伊勢原落語会の昔昔亭喜太郎(上・オチケン女子大生の初高座)

4月2日土曜日、どこかに行きたい。
東京かわら版を見て1,000円の会があるので行ってみる。
芸協の二ツ目、昔昔亭喜太郎さんの勉強会。
もっとも、場所は伊勢原。遠い。
たまには遠征もいいでしょう。
小田急線では、過去本厚木が一番遠い遠征で、それよりさらに先。

伊勢原に行くことにしたので、次週の土曜日検討していたざま昼席落語会(左橋・萬橘)は自動で消滅。同じ方面だもの。

小田急沿線は埼京線の海老名直通で行くと便利だが、それよりもぐっと安くなる行き方がある。
前回の座間もそうだったのだが、東急田園都市線で終点・中央林間まで行き、小田急で相模大野折り返し。
長津田でJR横浜線に乗り換えないのがポイント。
私はこんなことばかり考えているビンボー人です。
そして、出かけたついでに「かながわPay」で10~20%還元の買い物や食事をしたりして。
神奈川県民よりこのアプリを使っていて、今や満額の3万ポイントに達する勢い。
今回は中央林間駅構内の吉野家と、帰り、伊勢原駅前の相鉄ローゼンで買い物。

まん防が終わって、電車は結構混んでいる。

伊勢原駅は初めて降りる。小振りではあるが急行停車駅。
喜太郎さんはこの地のご出身。
噺家では他に三遊亭遊吉、金原亭馬玉といった人も。

北口を降りると、普段遠景で眺めている大山が本当に目の前だ。
これはお詣りする気になるわなあ。六根清浄。
駅前の大鳥居を抜けて少々歩くと、会場のシティプラザ。
1階の広いホールに、椅子がまばらに置いてある。

喜太郎さんご自身が受付に立っている。アットホームな会で、2回目だそうである。
つ離れはしていた。もっとも関係者も一定数いるようだが。
予約は3名だったそうで、安堵の喜太郎さん。
地元のご老人たちはみな顔見知り。

 

オープニングトーク 喜太郎
平林 頭下位亭ぽん
長命 喜太郎
(仲入り)
紺屋高尾 喜太郎

 

時間になったので喜太郎さん登場。
普通のマクラだと思って聴いていたのだが、実はオープニングトークだった。

伊勢原市は落語で町おこしをしようと力を入れていて、それに乗っかって会を開きましたとのこと。
3月21日で、噺家生活10年になりました(拍手)。
あと4~5年で真打です。
私はここ伊勢原出身で、秦野の高校を出たあと東海大学落語研究部に入りました。
東海大オチケンの出身者といえばあの春風亭昇太師匠。
それから今度、春風亭柳若アニさんが真打になります。
東海大のオチケン、もともと部員が少ないんですが私が真打になるときまでは存続して欲しいものです。
今の部員、コロナのおかげで活動できないんですよ。3年生になっても高座を務めた経験がないんです。
そんなわけで、今日呼んじゃいました。女の子です。
女子大生の落語を聴ける機会なんてそうそうないですよ。しかも初高座です。
いいですか?
これは料金に入ってませんから。ちゃんとこの分私がやりますので。

いいですかって訊かれても。
というわけで喜太郎さんいったん高座を下りて、後ろの席に座っていた着物の女子大生「頭下位亭ぽん」さんが初高座「平林」を務める。
字は不明。たぶんこうだろうと。
どういうテンションで聴いたらいいのかわからない。
将来楽屋入りする可能性だってあるから、余計なことは言わない。
本日のタイトルに引きずられて来訪した人には、なにも書いてなくて申しわけありません。でも「オチケン学生」だとなんだか変だからさ。

再び喜太郎さん。「私より上手いですね」とヨイショ。
これだけしておけば、私の披露目のときにはいろいろしてくれるでしょう。
後ろ幕とか幟とか、羽織の1枚とかでしょうね。
「恩を売っておかないと」。
もっとも喜太郎さん噛んで、「運を追っておかないと」と間違ってしまう。昇太イズムの継承。

先日昇太師が新真打柳雀師(柳若)のことを、「学生時代から知っている後輩なのに、鯉昇アニさんのところへ行った男」と評していた。
このネタ、5年後にもう1回使えるわけだ。
名前の出なかった古今亭今輔師もOB。芸協ばかり。

最近は女性が落語界に大勢入ってきまして。楽屋中女性だらけですと喜太郎さん。
着替えを手伝ってもらう師匠たち、以前は白ブリーフだったのに、最近は色気づいて黒いトランクスを履いています。

寄席だとお客さんの喜ぶ噺を考えるわけですねと喜太郎さん。
この会は勉強会なので、基本私のやりたい噺をやるわけです。
ただ準備していても、たとえばお子さんが来たりすると色っぽい噺はできませんから。
今日はお子さんいないので、色っぽい噺がやりたいんです。

というわけで一席目は短命。

続きます。

 
 

作成者: でっち定吉

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