江戸川落語会 その2(柳家喬太郎「夜の慣用句」)

喬太郎師、寄席四場の話も。
都内の4か所の寄席は、みないかがわしいところにあります。
鈴本演芸場の裏手は、日本一ポン引きの多いところです。席亭がそう言ってましたから間違いありません。
新宿も、絶妙に二丁目に近いところですし。
あと私の地元池袋。池袋の「い」はいかがわしいの「い」。池袋の「け」はけがらわしいの「け」。
いかがわしく汚らわしい袋に入った街が池袋です。

久々に池袋の名前の由来を聞いた。
6年前に池袋で聴いた際は、「極道のつる」に入っていった。

初席の話。
顔見せなので持ち時間5分程度。適当にやっつけ、いや、なんて言ってたっけ。
寄席なんて、そんなにいつも満員になるものでもないし、日頃気軽に来ていただいていいんですよ。
でも世の中には、寄席は正月に行くものだと思ってる人もいるのです。
今年、それを実感しました。
初席の掛け持ちがある。一席終えて外に出たら、今まで聴いていた人も出てきていて、話しかけられた。

「今やっていた人ですよね。結構面白かったです。来年また来ます」

本当の話です。すぐ来たらいいじゃないかって話ですが。

電車に乗ってましたらね、外国人の親子がいました。アジア系で、子供は未就学児ですよ。
一生懸命、日の丸の旗振ってるんですね。あれ、右翼かなと。
でも右翼じゃありませんでした。その子旗振りながら、「ジングルベール」って歌ってました。

ここから昨日書いた、学生の飲み会の話に向かったのだと思う。
二次会、居酒屋組とカラオケ組に分かれるのを仕切っている幹事。
少々迷惑だが、懐かしさも感じる喬太郎師。

本編は「夜の慣用句」。
秋川で、現場で初めて「すみれ荘201号」を聴いて感激したばかり。
その際に「夜の慣用句」のことも頭をよぎったのだ。
この噺も、現場で初めて遭遇するので嬉しい。

喬太郎師の落語の登場人物は、新作も古典も劇団員。
すみれ荘201号に出てくる市会議員の吉川さんと、夜の慣用句のスケベ上司とは、恐らく同じ役者が担当している。
恐らく、「午後の保健室」の学生もそうなのだろう。メアリーもそうかもしれない。
一時期劇団キョータローで活躍したコメディ俳優なのだ。古典落語にはまったく出ないし、最近の新作にも出ないようだけど。

ひとつだけ今さらなのだけど。
このスケベ上司が「座右の銘は」とたびたび迫り、そして自ら語るのは「格言」(ことわざ)であって慣用句じゃないけど。
慣用句とは、教訓を含まない言いまわしなのだ、「手を打つ」とか、「涙をのむ」とかの。
まあ、だからって「夜の格言」にするわけにもいかず。

スケベでパワハラ気質満載の上司だが、やたら楽しい。
そのままがいるとは言わないが、楽屋にいる師匠たちのエッセンスをより集めて作ったのであろうことはだいたい想像がつく。

「無礼講だー、気を遣え」

「仕事終わりだからな、仕事の話は、するぞ」

名言ですな。

珍しく上司が3人の部下たちと飲んでるのは「和民」。
いいところじゃないか。ブラックとか言われてたがだって。

お前、外回りとか言ってこないだ池袋演芸場に行っただろ。
行ってません。
いや、行った。私もいたからだよ。気を抜くな。あれぐらいの人数で。

喬太郎師がトリ取ったら立ち見になるけどね。

部下たち、枝豆の食い方にまでケチをつける課長とじゃゆっくり飲んでられない。
なのでキャバクラに行こうよと。ボトル入れたし。
キャバクラがあるのは最後、平井だって言ってた。江戸川区サービス。

キャバ嬢に対しても、セクハラの限り。
課長がわざと股間に水割りこぼして、拭いてくれという場面があった。
ああ、テレビのときはきっと抜いてたんだなと。
現場だったら成り立つかというと、もうギリギリだと思ったけども。
でもちゃんと最後はやっつけられるんだから、いいと思う。

こんな上司、同時代性を保っていてこそ落語になるのかなと、思うではないか。
だが、令和になってからも全然成り立つのだった。
別に、ひと昔前の時代ですと断って始めてるわけではないのに。
新作落語の効能を思い知った。
もちろん喬太郎師、自覚してこの時代に出してるのだろう。

続きます。

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