成金メンバーで好きな噺家が減った

極めて個人的な話ですよ、あくまでも。

関係ないが、奈良県の竜田川が、緑色に染まったという。
からくれないではなくて。
これを落語のネタに絡めて使いたかったのは私だけではあるまいが、断念しました。

落語協会マナー動画に絡めて、高座で撮影会ばかりしている昔昔亭A太郎師を若干批判した。
撮影どうぞと客に呼びかけるということは、スマホの電源を切っていない(当然、鳴る可能性がある)客を演者、ひいては寄席が受け入れているのだということは、お忘れなく。
つまり、マナーを呼びかけている噺家に対する、間接的な攻撃になるのである。
なんでそんな人に、「撮らない人はかたくなに撮らないですね。あとで消せばいいのに」なんてイヤミを言われなきゃならないんだ。
ちょっとイヤイヤが最近蓄積気味である。
落語は決して嫌いじゃないんだけどなあ。落語に入るまでにマイナスを蓄積してからだと、取り返せないな。

噺家がごく気軽に、平日昼間に集まる客を「なんでこんなに集まるんですか」とdisっている(ヒルハラ)。
それと一緒で、後でダメージになるんだ。
シャレだったらなんでも許されると思っていると、その場限りで完結しないのである。

A太郎師、現在池袋の夜トリ。また連日撮影会かあ?

成金メンバー、鯉八に次いで嫌いな人がまた増えた。
調子乗りすぎじゃないんですか。
そもそも、私の好きな成金メンバーって誰だっけ。全員並べてみます。

  • 柳亭小痴楽
  • 神田伯山
  • 昔昔亭A太郎
  • 瀧川鯉八
  • 桂伸衛門
  • 三遊亭小笑
  • 春風亭昇々
  • 笑福亭羽光
  • 桂宮治
  • 春風亭柳雀
  • 春風亭昇也

いやあ、積極的に高座を聴きにいきたい人が、少なくて改めてびっくり。

小痴楽師は、現代落語界を代表する若手である。この人は文句なし。
上手くて面白くて適度にチンピラだという以上に、この人からは「力」を感じる。
なにしろ、昇太長期政権が続いたあとの、次の芸協の会長だと私は決めつけている。

あとは、笑福亭羽光師。
NHK新人落語大賞に彗星のように現れて戴冠し、そのまま活躍を続けている。
活躍、といっても派手なものではないけれど。
キャリア的には、寄席に出づっぱりという人ではないので、外に聴きにいきたいなと思う。
この人に関していうと、「気づくのが遅いね。アタシはNHK以前からずっと着目してたけどね」という人は、実のところそんなに多くないんじゃないですか。
羽光師の新作落語はブッ飛んでいるけども、意外なぐらい既存の落語脳に響く芸である。
常に客との接点をさぐり続けているからだと思う。そこが鯉八との大きな違い。

成金の中で、一番早くから着目していたのが春風亭昇々師。
この人が真打昇進時に、柳昇を襲名すると勝手に思っていたぐらい。
二ツ目の頃はなぜか古典にばかり出くわしたが、軽快な古典は常にいいものだった。
真打になって新作を好きなようにやっている姿はいいけれども、大変だな新作は。
ずっと追いかけているわけじゃないから違ってたらすみませんが、売り物の新作、二ツ目時代に作ったものが多いんじゃないですか?
まあ、新作派の増えた今、大変そうで一方では、売り出せるルートも確立している。まだまだ伸びしろがあると思う。
新作ユニット「ソーゾーシー」を聴きにいきたかったのだが、鯉八アレルギーを発症したので行けません。

うーん、積極的に聴きたい人はこのぐらいか。

鯉八師については、大谷dis一発で離れるなんてでっち定吉は極端すぎると思う向きもあるかもしれない。
でも本当は、それをきっかけにいろいろ見抜いてしまったのが直接の原因である。
今後、古典をやっていくといったきっかけでもあれば見直せるかもしれないが。

宮治、昇也という人は、笑点での顔についてはすっかり受け入れている。
特に宮治師は、現在の笑点で唯一「笑いのある政治批判ができる」という点について、高く評価している。

桂宮治は政治批判落語のエース?

だが本業の落語は聴きたい気になってこない。
二ツ目時代のややこしい高座のダメージがまだ強いのもある。ただ、当時すごい人だと思ったのも事実なのだが。
笑点の姿に慣れると、本業のすごい人のイメージが薄れてくる。最初から本業を知らない笑点ファンと同じ見方になってくる。

昇也師も、タレントとしての才能はすごいなと。
10年後の笑点では、現在裏廻しをしているたい平師が役目を新メンバー昇也に譲り、ご自分は現在の木久扇師のようなポジションに移っているという見立てをしている。
だけど落語のほうが。
この人は最後の芸術祭優秀賞を獲った。そのことに異論は何もなくて、当然上手い人だというイメージはある。
なんだか器用にまとまってしまっているからかなあ?

春風亭柳雀師は披露目に行った。
地味な人だが、期待はしています。
この一門には、瀧川鯉橋師みたいな絶妙の人がいる。そういう路線へ。

伯山先生には、まるで興味が湧かない。
「嫌い」から、もう少し悪い状態に進んでしまった。嫌いっていうのは興味があるということだ。
トリの芝居に行ってレポでもすれば、当ブログももっと人気になるかもしれないが。

しかしまあ、良くも悪くも個性の強い人たちではある。
この下の「芸協カデンツァ」は比較すると全然目立たないものね。期待している人はいますけども。
そして上の世代も突き上げられてかなりワリを食っている。
最近、その芸協突き上げられ世代がかなり気になっているところであります。
夢丸、可風といった人に着目している。

作成者: でっち定吉

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2件のコメント

  1. 成金メンバーの評価、楽しく拝見しました。
    落語好きの飲み会でもこんな話はネタになります。
    ただ、その際に伸衛門師、小笑師は話題にならず・・・ここでもそうかと。
    そうはいってもユニットとして若手が売り出す方法を確立したのが成金かな?と思っております。
    あとに続くカデンツァやルート9がいまいちですが。
    個人的には、ユニットではないようですが、昨年に二つ目に上がった同期18’(かけ橋、南楽、南馬、春楽、蝶の治、松麻呂)に期待しております。

    1. いらっしゃいませ。
      まあ、あくまでも個人的に行きたくなるかどうかですから、話半分に願います。
      世間と一致することも、そうでないこともあると思います。
      羽光師は、世間の評価にかかわらず聴きたいものです、
      もっとも、評価が低かったらNHKなんて獲れないでしょうが。

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