昨日、前座のれん児さんを初めてだと書いてしまったが、3年前の浅草で聴いてました。
高座返しをする前座も、芸協の人なのだろう。知らない人。
と思ったら、X(横浜にぎわい座公式)に正解が出ていて、落語協会の三遊亭歌きちさんだった。
7日までの定席という特殊性からか、前座は2人だけらしい。忙しそう。
この横浜にぎわい寄席は、前座を除く顔付けが5席で、うち2組が色物という、色物多めの席。
当然のことだが、2組とも好きな色物さんでない限り、まず足を運ばない。
新宿カウボーイは好きな漫才だ。たまに猛烈に聴きたくなる。
私は大好物だが、いっぽうでこの人たちを嫌いになる感覚も理解はできる。
とにかくしょーもない小さなギャグを積み重ねていく芸だ。落語に置き換えたら、クスグリだけでできたようなもの。
まあそんな芸だからこそ、一線を踏み外しそうな緊張感がたまらないのであり。
「前を横切るな(ペシ)」
「こんにちわんこそば」
「マイナスからのスタートでーす」
「その胸ポケットにペン刺してるでしょ」
「あ、これ? ペンじゃなくて温度計でした」
「小学生が親戚に面白いって言われてそのまま大きくなった芸じゃないか」
「あ、みなさん親戚じゃないんですか?どうりで今日知ってる人がいないと思いました」
北海道と新潟の名物の戦い。
北海道出身のかねきよが、石沢が出た新潟の名産コシヒカリや越乃寒梅を、テンション低く言うというだけ。
北海道は「ゆめぴりか」かわいいでしょ。
客席にヒアリングしたら新潟出身のお客さんがいたので、謝るかねきよ。
そして石沢が相撲の話をしたいと振り、相撲対決。
しないんだけど。
石沢の、黄色いジャケットを脱いで着直すギャグをかねきよも真似をする。結局腰に巻いて、落ちてしまっていやーん。
服着てるだろ。
私がウケどころをお教えしましょう。私が手を上げたら笑うところです。
これを仕込んでおいて、相撲の最中に回収する。
クスグリだけでできた芸だが、でもずっとテンションが一定で、疲れないのがいいところ。
そして客いじりもするが、売れない色物にありがちな、変な緊張感を与えたりは絶対にしない。
好きな人にはたまらない。
繰り返し同じネタを聴いても飽きないと思う。
寄席に入るようになってから、きっと芸もどんどん洗練されていっているのだろう。
仲入りは春風亭昇々さん。
前がたっぷり漫才だが、特にやりにくいことはなさそうだ。
この人もテンション常に高くて、漫才にも負けてない。
そして、自虐がさりげないのがいい。
いい気候になりました。
横浜もインバウンドが多いですね。にぎわい座にも来てくれればいいんですけどね。
まあ、来ても言葉わからないからね。
青山学院中等部の学校寄席に行った話。
このぐらいの広さの会場ですね。後ろにはこう(十字架のキリスト)がいまして。
この日、落語となぞかけを頼まれてたんですよ。なぞかけ苦手なんですけど、せっかくの仕事だから受けまして。
締めくくりがなぞかけです。
授業でなぞかけをしてるらしくて、生徒から「青山学院」をお題にした上手いなぞかけが披露されました(忘れた)。
しまったー、来るんじゃなかった。
しかもねづっちさんも一緒でして。ねづっちさんもなぞかけを即興で披露します。
「青山学院と掛けて、顔の後ろと解きます。こうとうぶもあるでしょう」
うわー。どうしよう。私も一生懸命考えました。
「青山学院と掛けて」この時点で、まだ思いついてません。
「青山学院と掛けて、桃と解きます。その心は、みんなピーチピチでしょう」
やってしまいました。
自虐マクラなのだが、でもピーチピチ、面白いよね。
もう少しマクラが続いた気がするが、忘れた。
今日の顔付けだと新作なんじゃないかと予想したが、千両みかんだった。
新作の大ネタはないのだろうか。
とはいえ昇々さんの古典落語は面白い。
ストーリー自体は普通なのだけども、登場人物の語り口が古典のスタンダードから大きく外れている。
これは、師匠から引き継いだ手法なのだろう。語り口自体は、師匠とは違う独自のものだ。
千両みかんに入るにあたり、季節のフリは、高座冒頭のものだけだった気がする。
もう初夏ですね、と言ってたか。
本編は明日に。続きます。