仲入り休憩後、こみち師は袴姿。
夫の漫才を聴きました。
普段仕事はまず一緒になりませんから。ああ、漫才師なんだなと。
いつもなんだか出かけますけど、仕事してるんだなって。
一席目のマクラで話してたが、この日の2席は新宿のトリでは掛けませんのでとのこと。
拝鈍亭さんは盛り上がってていいですね。たまに新宿の仲入り後、どうしようかと思うことがあります。
で、上がる人みんな卑怯な手使ってることがありますね。
新宿のトリは3年目なんですけど、毎年だいたい、後半に賑やかな人が入ってましたね。
今年の柳家の重鎮ですからちょっと雰囲気違うかもしれません。
我々前座時代に筆を持ちますから、みな筆で字は書くわけです。
噺家だから字が上手いかというと、いろいろで。
噺家らしい字を書くのが三三アニさんですね。
でも、びっくりするほどヘタな人もいます。文菊アニさんはヘタですね。
それでも最近マシになりました。下手さをごまかす技術ができまして。
でも落語上手いんですからいいですよね。
袴でなんの噺をするのかと思ったら、抜け雀。
なかなか画期的な噺でした。
- 雲助を振らない(サゲが違う)
- 宿屋の屋号は小松屋
- あちこちで宿泊を断られる場面はない
- 宿の旦那は大坂出身で、小田原に居ついてしまった婿養子
- 宿代は2両
- 侍は昼間出歩いている。隠し設定として、絵の修業はちゃんとしているものと思われる
- 絵師は亭主がかみさんに養子だとののしられているのを陰で聞いてる
- 二番目に抜け雀を確認するのはかみさん
- はばかりに泊まったりはしないが、階段の空きスペースで一晩過ごす
- 大久保のお殿さまからが付けた値は、100両(こみち師のマチガイ)
- 侍の親子関係は説明されない
- 父の絵師は、高尾の山中で採れた杉を止まり木に描いていく
大坂出身なんだ。
こんなのは、桂南光師からしか聴いたことがない。
南光師は、上方落語なのに小田原で上方ことば、という設定がやりづらくて、設定をいじったのだ。
演者が自然に話を語るための都合であったはず。
なのに東京の落語家が、江戸の言葉でやる抜け雀において、その設定を借りてくる。実に面白いなと思った。
で、かつてラジオで聴いて取り上げた、桂南光師の噺を再確認した。
いや、思ったよりももっともっと共通点があって驚いた。共通点というか、もうルーツ。
こみち師と、上方の大ベテラン南光師に接点があったのか。
以下はリンク先記事において、南光師の抜け雀の特徴として記した内容。
- 舞台は小田原だが、亭主が大坂出身という設定
- 亭主に墨を摺らせる理由は、腕がくたびれて絵が描けないといけないから
- 宿賃は2両(多くの抜け雀では、5両の宿賃を、雀5羽で支払う)
- 雀5羽以外に背景も描いてくれという亭主の要望を断る
- 父親絵師がやってきて、絵を見せてくれというのに、亭主が昼間は飛ばないから見ても仕方ないと一旦断っている
- 絵の雀が死ぬわけないと抗議する亭主に、絵から羽ばたく雀ではないかと理屈を述べる父絵師
- 父絵師が書いたのは杉の枝
こみち師の噺に入っていないのは、5だけ。
サゲも鞍馬が高尾になるだけで(天狗裁きパターン)、南光師と同じ設定だった。
いやあ、いろいろ書いておくと後で本当に役に立つなあ。
ちなみに大坂出身設定の使い方。
亭主のほうは訛りが抜けたが、強いかみさんのほうに関西のおばちゃんの喋りがうつってしまう。
よく考えたら、普通の抜け雀の5両って法外だよね。毎日酒飲みまくったって、5両はない。
まあ、2両もそこそこ高いけど。
養子設定の主人をおかみさんがののしる型、演者が女性だとキツすぎる?
これは全然そうでもない。本当はキツくないからではないでしょうか。
大久保の殿さま、ついたて100両でお買い上げ。一桁少ないんだなと思ったら間違いでした。
父絵師が止まり木を書いてからこみち師気が付き、1000両に値上げ。
こういうこと言っちゃう落語家なんだって。言わずに100両を200両にしてやり切る方法もあったろうが。
でもいいじゃない。
強いかみさん、絵師が戻ってきたときに露骨にすりよってるの好き。
今年もすばらしい会でした。
陽昇のおふたりは仕事があるのだろう、いなかった。一席終えたばかりのこみち師がお見送り。
文京区のコミュニティバスが18時44分に出る。
これに乗って、へんなルートをうねうね曲がりながら100円で春日の文京区シビックセンターへ出た。
乗ってる時間で、スマホでもって初日の記事ほとんど書き上げちゃった。
結構フリック入力早いなと思った。