渋谷らくご7(上・立川笑二「修業の厳しさ/太れメロス」※マクラです)

参院選の投票済証明書で提示でもらった割引券は今月まで。シブラクに使いにいかないと。
土曜も日曜も結局やめてしまったので、月曜日。
そして、今回の衆院総選挙の投票済証明書でもって、また割引券をもらう。8月まで有効。
しばらく国政選挙はないでしょう。都知事選もない。

月曜日の円山町、通るの初めて。
土日の昼間しか来てないもんな。
客は20人超えたぐらいか。

つる 笑二
暴そば族 きく麿
(インターバル)
報恩出世俥 いちか
付き馬 菊之丞

 

トップバッターは立川笑二さん。
ずっとファンだったのだけど、昨夏ここで聴いた黄金餅にかなり引いてしまい。ファンを続けられるか微妙。
といっても、避けるほど引いたわけでもない。
しかし気づくと、ほんとに立川流聴いてない。
好きな人ですらあまり聴いてない。
世間は聴いてるのかね?

4月にここで、連続6日間の真打トライアルをやります。
そこで合格すれば、それから1年ぐらい、2027年頃に真打になれるでしょう。
私が真打になると、沖縄県出身初の真打です。
今は後輩何人もいますけども、ずっと私だけでした。
でも無理もないです。落語はなじみがないです。
沖縄は、ついこないだまでアメリカだったようなとこですから。
そしていずれ中国になるので後輩はもう入ってこなくなります。最後の沖縄出身噺家ですよなんてことをよく高座で言ってました。
最近シャレにならなくなってきましたが。

でも故郷はありがたいです。
二ツ目になるとき、地元の新聞、琉球新報が取材してくれました。
わざわざ東京のいい会議室を借りてくれました。
沖縄から来た記者が訊きます。

「どうですか? 落語家さんの修業はやはり大変ですか?」

立川流は、寄席がないので修業のやり方が決まっていません。
これは、厳しい師匠のところに行けば厳しいし、楽な師匠に行けば楽です。
談笑一門は、楽な一門なんです。
なのに、「厳しいですか」と訊かれた際、変なスイッチが入っちゃいまして。

「そうなんです。毎朝師匠のもとに行きまして、家族全員のご飯を作りまして」

作ったことなんかないですけど。

「それから寄席に行って、夜までいます」

寄席なんかないのにね。

「その後も打ち上げがあったりしまして。毎日睡眠時間は3時間でした」

こんな記事が紙面に載りまして。
まあ、それはそれでいいじゃないですか。その後です。
川崎で県人会の周年記念がありまして。琉球新報も関わってまして。
呼んでいただいたんですね。
で、嘘というものは、いったんつき出したら最後までつき通さなくちゃならないんですね。
そのときの講演でも、新聞のインタビューと同じく、修業が大変だった話をしました。
終わってから懇親会で。
知らないおじいさんが話しかけてきます。

「君は偉い。厳しい修業に耐えられる沖縄県民なんかいない」

そう言って、祝儀をくださいます。
これはさすがにもらえないなと。貰ったら詐欺です。
なので返しました。実は、本当はこれこれこうなんですよとこっそり打ち明けました。
おじいさんは祝儀を引っ込めて、名刺をくださいました。
琉球新報の社長でした。
それ以来10年、見事にお呼びがありません。

盛るのまではいいとして、ウソはいかんだろと思うが、やたら面白かった。
地方の新聞、落語の中身なんかまるでわからず、修業の厳しさだけ注目しがちだ。
それに関する痛烈な皮肉に聞こえた。
なお談笑一門は日常は楽なのかもしれない。だが弟子に採るとき因果を含め、芽が出ないと判断したら辞めさせるということで有名な一門。
だからちっとも楽ではなかろう。これまた、笑二さんの皮肉だと思う。
笑二さんは有名な稽古キ◯ガイらしいし。

そして、どうして噺家になったかという、よく訊かれる質問へのアンサー。
小学校の学芸会で毎年恒例「走れメロス」をやった時にさかのぼる。
これは一度聴いた。

4クラスあって、他のクラスは投票でメロス役が決まりました。
ぼくのクラスだけは、じゃんけんです。買ってメロスになりました。
他のクラスのメロスはいかにも投票で選ばれそうな子ですが、ぼくだけ肥満児でした。
メロスの場面は4つあるんですが、やはり一番最後の、王様の元に戻ってきたメロスがいいだろうと。
じゃんけんで勝ちまして、最後のメロスを得ました。
王様がセリヌンティウスに対して、メロスは来ないではないかと言ったときに、舞台袖から「メロスは戻ってきた」と堂々と出てくるんです。
で、太ったぼくが出てきましたので、なんか変な雰囲気でした。
メロスは山賊に捕まって、必死で走ってきたのに、太ってきたの? そんな空気です。
そしてメロスとセリヌンティウスがお互い、自分を責めて相手に殴らせます。
抱き合ってセリヌンティウス役の子が言うのです。

「メロス、君の体を見れば、どれだけ大変だったかわかる」

場内爆笑でした。今も、あのウケを超えられません。

やっぱり面白い人だな。
本編は軽く、つるでした。
以前も聴いたが、かなりユニークな、楽しいつる。続きます。

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