神田連雀亭昼席11(上・立川幸朝「町内の若い衆」)

土曜日、神田連雀亭の昼席へ。
4人芸協。
うち3人が十代目文治一門。うち2人が伸治一門という、濃いメンバー。
トリは、先日しん華ねえさんをネタにしていた弟弟子の蝶の治さん。

町内の若い衆 幸朝
元犬 しん華
のっぺらぼう 小右治
うどん屋 蝶の治

 

つ離れしている。12人だそうで(蝶の治さんによる)。
誰目当てなのか。

前説は小右治さん。普通は2番手の人が出てくるもんだが。
なぜか立ったままやる。

千代田区はたばこの吸えない区です。お茶の水まで行ったら喫煙所があるらしいです。
どうしても吸いたいかたはそちらへ。ただ、戻ってくる頃には終わってるかもしれませんが。
あとスマホの電源は落としていただきまして。写真撮影は許可のある場合だけ、のはずです。
録音はご遠慮ください。私たち師匠の悪口など言いますので、炎上すると困ります。

ありがちな前説なのに、実に楽しい。
噺家が染みついてる人だねえ。そう思う。

ちなみに4人全員芸協だということには、誰も触れなかった。
いかにも触れそうだけど。

トップバッターはピシッとした頭の立川幸朝さん。
期待の人だが、昨年は聴いてなかった。
聴いてないうちに、また上手くなっていた。恐ろしく上手い。
恐ろしく上手いのに、マクラがあまり面白くないという。
しかし古典落語に入ると、クスグリを欲張らないのに非常に楽しい。

「面白いのだがヘタ」という人と、「めちゃくちゃ上手いがそれほど面白くもない」人は、どちらが将来性があるだろう。
私は基本、後者だと思ってます。
落語の世界は、ちゃんとやれる人は、勝手に面白くなる気がする。
自分のできない方面をスパッと切ってから出世する人が多いと思う。
とはいえ、自分の私生活のマクラは楽しい噺に乗るためのジャブだから、ちゃんとウケて欲しいが。

正月は、芸能人の結婚が多いですね。
例として今年は長澤まさみです。私狙ってたので残念です。
でもこの人にしてからが、あまり盛り上がっていないという。やはり、浮気や離婚のほうが盛り上がりますね。
私もそっちのニュースのほうが好きです。これは、私生活が満たされてないからだと思います。
…賛同得られていませんが。

そりゃ、得られまいと思ったけど。
だが、町内の若い衆に入ってからは本当にすばらしい。
とにかくリズムが最高。歌っぽくはないのだけど、リズミカル。
といってリズミカルすぎて意味を失うようなセリフ回しではない。

そして本当に面白く。
町内の若い衆なんて軽い噺。寄席の逃げ噺でもあろう。
そんなにウケなくても害がないし。
その噺を、普通に語るだけで楽しい。
というか、笑える。マクラでしくじり気味の人はもう、どこにもいない。

主人公(たぶん八っつぁんでしょう)が、自宅のかみさんを思い出して寒気をもよおす。寒気がピークにきたときがうちの前。
こんなのがやたらと楽しい。

かみさんがたばこ吸ってないのは現代ふう。
「夫の後ろにどっこいつけてみな」とか「男か女か覚えがあんだろ」とかの、ごく普通のさしてウケないクスグリはない。
八っつぁんがかみさんを評して言うには、「お前は、男と女しかいねえから女のほうに入ってるだけで、男、女、その他があったらその他だからな」。
こんなのもびんびん来る。

そして驚いたのが、八っつぁんが湯に行くくだり。

「湯銭くれ」
「そこらで拾え」
「行ってくらあ」
「もぐっちゃえ」

こんなので笑ったことなどないのに、いたく響いた。心底びっくり。
このクスグリって、魂入れれば実は楽しかったんだと。
八っつぁんとかみさんの丁々発止のやりとり(漫才)においては、結構強烈なワードの応酬なのである。

留さんが頼まれて八っつぁんの家に来ると、やっぱり寒気がする。
迷わなくていいな。

というわけで、大した人です。
前座のときは意識したことなかったけども、この時期伸びる人もいる。

続いて桂しん華さん。ポワンと登場。
上手を指して、「おひな様ですね」。
メガネを掛けている。メガネ姿は初めて。

私、本名は谷口ひまと言いまして。
ひまは、お日様の日に、麻という字。麻薬、大麻の麻ですね。
どういういわれかと言いますと。
四日市の両親が言うには、男の子だったら野球をさせたかったそうなんです。
巨人の星です。
「ひゅうま、ひうま、ひま」となってひまです。
まるごと信用しないでくださいね。

二ツ目になるときは、5番弟子なのもあって「治五郎」という名前も候補にありました。
ジゴロウ、かっこいいじゃないですか。陶芸の人間国宝みたいで。
このたび一門の8番弟子が二ツ目になって、「八五郎」になるかと思いましたがなりませんでした。
しん華も宝塚っぽくて気に入ってます。

江戸時代は動物を町内で世話してたりします。
名前も付けられまして。単純な名前が多いですね。
黒いからクロ。赤いからアカ。白いからシロ。三毛だのブチだの。

ブチはともかく、三毛は猫じゃねえかと思ったが。

本編、元犬に続きます。

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