほど、「合同」もありかもしれないですね。
      一緒になる気なんか最初からない両協会が、「統一協会」のお題目だけ利用して世間を盛り上げる、というのを期待しております。
      圓生もそうですね、落語協会の顔だけ立てておいて。
      別にもう、意を唱える人もいないでしょうけど。

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