拝鈍亭の橘家圓太郎4(上・寄席の顔付けものがたり)

拝鈍亭の橘家圓太郎師、4年連続になる。
圓太郎師はよそでも聴くけども、ここの高座が最もリラックスするようだ。
ひと味違う渾身の高座が聴ける。

マクラ10分(落語協会100周年の顔付け)
雛鍔(25分)
(仲入り5分)
マクラ10分(高座前の儀式)
柳田格之進(50分)

時間はメモしてるわけじゃないのでおおよそです。
拝鈍亭は90分の枠だが、みなさん時間オーバーして熱演される。ありがたい。

時間になると圓太郎師登場。

ものの考え方は、私は前向きなほうです。
同じ事象でも、いいほうに捉えたほうがいいです。
今日ここに来るとき、東池袋から歩いてきました。
歩いてきたのは、このあと飲む気満々だからです。
私は板橋区の熊野町というところに住んでいます。熊野神社の裏っ手で。私に言わせればうちの裏に神社があるんですが。
この拝鈍亭の場所は中途半端で。東池袋から有楽町線に乗ると、護国寺から戻ってこないとなりません。それなら歩こうと思いまして。
来る途中、なんだか足音が一致するおじさんがいるんですよ。気持ち悪いでしょ。先に行くなら行けばいいのに。
そのおじさんも、一緒に拝鈍亭に入ったんですよ。なんだか嬉しいでしょ。
あのおじさんどうしましたかね、この中にいらっしゃいますよね。
あ、お父さんでしたか。

一門の林家けい木くんが真打になりまして、今日はパーティーです。
一門ですし、木久扇師匠にはお世話になってますので無視はできません。同じ一門なので欠席してもご祝儀はたっぷり取られます。
特にめでたくもないですがパーティー行ってきました。
車で行きましたのでお酒は飲めません。一度帰って、バスで来たわけです。
バス代だけで電車賃も浮きますし。今みなさん、PASMOとかSuicaでもっていくら払ってるか把握していないでしょうけど。

落語協会では100周年興行というのを1年間やってきました。私は番組編成担当なんです。
どうせなら協会員全員出そうという話になりまして。ただ、なかなか順番の来ない人たちもいて、それなのに私が寄席出てると不満が出まして。
なので、私は出ないことにしたんです。そしたら最近、落語忘れてきました。
感覚が事務担当になっちゃいまして。
私は高座に上がらないで会員に電話しまくりまして。
電話すると不機嫌だったりします。この1か月休席にしてるんだよと。
そこを「1日だけ出て欲しいんです」と口説きます。

なかなか出ない人をまとめて交互出演にしますと、また不満が出るんですよ。大事にされていない気がするそうで。
なので考えました。交互出演に人間国宝を混ぜておくんです。
国宝と交互だと、不満が出ません。
5人交互だと、本来2日ずつ出るわけですが、細かいことは気にしません。人間国宝が1日しか出てなくても交互です。
交互の人たちも、毎日いるわけじゃないので、国宝が1日しか出てないなんて知りませんから。
こうやってみんな出てもらいました(拍手)。結構会員に喜んでもらえまして。
寄席に来て、楽屋で喋って高座に上がると、嬉しいようで。
なので暮れの納会の出席者が、例年の1.5倍に増えました。
常任理事の小さん師匠がスピーチで、こんなに集まるとは、おかげで料理が足りません。

出てくる前にネタ帳見てきましたが、私もずいぶん色々な噺やってますね。今すぐやれと言われても、思い出すのが大変です。
あさっての独演会(ゲスト一之輔)のチラシお配りしましたが、これは余ったので持ってきたもので。
それよりも、顔付け係のご褒美で、11日から池袋でトリです(拍手)。
そのあと21日から浅草でトリです。
落語忘れちゃったもので、今大変なんです。
どうぞお誘い合わせのうえ。

落語協会は人数多いから、日ごろ寄席に出られない人もたくさんいるわけだ。
呼ばれない人のこじらせ感がたまらないなと。
そして、噺家だったらみんな寄席に出たいもんなのだなあと、変に感動した。

圓太郎師の寄席のトリも行きたいな。
池袋、浅草どちらか行ってみるか。

マクラ10分は、圓太郎師としては決して長くない。
しかしその中身はたまらないものでした。

季節ものをということで、本編雛鍔に続きます

 
 

作成者: でっち定吉

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