神田連雀亭ワンコイン寄席37(中・瀧川鯉白「武智、腋臭やめるってよ」)

怪しい風貌の瀧川鯉白さん、のっそり登場し、しばらくなにも語らない。師匠・鯉昇リスペクトか。
ようやく、聴こえないぐらいの小声で話し始めて客を引き付けるが、すぐにまともな声に。

10人いる芸協カデンツァのメンバーで、この人だけ聴いたことがない。
この日のトリの竹千代さんや、喜太郎、希光といった人は神田連雀亭やそれ以外でも何度か聴いているのだが、巡りあわせはある。

今日は花ごめ姉さん、竹千代アニさんと一緒で。
私は、自分の出演の日、誰と一緒だったかって全然調べないんです。ただ、連雀亭公式ツイッターに番頭さんがアップしてくれているので、当日には誰と一緒だかわかります。
でも今日は上がってないんですね。なんでも今いちさんが忘れたみたいで。
ツイッターには上がってなかったんですけど、春雨や風子姉さんが「なんとかサマーウイカ」のモノマネしてるツイートを見つけたんで、満足です。
風子さんはこの日の昼席トリ。

兄弟子の春風亭柳若が今度真打になるんですよ。披露目のチケット預かってきまして。20枚、と言って見せる鯉白さん。
私から買ってくださっても、私の懐にはなにも入りません。ただ、兄弟子に褒めてもらえます。
褒めてもらいたいので買ってくださいだって。

竹千代さんは、賞獲ったんですよ。なんだか芸術祭みたいな。賞金もたっぷり出たそうですよ。
なんだか、二ツ目が新人賞獲るのは11年振りだそうで。なんでもその、二ツ目で獲った前回が一之輔師匠だそうで。
一之輔の再来がアレかよ。

私も知らなかったのだが、芸術祭賞新人賞である。

昨日も連雀亭の昼席に出てましたら、お客さんに声かけられました。
「私は国立で聴いた鯉昇師匠の噺がとても好きになり、鯉白さんというのはお弟子さんだろうから、きっと師匠のようないい噺をするのだろうと思ってきました」

私は上方の桂ぽんぽ娘さんと会をやってるんですけど、花ごめ姉さんが、ぽんぽ娘さんの東京の会によく見学に来るという話を、ぽんぽ娘さんから聞くんです。
花ごめ姉さん優しい、いい人なので、ぽんぽ娘さんの会には行かないほうがいいと思うんですけど。
ぽんぽ娘さんは下ネタ落語で有名な女流。

故郷・鳥取出身者の同窓会の話。
テンションがいつもムダに高く、クラスでずっと浮いていた女の子が、現在地元で廃墟物件を巡るYou Tubeで結構バズっている。
その子に、私は毎年好きって言われてました。バレンタインにはいつもチョコやクッキーもらってました。
ただ、兄に絶対ツバ入ってるぞと言われて捨てたんですが。
ひどいことをしましたが、ホワイトデーには母に言われてお返ししました。300円持っていって、「はい」とこの子に渡したら、ドン引きされてました。
私なりに、考えて現金がいいと思ったんですけど。

今日はなんの噺をやろうかなと。年末に下ネタもいいかなと思ってます。
ただ、竹千代さんの噺をやりたいんです。竹千代さん大好きなんで。

私でっち定吉も、たっぷりのマクラ、よく覚えているものだ。
もちろん、鯉白さんにそそのかされて録音したから再現できている、そんなわけではありません。
客がよく覚えているのも、結局演者の個性によるもの。散漫なマクラは覚えられないし、覚える気もなくす。

武智という、噺に実際には出てこない人物をめぐる新作落語。
もちろん、「桐島、部活やめるってよ」のパロディだろう。原作読んだことはないがそれぐらいはわかる。
そして、武智がつまり竹千代であることも。

徐々にわかってくるのだが、部活はサッカー部。
武智という部員は、あまりにもワキガがひどく、部活辞めて手術を受けることにしたらしい。
なお、リアル竹千代さんもワキガらしい。
竹千代さんと一緒に出る際、鯉白さんはこの噺を必ず掛けるんだそうで。

クレイジーな主人公は、ワキガだって我々の仲間だと、わけのわからないことを言う。
左右のワキガはメッシとロナウド、究極のツートップなんだそうだ。意味不明。
このワキガのおかげで敵が卒倒し、ゴールを決められたことも多数。

明日もちょっと、この狂った新作落語に触れ、もうひとりクレイジーな、竹千代さんに続きます

 
 

作成者: でっち定吉

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