本日土曜日は座間へ。ざま昼席落語会は2022年の秋以来。
三度通えば、もう馴染み。
ここは安く(当日千円)、演者がよく、たっぷり2席ずつで客もいい。パラダイス・ザマ。
今回は扇遊・圓太郎二人会。
高円寺の落語まつりなども気になったが、この二人の顔付けなら遠征する価値がある。
しかし遠い。慣れてきたほうが、より遠さが染みる。
少しでも安く行こうと、中央林間、相模大野経由。
中央林間からハローサイクリングのレンタバイクで行こうかとも思ったが。
トドメに、相武台前駅からも十分遠い。
ただ、裏側の南口から出て、大地に空いたアナボコ、かにがさわ公園を抜けて歩いてくるのはなかなか楽しい。梅も咲いていた。
この会場、ハーモニーホールざまだが、夏から大規模改修で1年半休むらしい。
どこもかしこも休館ラッシュですな。
休みに入るのなら、あと1回ぐらい来ようか。
ちなみに客がいいと書いたが、今日の客はちっともよくなかった。
事前に十分注意されてるのに携帯鳴らすし、電子音もやたら鳴らすし。
隣の夫婦はずっと高座の最中話してるし。後ろの子どもは普通の音量で喋りだすし。
高座はよかったです。
帰りは同じ道もつまらないので、初めてのルートを開拓し、相鉄さがみ野駅に歩いてみる。中央林間よりは近い。
こちらも中央林間方面と同様、巨大な谷に橋が掛かっている。地形的には大変面白い地です。谷底も民家がたくさん。
駅前のマックで今書いてます。
子ほめ | 市助 |
人形買い | 扇遊 |
厩火事 | 圓太郎 |
(仲入り) | |
桃太郎 | 圓太郎 |
試し酒 | 扇遊 |
前座の柳亭市助さんは初めて。
できるオーラを漂わせた人。初っ端から、やるなおぬしという。
すでに自分の間を持っているのである。師匠から剣道でも教わったものか。
ただし感心したのも束の間、朝早かったこともあって寝てしまいました。
またいずれ。前座のうちに聞いておくべき人に違いない。
香盤では、上が東村山、下が十八。できる人ばかり。
扇遊師から登場。2年振りである。
小澤征爾追悼から、落語なんて役に立つもんじゃありません、申しわけありません。
そして節句の話。
なんだかバラバラだが、ちゃんとつなげてはいる。
小澤征爾から辻井伸行に話を振り、そして無神経な記者が「目が見えたら何を見たいですか」と質問する。
辻井伸行いわく、「親の顔」。これ、記者に言ったのではと。
ただ、五節句につながるブリッジはなんだったか。
プレバトの夏井先生の話も出ていたけど。
お雛さまを超えて、なんと端午の節句の噺である。
人形買い。季節を先取りするには早すぎる気がするが、それにしては扇遊師、口慣れている。
人形買い、いいですよね。気がつくと季節が終わってしまうもったいない噺。
長屋の熊さんところの赤ん坊誕生の祝いなんだから、一年中やったってよさそうなのだが、そうもいかない。
扇遊師の人形買いは、おしゃべり小僧が店の内幕をペラペラ喋るところで切ったものがNHK演芸図鑑で流されており、一時期よく聴いた。
フルバージョンが聴けるかと思ったら、フルではなかったけど。でも実に楽しい。
改めて聴くと、今月の抜けた月番は、来月の買い物天狗月番に対し、「こすっからい」しか言っていないのだな。
壺算もそうだが、現在はうっかり言う悪口を強調しすぎているかもしれないな。
こすっからいぐらいだと、悪気なく言いそうだもの。
自然な会話だけで扇遊師の噺は楽しい。本当は落語なので不自然なのだけど。
抜けたほうの男は、上方落語における喜六のごとく意図的にボケているのか、東京の甚兵衛さんのごとく天然なのか、よくわからないところが楽しい。
太閤さまと神功皇后さまの人形を抱えた道中、定吉の内輪話のあと、抜けた男が、「女は怖い」を受けて、そうだ自分のかみさんも怖いという話を始める。
このくだり、柳家小はぜさんからしか聴いたことがない。
たぶん、もともとは上方落語の船弁慶から来てるのだと思うけども、この型ちゃんとあるんだなと。
小はぜさんにも、扇遊師から行っているのであろうか。
このくだりこそ、ハイライト。
かみさんに焼き豆腐を買ってこいと言われたのに、チンドン屋の太鼓に夢中になる男。
後をついていって、太鼓のリズムは覚えたけども、お使いの中身を忘れ、里芋を買って帰る。
かみさんにお灸を据えられ、熱い熱い。
熱かったらこうしてやると井戸水をぶっかけられ、冷たい冷たい。
また熱い熱い。冷たい冷たい。
あ、オレが買うのは焼き豆腐だった。
ここでサゲ。
いろんなところでサゲるもんだ。長屋には着かなかったが、25分ぐらいの高座であったかと思う。短くはない。