池袋演芸場39 その1(昔昔亭昇「饅頭こわい」)

芸協の真打披露も3場目。
昔昔亭喜太郎師から直接買った前売券を使います。
芸協の場合、「前売り買って、行かない」と、この分が芸人の収入になる。つまりご祝儀。
でも行く。

前売り券持ってると、先に入れてくれる。開場前に並んだ人の大部分は持ってた。
一番よく来る池袋だが、披露目に来ることはほぼない。
橘家文蔵襲名披露以来である。

雑俳 あま夏
饅頭こわい
ねづっち
疝気の虫 柳雀
俳優 羽光
コント山口君と竹田君
宴会の花道 昇太
長命 小遊三
(仲入り)
真打昇進披露口上 喜太郎・昇吾・小遊三・昇太・慎太郎
鈴ヶ森 昇吾
長嶋一茂 慎太郎
正二郎
皿屋敷 喜太郎

 

前座は桂あま夏さん。初めて。
「前座の上がり」でない曲で上がる。たまに聴く出囃子。

「あま夏という字だけ見ると女の子が出てくるのかと思うかもしれませんが、これでご勘弁を」
隠居と八っつぁんのくだりを長くやるが、ダレないから立派。
「まあまあお上がり」のあとの処理とか、引っ掛からないで聴ける。上手い人。

披露目だから一目上がりかなと思ったが、運座が出てきて雑俳。
別にめでたくはない。
軽快に進んでいい感じ。
楽しみな人。

二ツ目は主任・喜太郎師の弟弟子、昔昔亭昇さん。
メクリを指して、「なんか(座布団に)近いですね。近いですよね? 緊張してるのかな」。
確かに近いなと思うが、先月の落語協会の芝居でもこんな距離だった。
なんだか位置が変更になったのだろうか。

昇さんは、三遊亭こと馬さんともども番頭を務めているらしい。
まだ喜太郎師匠、って呼ぶのに慣れません。
喜太郎アニ、師匠みたいな感じです。
兄弟子は優しいですよ。ぼくらみたいな下っ端にもさん付け、敬語で声掛けてくださったりしましてね。
でも、下の者からすると、もう少し命令してほしいななんて思うんですね。ちょっとさみしいです。
それでも、新宿浅草と先月20日間披露目やりまして、結構あれやって、って命じてくれるようになったんです。距離が縮まったなと。
20日間終わったあとで、番頭二人と一緒に打ち上げ行ったりしましてね。
で、2週間置いてこの芝居ですよ。今日久々に会ったらまた戻ってました。

昇さんは、饅頭こわい。
酒なしで、アニキの誕生日を祝ってくれと言って、おいなりさんなど用意してくれている。
実にスピード感満載で、いい感じ。悪態含みの会話もなんだか洗練されて聴こえる。
昇さんはひと頃「やかんなめ」ばかりやってたイメージがある。それはそれでいいけれど。
この一席は、噺家の進化の方向性として、ドンピシャリではないかと。
あたしゃ橘家圓蔵の再来かと思ったもの。本当だ。
別に昇さんが圓蔵のマネをしてるなんてのではなくて、一つの喋りの体系を作り上げているということ。

これはすごいなあ。
過去出場はしてたが、NHK新人落語大賞なんてすぐ獲っちゃうんじゃないかと本気で思った。
悪役の鉄さん、会話が軽いからそんなにイヤな奴ではない。役割としてイヤな役というだけ。
役割は完璧に果たしているのに楽しいキャラ。
死んじゃってもいいとか言ってる割に、仲間も別に本気でもない。
昇さんは、古典落語から自然に湧き出して来かねない、人間の生々しい感情を、綺麗にカットしている。
こういうことができる人は強いなあ。

スピード保ったまま、サゲまで一直線。
ストーリー自体はいじっていないところが、またすごい。いじってないのに画期的。
高張饅頭投げつけられて、顔面で受けてから「3年ぶりに怖いよ」って言うぐらい。

ずいずいずっころばしの出囃子で、ねづっち。
今日も絶好調。
サッカーとか最新ニュースもすぐ取り込んじゃう。もっとも、ねづっちでなくて小遊三師匠がボビー・オロゴン入れてたけど。
ねづっちは、メタ的なネタ(なぞかけを作っている自分がネタになる)が上手くて、いつも勉強になるなと(なんの?)思っている。
相撲の砂かぶりで見ていて、それがヤフーニュースになり、ヤフコメになるさまを楽しいネタとして語る。
気軽な世間の悪口をネタに昇華させ、最終的に高座のネタを作り上げるドキュメンタリーでもある。
相撲は永谷さんから招待してもらうのでしょうか?

旭市(新真打、桂竹千代師の故郷)から呼ばれた話が面白かった。
うざいおじさんが、自分をネタになぞかけ作ってくれと言う。
その場でウケて、そして池袋でまたウケる。
さらに喫煙所で、目の前にいるのがねづっちだと知らないお父さんとの会話。
ねづっちってまだ芸人やってるんだという無責任なお父さんに、ねづっちという人はすごいんですよ、鉄板の漫談で楽しませてくれるんですよと熱く語る本人。

そして、最後の即興なぞかけ以外にも、過去の時系列における即興なぞかけが多数登場。これがスリリング。

リクエストは、「喜太郎師匠と昇番頭」「小遊三師匠の袋とじ」「柳昇師匠」。

スタート時から盛り上がりっぱなしの池袋であります。
ちなみに今日の記事、スマホのフリック入力だけで、40分だけで書いちゃった。
どうだ、速いだろう!

続きます。

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