【過去に確執も手打ちか】三遊亭王楽「七代目円楽襲名披露興行」に父・好楽の“因縁の相手”林家正蔵が出演で落語界も騒然(NEWSポストセブン)
落語百科事典は復活2度目にして早くもアクセス減。
いずれ増えると思うけど、今日は埋め合わせで午前0時に出しちゃおう。
圓楽襲名披露に林家正蔵師が呼ばれていて落語界騒然とある。
実際には特に騒然とはしてないと思うし、正蔵師呼ぶのも別段難しい話ではないと思う。
「和解」も少々大げさだ。
好楽・正蔵二人会が開かれればそりゃちょっと驚くけど。でも、これだって絶対ありえない話というわけではない。
まあ今回は小朝師が仕掛けていて、仕掛ける側は話題になることを十分意識してる、そんな気はするけど。
そもそも王楽師、昔から根岸の海老名家には頻繁に出入りしている。
笑点特大号でセッティングした海老名家忘年会にも呼ばれていて、カメラに向かって「いつぞやは親父が」なんて詫びていた。
ご本人のマクラからも根岸のエピソードを聴くところ。
噺も教わっている。
むしろ、披露目に正蔵師を呼ばないほうがおかしいような関係性だ。
正蔵・圓楽二人会だったら、たぶんいずれある。そんなに驚く企画でもない。
好の助師の真打昇進時の九蔵襲名問題は確かにあったし、それで対立したのも事実。
好楽師はあの事件について、世間が味方についてくれたことをアピールしていた。
当時の落語協会会長、柳亭市馬師からも詫びがあったと。
しかし懐の深い好楽師、九蔵問題以外には、海老名に対し特に恨みつらみはないと思う。
圓楽を名乗るにあたって、海老名も落語協会もなんら関係はない。
あれはあれ、これはこれ。それだけの噺ではある。
三平師が笑点辞めたときも、好楽師だけは優しい言葉を掛けていた。
兄弟、一家に対する怒りなどもともと持っていない。怒りを持っていたとしたら先代円楽のほう。
好の助師については、師匠が配慮して好楽継がせてもらえるんじゃないですか。
二ツ目の三遊亭好二郎さんも、まだ海老名好楽関係が消火しきれていなかった二ツ目昇進時の披露目で、「大師の杵」を掛けていた。
あれだって林家の人につけてもらったのだろう。
落語の団体が分かれているのは不自然で、当然一緒になるべきなのにならないのは、対立があるから。世間はそう勝手に考えがち。
そして、先代円楽のビジョンのない協会統一構想に勝手に感心したりなんかして。
落語協会と芸術協会という、ほぼ対立したことのない両協会の噺家の仲がいいだけで、勝手に驚いたりして。
実際のところ噺家は、誰に噺を教わっても構わない。違う協会、団体の人に教わるのもごく普通。
好楽師が柳朝追悼で落語協会の芝居に呼ばれたときもわりと話題になった。
話題になるのは小朝師のもくろみ通りで結構だが、あれだってあり得ない話なんてレベルではなくて。
ちなみにこの芝居、好楽師のあとの出番が、木久扇・正蔵の交互出演だった。
だから10日のうち半分は、楽屋で好楽師は正蔵師と話していたわけだ。
お互い無視してたとはまるで思わない。
今日の記事は字数が少ないので、あまり関係ないことも書く。
圓楽襲名の記者会見に木久扇師が出てきたのは、別に落語協会で何かするとかではなく、単に好楽師と兄弟弟子で仲良しだからだっただけみたい。
木久扇師からすると昔から知ってる坊っちゃんが襲名してただ嬉しかったようす。
なのに好楽嫌いの堀井憲一郎氏はかつて、なぜかこの兄弟弟子に接点はあまりないだろう、付き合いを聞いたことないなんて書いていた。
ホリイのコラム、私は結論を出すその作法まで含めて尊敬している。参考にもしている。
でも、結論の出し方が時として乱暴すぎるので、客観的事実で誤ってしまうのはいただけない。主観は別にいいけど。
昇太がつまらない好楽に当てない、なんてのもそう。
記事の結びは「おあとがよろしいようで、となるのだろうか」とある。
「おあとがよろしいようで」の使い方としてはおかしいが、でもわりと上手い〆だとは思った。文句言う人もいそうだが。