鈴本演芸場15(上・龍玉馬石夢金リレー)

連休にどこかに行きたいというリクエストをもらい、昨年と同じく鈴本夜席・雲助師の芝居へ。
千秋楽なのも昨年と同じ。昨年は木乃伊取りネタ出しでした。
今年のネタ出しは夜鷹そば屋。現場で聴いたことはないが、いい噺。
昨年は頭から入ったが、仲入りから。2,000円。
中央通りに並んで幕見券の販売を待つ。インバウンド客が不思議そうに行列を眺めていく。

ダーク広和
夢金リレー 龍玉・馬石
小菊・小春
夜鷹そば屋 雲助

 

8時半から後半のはずだが、熱演が続いたのか押し気味だ。
8時半を回って入場開始。

ダーク広和先生は時間調整のためごく短い高座。
マジシャンの世界大会が3年に一度あって、日本人が優勝したんですよ。知らないでしょ?
でも徹子の部屋はすごいですね。しっかり呼んでましたよ。
短くてもいつも面白い。

続いてリレー落語。
前座さんがメクリを片付けてしまい、蜃気楼龍玉師の登場。

毎日、師匠の噺をアニさんとリレーでやってますとのこと。
冬の噺ですがと断って。
欲深とケチの違いを振って、「100両欲しーイ」。
夢金か。4月の末にやる噺ではないけれど、まあ、寒さを描くのも噺家のウデだ。
師匠のものは聴いたことがある。

一杯やってきたもんで、つい寝落ちしてしまった。
船頭いるではないか、あれはいけませんのくだりから、気づくともう船が出ている。
拍手で目が覚めた。
まあでも、一瞬寝てすっきりしたし、隅田川馬石師に代わっていいところを聴けた。
いいことにします。

酒手をつかわすといいながら、あの野郎全然だしやがらねえと櫓をこぐ熊さん。
いいビジュアルだなあ。
船ゆすり作戦に出る熊さん。
馬石師の熊さん、ふざけて映るけど品がいい。
いや、ちっとも品のいい野郎じゃないけども、二重写しで品よく見える。

黒紋付の羽織を脱いで、雪を払う所作は師匠と同様、馬石師も入れてる。ただ、あんまり大げさに払わない。ささっと。
欲の深さを見込まれて、悪い相談を持ち掛けられる熊さん。
この、人間の欲と正義が真っ向からぶつかるシーンが爆笑でした。
馬石師の熊さんは極めてマンガチック。師の多くの噺と同様だ。
でいながら、ドラマチック。マジ。
手塚治虫マンガで、シリアスなシーンに延々と裏でギャグが描かれているようなものだろうか。
たまらないな。

この結果熊さんが、裏切る前提でコロシの手伝いを応諾したのか、それともいったん山分けに目がくらんだのか、そんな解釈は意味を失う。
どっちでもいいのだ。
あえていうなら、分のいいほうに乗ったんじゃないかとすら解釈できる。

侍もケチで、熊さんに2両しか出す気がない。
熊さんが、「2両? ただのりゃんこ? ただりゃん?」と言っていた。
「ダシカン」や「たてはん」みたいなタダリャン、初めて聴いた。師匠もこんなのは入れてなかった。
面白いじゃないか。

ここから、脅しにめげず船の上ならこっちのもんだと闘う熊さんが、実にカッコいい。
まあ、冷静に考えたら侍が熊さん切り殺したら、そのあと困るだろうね。泳げないから丘にも上がれない。
セリフには表れないが、それを見越しているわけだ。

侍を中州に取り残すシーンは、劇的だが強調しすぎない。正当防衛とはいえ人殺しなのが気が咎めるんじゃないかと想像する。
そのあとささっと娘の家からお礼があり、小判の封をぺりぺり剥がす、タチ悪い熊さん。

いいなあ。まるまる一席、馬石師で聴いてみたい夢金でした。

座布団が2枚用意される。
柳家小菊師匠と、柳家小春師匠のペアである。特別企画だが、ちゃんと二人の名の書かれたメクリも用意されている。
小菊師匠がいつもはばら売りなんですよ、今日はセットですよと案内。
小菊師匠のいつもの曲はやらない。二人でセッション。
「~やおまへんか」のきんらい節を二人で歌う。

トークに入って、小菊師匠、「意味がわからないでしょ」。
師匠(柳家紫朝)に訊いたら、「俺のわからないこと訊くな」と機嫌が悪かった。

小菊師匠に「変わった唄ない?」と訊かれた小春師匠。きのこ節があります。
しいたけの歌を歌いあげる。
あら~お料理の唄だわね。きのこ節っていうんだから、他のきのこもあるんじゃない?
なんでもありますと小春師匠。
マッシュルームの唄を歌い上げる。

最後、本気出すわと言って、二人で三味線のインストジャムセッション。
何の曲かはわからないけど、これはすごかった。
べんべんべんべんと盛り上がったところで中手を入れるといいんじゃないか(ジャズの作法)と思ったのだが、残念ながら入らない。
これはすごかったですね。

雲助師の「夜鷹そば屋」に続きます。

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