浅草演芸ホール7 その6(桂竹千代「天災」)

東京ボーイズの登場ソング、「さ~よお~な~ら~」と歌ってしまうのはもうやめたのか。
「ほ~がら~か~に~」に戻っていた。
結成51年。
「3歳からやってたんですね」
「そんなわけないだろ」

今回は時間も短く、なぞかけ問答のみ。
われわれは、ねづっちよりずっと前からやってました。
客から歌手のお題をもらってなぞかけ問答に挑むが、「八代亜紀さん。今日はお休み」。
最終的にはぜんぶ歌う。
そして最近の歌手の名前を次々出し「知ってる人?」。
しかし最近の落語の年配客は、Mrs.Green Appleでも緑黄色野菜でもなんでも来いなので少々やりにくかったりして。
最後は六郎先生に無理になぞかけ問答を振る。

ところで、なぞかけ問答の際に、手拍子を入れる客がいたのだ。
できたくんに叱られた客がいたのを忘れたのか。後から入ってきたのか。
できたくんだって、「寄席の作法」を振りかざしたわけじゃなくて、自分がいやだからやめて欲しいということだけど。
なぞかけ問答に拍手が入ったなんてしばらく見たことがない。昔はあったかな?
ともかく不自然なので、ひとりで盛り上げようと企図しても、誰もついてこない。
なのになかなかやめない。ようやく3曲目ぐらいでやめた。
こういう自意識過剰な客、たまにいるよな。まわりがついてくるまで自我を押し通そうとする。
別にいいのだ、勘違いで始めてしまうぐらいは。
ただ、まわりがついてこないということは結局なにか間違った行為なんだから、すぐやめてほしいのだ。
でも、ついてこないまわりがおかしいと思うのだろうな。

客の自己顕示欲が高座を破壊する

米助師の漫談も、最後の長嶋茂雄ネタ以外忘れてしまった。
前半は旅の話だったか?
長嶋茂雄は卒業試験で、上から配慮されて優しい問題を出してもらう。
「私は東京に住んでいます」を過去形にしなさい。
「拙者は江戸に住んでござる」。

高座ではないがヨネスケ師、口上で新真打の名前が思い出せなくて、高座の最上手に並べてある木札を覗きに行ってたっけ。

ヒザ前は五郎師の師匠、雷門助六師。先代の五郎。
この緩い緩いベテラン師匠、たまらないね。すごく芸術協会っぽいのに、落語協会で長年やってる雰囲気(やってない)も同時にある。
毎年落語協会の芝居(住吉踊り)に参加しているためではないかなと。今年はこの企画もの、いい加減来たいなあと。
企画ものも、にゅうおいらんずとか、艶笑落語とか鹿芝居、いろいろあるもので。

この師匠もおおむね漫談だが、もう私の記憶容量を超えてしまったようだ。
でも楽しい。
漫談のついでに「顔寸」という小噺を披露。
八っつぁん(たぶん)が先生に、うんちくを聴きにくる。先生は教えてやって、八っつぁんよそでやって失敗する。
という、典型的な設定(オウム返しの失敗)。
人間の背丈と、手を横に開いたときの幅は一緒。それから、顔の形にかかわらず、顔の横幅、縦幅を指でもって採寸したときの長さは一緒。
しかしあたしだけは長さが違う。先生、縦の寸法を測る際に口を大きく広げる。
大喜びしてよそでやってみる八っつぁん、縦の寸法を測る際、下から始めておでこに差し掛かってから口を開けてしまう。
それから例によって踊り。

これはぜひ、雷門助六一門会を聴きたいなと思った。
五郎師によると、師匠も二人の弟子も、ぜひやりましょうって言わない人たちなんだって。広小路亭が企画してくれてやっとやるんだそうで。

ボンボンブラザースの繫次郎先生は、この芝居の最長老。東京ボーイズの六郎先生より上である。
時間も押してるので、最前列の客を指名して帽子投げ。

さて口上の後も、これらの高座中ずっと、竹千代師の娘さんふたりの声が高座に響いていたのだった。
娘だとしても、ちょっとうるさいなという感想。
なのだが、数日経って振り返ってみると、この悪い印象は綺麗に抜けている。すでに漫談の内容を思い出せないとおり、記憶自体が途切れているのもあるのだけど。
なにが言いたいのかというと、高座に異物が紛れ込んで、それを悪い記憶として持って帰るかどうかは最終的には聴き手次第だということである。
とはいえ私もかつて兼好師の高座中、後ろを眺めまわす客のおかげで不快極まりなく、高座の楽しい記憶を自分で潰してしまったことがある。
それでも最終的には、自分で何とかするしかないよなと思うのだ。

さてトリの竹千代師は天災。大家のところに来てれえん状書いてくれ。あのばばあの分もだ。
紅羅坊奈丸先生のところへ行け。

非常に楽しかったが、極めてスタンダード。
乱暴者の噺は向いている。八っつぁんは迷いなく乱暴なキャラ。
母親を蹴っ飛ばしてもなぜか許される。
途中で脱線し、「さっきから二階で子供がわめいてるが、うちの娘なんだよな。口上ではパパ、パパ言いやがって」。

サゲは「先妻の間違い」の後さらに続いていた記憶が。

今回は本当、記憶が薄いなあ。
漫談と口上忘れるのは別に仕方ない。脈絡ないから。
だが、デキのいいトリの一席の記憶がふわふわしている。
ともかく新真打、おめでとうございます。

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