スクエア荏原あじさい寄席2(上・春風亭昇ちく「弥次郎」)

火~木あたり、どこに行こうか結構悩んだ。前日に予約取ろうかと思って結局取らず、当日料金は高いからやめるなんてこともあったりして。
結局東京かわら版を見比べて、金曜日の夜に。
武蔵小山、戸越銀座両駅に近いスクエア荏原の「あじさい寄席」。4年ぶりに参戦する。
今回は、西から桂吉弥師が登場。東からは柳家花緑師。
それに二ツ目は、秋に抜擢真打が決まっている春風亭一花さん。
吉弥師の高座は初めて。

弥次郎 昇ちく
味噌豆 一花
青菜 吉弥
(仲入り)
味千代
笠碁 花緑

 

前座は春風亭昇ちくさん。この人は初めて。
「芸協なんだ」と思った。
もっとも、吉弥師も「芸術協会さんに呼んでいただいた」と語っていた通り、番組づくりは芸協なのだ。チラシにもそう書いてある。
だからこそ、芸協の前座なのだろう。

「開口一番は春風亭昇太の十番弟子、春風亭昇ちくです」

と歌うように挨拶。
早くも、並の前座ではない感が漂う。
まあ、落語協会にはいないタイプ。いたとしても枝平くらい。

「ひっくり返すとちくしょうになりますので、どうか昇ちくと覚えてください」

語りのメリハリが、非常に師匠・昇太に似ている。こんな弟子、過去ひとりもいなかった。
しまいの弟子に、師匠を意図的にマネているらしい人が出るとは。
といっても、師匠のマネは難しそう。呼吸が合う人でないとマネにもならないわけで。

「携帯を切ってください」をしばらく語る。
切ってくださいといっても、今スマホ取り出して確認するなんてしづらいですよね。
だからこうしましょう。ぼくの時間はスマホいじりまわして結構です。メールチェックでもしてください。
開演前、スタッフの人がボードを持って回っていたが、それでもなお。

どこかの席で、黄色いハッピを来たスタッフが、徹底的に「携帯を切りましょう」をアドバイスしてくれた。
しかし、開口一番を務めたとたん、携帯が鳴る。
そのおじさんでした。謝ってました。

昇ちくさんは弥次郎。
聴いたことのないタイプ。こんなの。

  • 隠居が、「あたしゃお前さん嫌いなんだよ。嘘ばっかりつくから」と嫌がっている
  • でも勝手に上がる
  • 北海道はなんでも凍る。水が凍って融けると水になる。お湯が凍って融けるとお湯になる
  • おはよう玉とか、便所のかなづちとか、火が凍るとかはなし(!)
  • 山賊に遭って、恐山まで逃げる
  • 猪のキンはつかんでない
  • 猪の腹を切り裂いたら子供が出てきた。何匹いたと思いますか。シシ16かとおもったら、シゴ(死後)20

「お前さん、早く嘘をついておくれ」という冒頭の弥次郎もあるのに、真逆。でも基本は同じ話。
山賊を恐れて海を渡るというのは、聴いたことあったような気もする。もちろん、隠居に突っ込まれてる。
猪は、キンつかんでないから母親でいいわけだ。
昇ちくさん、期待大です。

続いて春風亭一花さん。
抜擢真打昇進の話は一切しない。してもいいと思うのだけど。
女性の落語家も増えました。女性の落語聴いたことない方はいますか?(そこそこ上がる)。
私の高座、初めてというかたはどのぐらいいますか? 拍手でお願いします。あ、結構そうですね。

一花さんも携帯の話をしていた。私は二ツ目なので鳴らしてもまだいいですけど、ここから先は真打ですから。
もし鳴ると、昇ちくがいじめられますから。
おかげで鳴らなかったようだ。

私は学校で一番できた人と一緒に卒業して大学に行きました。
大学は立教です。あ、これから話したほうがよかったですか?
大学ではミス立教になりました。その人の友達の友達の友達です。
ダメですよ信用しちゃ。適当なことばっかりしか言わないんですから。

落語界はカースト制度が敷かれています。
見習い、前座、二ツ目、真打、ご臨終…冗談ですよ。
上の人に定年退職がないんです。笑点の歌丸師匠なんて、鼻から管入れて高座に上がってました。

私は入門前にアルバイトをしていました。クレープ屋です。
これ(扇子を見立てて、くるくる回る)がやりたくて入ったんです。
クレープ屋にも階級があるんです。
これが落語界とそっくりで。
最初はまず、裏で生地を作ります。機械に材料を入れて混ぜるわけです。
ちょっと出世すると、前座です。お客さんの前で、クレープを作るわけです。じっと見つめられたりしまして。

この後二ツ目、真打と続くが正直よくわからない話であった。
語り口は面白いんだけども。
あと、先輩のパートおばさんにそそのかれて賞味期限切れ間近の生地で勝手にゴージャスなクレープを作る話。

それから、お客さまのレベル(しばらく聴いてないなんて人もいるでしょうから、と)を知るために、ドライブ猿小噺。
ウケてた。

今ようやく気づいたが、クレープからの「食欲」がつながっていたのだな。
落語というものはオチが重要ですと振って、味噌豆。
軽いなあ!

まあ、軽いマクラと軽い本編で15分なんとなく盛り上げてしまうのだから、やっぱりすごいなと思う。

続きます。

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