二席行った日曜日、交互に書いていたが今日がようやく最終回です。
原稿がダブついてきたので、市馬師の会の最後と一緒にまとめて出してしまいます。
充実していた証拠に、ワンコイン寄席で「その4」まで続けることは、まず例がないのである。だいたい「上下」2回で終わる。
やはり集団としての芸術協会は本当に面白い。落語協会員だと、別に団結しない。
内容豊富な今回、記憶散逸との闘いでもあった。
晴太さんは生真面目さが高座に現れてるが、その割に緩いところもあり、生真面目がフッとほどけた瞬間は実に楽しい。
今年湯屋番を聴いて、「晴太がバケた」と書いた。
晴太さん、マクラの最後に。
あの、どうしても言っておきたいことがありましてね。あまりにも衝撃だったので。
今日朝ここにいたら、三遊亭遊かりねえさんがいらしたんですね。あれ、どうしたのかなと。
ごめんごめん、私忘れものしちゃって。
それはいいんですけど、遊かりねえさん、服に大きなスズメバチ付けてまして。
なんとかみんなで処理したらしい。
どういうこと? 確かにこれは、どうしても言っておきたいことであろう。
マクラをちょっと長くとってしまった。
だが、短縮バージョンで一席お届けしますと断って、大工調べ。
本当に短く、エッセンスを拠った大工調べ。すごい。もしかしてNHKに出すことでも狙ってるのだろうか?
頑張れば12分になるかもしれない。
こんなのだ。
- 与太郎が、親方の出した1両2分も取られ、道具箱もなく帰ってきた場面から
- すぐに大家に掛け合いに。この先の部分はほぼ省略していない。与太郎もちゃんと後ろから入ってくる
- 啖呵はフルバージョンでしっかり
- 細く短く命をつなぎ、はない
- 婆さんは、すでにいなかった
- 与太郎の啖呵もどきを大部分カットしてサゲ
つい最近、柳家あお馬さんの素晴らしい啖呵を聴いたばかり。
だいぶ雰囲気は違うが、晴太さんの啖呵も悪くない。
晴太さんはお行儀のいい人だから、本質的にべらんめえが似合うわけでもない。でも、しっかり感情を乗せて語る。
あお馬さんもそうだったが、セリフを丸ごと覚えて語る感じではない。多少間が空くのだが、本来は棟梁が考えながら喋っているセリフなので、多少の間は不自然ではないのだ。
あお馬さんのものも前半結構カットしていた。場面としてはカットがなかったが、道具箱の謎は最初からなかった。
晴太さんは、シーンごとカット。
3幕の芝居を、2幕カットしたようなものだ。
棟梁が簡潔に、与太郎と大家のシーンでなにがあったのかを語ってくれる。
さすがに、棟梁が怒りの啖呵をぶつけるまでは、そうそう省略できない。
下手に出ている棟梁が「あっしが頭を下げても」と怒るまでにはそれ相応の準備が必要。
棟梁を持ち上げていた大家が「雪隠大工」を言うまでにも、それ相応が必要。
雪隠大工から棟梁が啖呵に入るまでも同様。
そういえば、「大きいのは地声だ。ますますせり上がる!」というセリフが、大家にも棟梁にも入っていた。
最近あんまり聴かない気がするけども、好きなクスグリ。
「この人殺し!」のあと、手を叩く準備をしていた客もいると思うのだが、晴太さんはそのままセリフを続けてしまう。
この人も中手嫌いなのかな? 実に巧妙に叩かせない。
やり方としては、柳家に多い。
与太郎の啖呵もどきは、本当に毒づき始めたところでおしまい。
大工調べというのは、なんとなく秋が似合う気がしますね。
この後、蕨に市馬師の会を聴きにいったしだい。
最後の今回だけ、ちょっと字数が少なく終わってしまいます。
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