柳家はん治師の代演は、林家鉄平師。
この師匠はまったく初めてかもしれない。少なくとも、ブログ始めてからは聴いた記録がない。
落語家53年やってます。何だか最近、すごく楽しくなってきました。
先輩に話したら、「気づくのが遅いよ」って言われました。
なんだったかマクラ振って、紀州へ。
実に楽しい一席だったのだけど、これ紀州という噺の、脱線(水戸黄門や暴れん坊将軍)まで含めて知ってるから面白いので、知らなかったら何話してるのか一切わからないと思う。
少なくとも坊やにはわからない。
この日はやたらと「待ってました」が掛かる。
やたらと声掛けると、楽屋には評判悪いと思う。
仲入りは柳家小ゑん師。師にも声は掛かる。
師は最初に小学生の坊やをいじる。
末広亭や鈴本でなく、池袋秘密倶楽部とは親も大したものだと。
初めて来たときは不安でしょ? 地下に連れて行かれて。
私も先日、エレベーターで降りたら、カラオケに行く若者が一緒に乗ってて。
「あ、下だった」
エレベーターが空くと、「池袋演芸場」。
「こんなとこに、こんなもんが!」
こんなもんですよ。
いつものメモ書きと録音ネタもちゃんと振る。
「我々アーティストには版権があるんですよ。さっき出た笑組にだってあります」
本編始まってから携帯鳴ってたのはスルー。
初心者が決してたどり着かない池袋か好きだと言うと、そんじよそこらの寄席好きからは土下座して崇められる。
小ゑん師だけでなく、似たことを言う人は多い。
でも、池袋のファンは不思議なことに、こんなこと言われてまるで本気にしないなと思う。
それどころか、自分のことを普通だと思うのだ。
子供がいるので当然ぐつぐつ。現場では久々である。
なんと2019年以来。
なのでちょっと嬉しくなってしまった。
坊やに向けてやりますとのこと。
冒頭、ラッキークッキーセンタッキーになっていた。
変えたんですか?
いきなり「イボ兄弟」。
「これは坊やには難しかったかな」
そして、「こぶどこ行った? 正蔵になった?」
「これも難しかったかな」。
なにしろ日本の話芸では、エキストラの観客がここまるでウケてなかったものな。
仲入りだから長いバージョン。
こんにゃく、はんぺん、ゲソ巻きとタコの足、糸こんにゃく、ふくろ、イモ、ロールキャベツ、大根、うでたまごなど次々登場。
主人公はイカの抜けたイカ巻き。
これ以上長くなると何が入るんだったか?
仲入り後は柳家緑助さん。今度真打の圭花さんと交互。
二ツ目だからクイツキに出れば抜擢のはず。だがそんな感じはない。
浜松出身です。よくタイの留学生に間違えられますが。
いつもこの挨拶をしてます。
そろそろ変えようかなと思って先輩に相談したら、「一朝師匠の前でそれも言えるか」。
イッチョウ懸命頑張ります。
浜松だから主任の花いちアニさんと同郷。でも花いち師から緑助さんの話聞いたことない。
この前、神田連雀亭に出てきたそうで。
「お客さん1人でしたよ」
そりゃキツいな。
調べたら昼席で、しん華さんと立川流2人。
でも、1人の席でも以前、面白いことあったんです。
先代の円楽師匠と伊集院光さんの二人会があって、勉強させていただいたのでそれをマクラで振ってましたら、お客さんが伊集院さんの先生で。
偶然は面白いが、ネタはイマイチ。
本編はつるだったが、寝てしまった。
ヒザ前は橘家圓太郎師。
たっぷりと声が掛かるが、「たっぷりできないこともあります」。
そりゃそうだ。ヒザ前でたっぷりできるものか。
昨年聴いた短命。
昨年はトリで出たのだ。まあ、ヒザ前向きでしょうけど。
こんな噺、子供の前で? と思ったら仲入りでもう帰ったみたい。
残ってたら、桃太郎になったりするのだろうか。
師の短命は本当に面白い。
隠居が、佇んでる八っつぁんに声を掛ける設定なので、悔やみは教わらない。
ご飯のお膳をよそって「手から毒が」。
こたつに入って「足から毒が」。
八っつぁんが覗いてる離れでは夫婦が「おいちい?」「ちゃんとかみかみちて」などと実況する。
声までは聞こえてないと思うけど。
隠居が呆れて、どうせまた間違えてるんだろうと思ったところに正解が出る。
前回聴いた際、八っつぁんが(顔はともかく)女房に惚れてる隠し描写にいたく感銘を受けた。
今回さらに、女房のほうもそうなのが伝わってきた。
メシをよそうお場面で照れてるのである。
破れ鍋に綴じ蓋。素敵な夫婦関係。
トリの花いち師に続きます。