ぺたりこん祭り

2016年から書いている当ブログ、おかげさまで、年々アクセスが増えています。
アクセス数が徐々に上がってくるのは嬉しいが、急激に上昇するとびっくりする。
1月2日の夜、それまで普通だったアクセスが夜、いきなり100の単位で増えだした。

焦りますよね。

柳家喬太郎師が、日本の話芸で「ハンバーグができるまで」を掛けたときにもアクセスが一気に増えたが、その比ではない。
結局この日は360アクセス。自己新記録で、普段の3倍。
翌日11時頃、ようやくアクセス解析で、急増の原因を究明した。
放送によるものかなと思ったらそのとおりで、NHKの落語ディーパーで三遊亭円丈師の「ぺたりこん」が取り上げられていたのだ。
落語の番組は基本的には録画しておくのだが、この番組はたまたましていなかった。

ぺたりこん祭りは1週間は続きました。
12日には再放送があった。私もようやくこの際、録画して視た。
再放送のこの日は、さらにブログのアクセスが増えて498。 アクセス急増にはちゃんと背景がある。
もともと、「ぺたりこん」の検索で、当ブログが首位に表示される状況にあったので、こうなったのである。
すべて、皆様がたの日ごろのご愛顧のおかげなのです。
どうせなら、番組で三遊亭白鳥師や、柳家小ゑん師も取り上げられたらもっとアクセス増えたのに。
逆に、昇太師の鉄板ネタ「ストレスの海」については、記事書いておけばよかったなと思っている。

三遊亭円丈師に関する一連の記事は、随分前に書いたが、自分でも大変気に入っている。そこに一瞬でも陽が当たったのはとても嬉しいこと。
「ぺたりこん」以外についてもいろいろ書いているのでどうせなら読んでいただきたいところだが、それはなかった。「遥かなるたぬきうどん」とか「藪椿の陰で」とか。
だから、PVのほうはそんなに跳ね上がってなかった。先日、三遊亭小圓朝師が亡くなったときのほうがPVは多い。
最近、古い続きものについては、冒頭記事と前回・次回へのリンクを張るようにしているのだけど、すべてに張るのも面倒ではある。
まあ、こんなブログがあるんだということを、頭の隅に置いていただければ幸いです。

(※ Yahoo!ブログ時代の古いブログのため、円丈師の記事も当記事も、数日分まとめています)

ちなみに、日ごろは当ブログ、40代が主たる客層である。
シニアの方が書いてるブログとは感覚が違うなと、自分でも思う。
ところが、アクセスが増えると50代、60代が中心になるのだ。なんだか世間一般の流れと逆ですな。
ぺたりこんにも、シニア層が多く注目してくださったようである。
新作落語は、ちょっとしたムーブメントなどではなく寄席に完全に定着している。特に池袋演芸場では、いい新作落語が聴ける。
新作の掛かる寄席は、シニア層で一杯だ。古典・新作の峻別なく、「落語」が好きで仕方ない人が集っている。
だが、これもすべて三遊亭円丈師の存在があってこそだ。

***

落語ディーパー、ぺたりこん以外についても新作落語が多数取り上げられ、非常に面白い番組だった。

一之輔師がゲスト昇太師に、師匠の噺にはブラックなネタが多いですねと。そういえばそうだ。
ストレスの海も愛犬チャッピーも、死者が出て終わる。
正月の放送の喬太郎師のブラックなネタについて、その失敗を先日取り上げたところである。
だが、ブラックでもいいんだなと改めて気づいた。サゲでガーンとウケてしまえば、死者が出ても全然いいのだ。笑いのほうがずっと強いから。

その喬太郎師についても昇太師がコメントして、喬太郎さんは芝居を落語に持ち込んでいるので、芝居関係者にファンが多いと。
そうですね。喬太郎師は、マクラの段階から芝居をしている人だと思う。
ところでこうした、昇太、喬太郎という異なるユニークな個性も、すべて円丈師に遡るのだから、円丈師の偉大さがますますよくわかるではないか。
もちろん、昇太師の師匠、春風亭柳昇も忘れてはならない。

一之輔師続けて、昇太師のネタは誰にでもわかりやすいが、かといって単純ではないとも。
そうだ、わかりやすくて単純という新作落語もある。それでは物足りない。

チャッピーは他の噺家もやるが、花緑だと品のいい犬になり、談春だと野良犬になるというのも笑う。

あと、昔昔亭桃太郎師について。柳昇の弟子で、昇太師の兄弟子だが、そうは紹介していなかったな。
痛風で寝込んだ一之輔師が、寝ながら桃ちゃんを聴いて安心したというのは実にいいエピソードである。
桃太郎師を検索してのブログ来訪は、多少あったみたい。2ページ目には出るので。
一之輔師は、フラの塊である桃太郎師のことを、自分と全然違うところにいる師匠というが、実際にはまったく違う世界にはなくて、ちゃんと共通点がある。高座で見せるすべてが冗談であるということ。

それから、座布団に着物というスタイルと新作落語との相性について。
むしろ新作落語にとってもこのほうがいいのだと、昇太師と立川吉笑さんが力説していた。
まあそうですな。着物も正座も便利な記号の一部なのだ。
いろいろ試してみて言う人のコメントは説得力がある。
それどころか昇太師、正座という習慣から落語が生まれてきたのだと。これは斬新な解釈。
昇太師が終盤に、古典落語の楽しさをいちばん知っているのは我々新作落語家だと。 落語をよく聴いている人にとっては意外でもなんでもないが、TV視てびっくりした人も多かったのではないでしょうか。 放送でカットされた部分も、さぞ含蓄に溢れている内容だったものと思われる。

作成者: でっち定吉

落語好きのライターです。 ご連絡の際は、ツイッターからメッセージをお願いいたします。 https://twitter.com/detchi_sada 落語関係の仕事もお受けします。